いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

知らないと言えることこそカッコイイ 61編

2005年08月31日 08時51分49秒 | 娘のエッセイ
 『知ったかぶり』これほど私と縁のない言葉も珍しい。誤解しないでくださいね。
けして私が物知りなのよーと言っている訳ではないんだから。実はまるで逆な
の。ホント。

 ある日会社で、三十代の男性との会話。
私「昔よく社長に苛められて泣いていたの」
彼「いろんなこと、しっているから?」

ちがーうー!彼を含めて私の周りの人達は、完璧に私を誤解している。私は
そんなに色々なことを知っている訳ではない。まだ二十六の小娘、知らないこと
のほうが多いのが当然だ。

 けれど、彼らが誤解をする理由は私の習慣にあるのだと思う。私は、自分の
興味のあること、しっていることは自分から話題にするし、会話にも参加する。

が、しらないことははっきりと「知らない」「説明してくれなきゃわからない」
と言う。そうすると大抵の人(特に男性)は丁寧に教えてくれる。(でも昔

「ニューはーフって何?」と聞いた私に友人は「エーッ、知らないのぉ」という
言葉と軽蔑の視線をくれただけだったという嫌な思いでもある。今はちゃんと
知っているけれど)

 人にものを聞くことの大切さ、それを教えてくれたのは以前同じ職場だった男
性だ。彼は昔、年上の女性と交際していた。その頃まだ珍しかった『フォンデュ』

がふたりの食事のテーブルに運ばれて来た時、彼女がウェイターに聞いた。
「これは、どうやってたべるのですか?」その言葉を聞いた時、”カッコイイ”
と彼は思ったそうだ。

 『聞くは一時の恥じ』などという諺もあるが、そんな諺よりも、かれの『知らない
と言えることはカッコイイ』という言葉のほうが私には大切と思えた。だからそれ
以来、私はその言葉を素直に受け入れ実行してきただけなのだ。

 これからもこの方法は変えられないだろうな。だって、メッキがぬってある私
なんて、てんで私らしくないんだもの。
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1 コメント

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講評 (荒木)
2005-08-31 09:07:17
 いつも味がある。しゃれた、そして「何かを訴えるもの」を含んでいる。それが貴女の作品でした。文章もとても上手で手馴れていて安心感がある。

 今日も、それらの条件をみたしていて良かった、と思う。

 ただ、今日の文の欠点は、ロジカル、という点で少しひっかかる。



 一 書出し。「みんな私を物知りと誤解してい   る」

 二 そのあと「誤解の原因は私の習慣だ」

 三 そのあと「私は知らないことは知らない。   という」

知らないことを知らないという。そういう人を、なぜ、皆は「物知り」と錯覚するのか?ありえないこと。

 何でもしったかぶりをする。それが堂に入っていて、メッキがはげない。そういう時こそ、まわりは「彼女は物知り」と誤解するはず。

 「知らない」といつもいう人を、「物知り」と誤解するはずがない。







 

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