茨城の中小企業診断士による「知恵の経営」

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「知恵の経営」コラム(NO.6)

2017年09月19日 | ブログ
こんちは。
前回、「知恵」の見つけ方として、「事業活動の流れを遡りましょう。」とお伝えしましたが、あらためて、「強み」そのものだけを眺めても意味がなく、その「背景(日常業務・努力・工夫)」まで眺める必要があるということをお伝えします。

私の顧問先で、うなぎのかば焼きを提供している老舗(うなぎ屋)があります。
うなぎのかば焼きのポイントのひとつに、「秘伝のタレ」があり、創業以来、この「秘伝のタレ」を引き継いできています。
当然、この会社の強みは「秘伝のタレ」ということになりますね。

でも、本当に「秘伝のタレ」が「強み」なんでしょうか?

どうやってこの「秘伝のタレ」を作るのか?という「作り方」、どうやってこの「秘伝のタレ」を使うのか?という「使い方」も大事ですよね。そして、それらも「強み」ですね。

例えば、「秘伝のタレ」を持っているだけで、タレの使用料、使用方法を誤ってしまったら、おいしくないかば焼きになってしまいますよね。
また、原材料の仕入れ方なども含め、「秘伝のタレ」の作り方がいい加減であれば、これを代々引き継いでいくことができませんよね。

このように、「作り方」・「保有」・「使い方」、とこの3つが連なって、「秘伝のタレ」という「強み」を形成しているのです。
言い換えると、「秘伝のタレ」という「強み」の「背景(日常業務・努力・工夫)」がしっかりと存在しています。

ですから、みなさんも、自分の会社の「知恵」を眺めていく場合、「~という強みを持っている!」というだけでなく、それを生み出している「背景(日常業務・努力・工夫)」の部分まで眺めていくことが必要なんです。

特に、技術力に自信がある会社の場合、「我が社は、~というこんなに高度な技術を持っている!」という、「技術の保有点」にのみ、焦点を当てがちになってしまう傾向があるので注意しましょう。
また、「知恵」の「背景(日常業務・努力・工夫)」に該当する部分が見える化されると、新しいことにチャレンジする「経営革新」や他社や研究機関と連携していく「企業間連携・産学官連携」も上手くいくようになります。
逆に、この「背景(日常業務・努力・工夫)」を明らかにしないまま、新規事業に取り組んだり、企業関連携等をしたりすると、その大半が上手くいかない結末を迎えてしまっています。
そのため、みなさんは、このような残念な結果にならないよう、「知恵」の「背景」をしっかりと把握するようにしてください。