邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「柳生武芸帳」

2006年06月14日 | ★ぐっとくる時代劇
悪の手に渡れば幕府も転覆、
天下はひっくり返るのだ・・・
大河内伝次郎の重々しい語りには
誰もがなんだかわからないがすごそうだと
思うであろう。

どんな武芸帳なのか・・という興味に引っ張られて
最後まで見てしまうという意味で
サスペンスフルで牽引力がある映画だ。

だがこの作品の醍醐味は
その「柳生武芸帳」が
どうすごいのか・・がわからないところなのである。

柳生・藪大納言・鍋島家に預けられていた
柳生武芸帳が紛失。
天下分け目の奪い合いとなるが
忍者の多三郎(三船敏郎)千四郎(鶴田浩二)兄弟も
巻き込まれる。
多三郎は荒々しい容貌と裏腹に
敵の夕姫(久我美子)に
恋をしてしまったりとかなり軟派。

くんずほぐれつ
熾烈な戦いを繰り広げるのが大筋なのだが、
中村扇雀 扮する柳生又十郎などは
敵方に潜入するために「歯を全部抜いて」骨格を変え、
女装するという設定。

壮絶な痛みに耐えるのもひとえに
「武芸帳」を奪うためなのである。
麻酔も無い時代に無茶なことをやる柳生一族。
実はこの場面が一番面白かったりして。

だがこれからもすごい。
歯を抜いた後、どうするかというと、
女性用の総入れ歯を入れる。

あの時代の入れ歯とはいったい!!???
と激しく興味が湧く!

錦絵のように毒々し・・
いや、
鮮やかな画面は
冒険活劇調でワクワクさせ、
伊福部昭の音楽も追い討ちをかける。
久我美子、香川京子、岡田茉莉子などの
綺麗どころも揃っているが
どこかB級のかほりがして愛せる。

そして我々は「続編」へとひっぱられていく!

監督 : 稲垣浩  原作 : 五味康祐 脚色 : 稲垣浩 木村武 
撮影 : 飯村正
音楽 : 伊福部昭 美術 : 北猛夫 植田寛

人気ブログランキングへ
読んでくださってありがとう。
嬉しいです!

最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
柳生武芸帳 (Unknown)
2006-06-15 13:42:03
こんにちはー。私も見ましたのでTBさせて下さい。

<どうすごいのか・・がわからないところ

この疑問は続編を見てもわかりませんでした^^;)。

ところで、くにちの術がなぜ歯を総入れ歯にしなくちゃいけなかったのかもわからないです^^;)。顎が小さくなって女顔になれるとか…?

<錦絵のように毒々し・・

ほんと、インチキくさいカラーでしたね^^;)。



でも今や人間国宝の中村扇雀の女踊りに見とれてしまいました。三船敏郎と鶴田浩二も油が乗り切っている時のもんだし^^)。
返信する
上のコメント私です↑ (ぶーすか)
2006-06-15 13:43:40
すみません、名前入れ忘れましたー。
返信する
人間国宝! (ブラボー)
2006-06-15 16:15:54
そうなんですよね~~

坂田藤十郎!の踊りも見られたり

すごい豪華キャストなんですよね~~



ぶーすかさんのコメントは可笑しくて

いつも噴き出してしまいます。



色彩は「アグファカラー」ということですが

粒子が粗くて

着色写真のようでそれもまた味でしたね。

歯を抜く必然性が??でしたね。

発想自体にものすごく驚きましたが

あれ、へたしたら死にますよね。



私も続編見ましたが

?????でした。

あの「もったいのつけ方」が

最大のツボでした。

返信する
ほぼ封切時に見ました。 (さすらい日乗)
2006-06-15 20:31:29
扇雀が歯を取られ女にされるのと、東野英治郎が異様な集団の頭目で現れるのが、トラウマのごとく強い印象に残っていました。

数年前にビデオで見て、記憶どおりだったので驚きました。子供の記憶は本当にすごい。



謎が不明なのは、サスペンス映画の常道で、ヒチコックの『バルカン超特急』や『北北西に進路を取れ』でも、肝心の謎は最後でもよく分かりません。

ヒチコックは、謎など分からない方が良いと言っているそうです。
返信する
謎は謎のままで (ブラボー)
2006-06-15 21:05:03
それでよいのかもしれませんね~



口を押さえて寝ているのがなんとも

痛々しい扇雀さんでした。

東野英治郎の盗賊は子供にはきついかもしれませんね~~



この映画、大河内伝次郎や

左卜全などほんとにキャスト豪華ですね。



そんな子供時代にこの映画をごらんになったとは・・ご両親も映画がお好きだったのでしょうか・・

返信する
勇壮なタイトル曲 (ごむかた)
2019-02-09 22:33:45
いやあ、この映画の最大の魅力は、伊福部昭氏によるタイトル曲ですよ。
伊福部氏の映画音楽で有名な特撮映画の音楽は、この世ならざる現象に添えられた音楽のため、無調や十二音階といった、伊福部氏の純音楽では絶対にない前衛的な手法がとられています。
それに対して、この映画のタイトル曲は、「日本狂詩曲」「日本組曲」など、伊福部氏の純音楽の特徴である日本の伝統的な旋律をオーケストラの大音響でパワフルに演奏するのが際立った個性です。
私は伊福部氏の全ジャンルの音楽の中で、この曲が一番好きです。
返信する
こむかた様へ (ブラボー)
2019-02-09 23:16:10
ようこそ。コメントありがとうございます。

確かに!!
伊福部先生の
壮大なスケールの音楽がこの映画を
ぐんとグレードアップさせていると思います!

映像をさらに盛り上げる、
唯一無二の作曲家でしたね~~
返信する

コメントを投稿