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常套句に毒されず…

2017年08月04日 | 読書
 6月28日のJTフォーラムの講演概要が主催の地元紙に載った。参加者の一人として、ラッキーなプレゼントをいただいたことと印象めいた言葉を書き散らしたが、改めて「要旨」として記された文章を読み、得心した。特に養老孟司先生の言葉は、まさに現代を生き抜くために考えたい本質を述べられていると感じた。



Volume69
 「一人一人が感じる時間の長さが等しいわけではないという前提に立てば、高齢化の進む日本では時間の概念をもう少しゆっくりしたものに捉え直してもいいのではないか」


 「スピード感を持って」という言葉は、この国では企業や政治の場でトップから末端まで、非常によく使われている。
もはや常套句とも言えよう。
 結局、この問題解決に関わる事項とは「経済問題」なのだなと気づく。
 無駄を省き、新しさに価値を求める発想…これらにずいぶん毒されてきたではないか。


 私が身を置いた教育の場でも、ずいぶんと前からそんなことを平気で言うようになった。
 そしてそれは、本当に必要のある危機管理等の問題からずいぶんと幅を広げてきたように思う。

 何か勘違いをしているのではないかと感じるほど「スピード」や「検証」という言葉が行き交ったりする。
 それはつまり「一人一人」を見ていないと同じではないかという気がする。

 言葉に引きずられて、本質を見失う典型ではないか。

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