先日、満州で映画製作の指導をした
映画関係者たちの足跡を追うドキュメンタリーを見た。
映画のことを何も知らない中国人に撮影のノウハウ、
編集の技術などを教えた方々は中国映画の基礎を作った。
だが、帰国した彼らを待っていたのは共産主義に加担した」
という冷たい世間の目だったという。
この作品を撮った内田吐夢監督もそういうひとりだった。
大陸でそのダイナミックな感性が培われたのだろうか。
「飢餓海峡」、錦之介の「宮本武蔵」シリーズ、
型破りのスケールの大きさは日本人の枠を超えている。
片岡千恵蔵と組んだ「血槍富士」の立ち回りも圧巻だった。
時は幕末。役人たちは尊王、佐幕派に別れ、
権力争いの渦にいた。
天領地江州に新たに赴任して来た代官脇群太夫(月形龍之介)は
民百姓に圧政を加え、幕府の盛り返しを狙う。
更に討幕軍を討つ頑強な砦を築くために領民に重労働を強いる。
「難しいことはわからねえ~~
代官さまたちの思惑は知ったこっちゃねえ~~!
砦の仕事は嫌だ~
おらたちは明日食う米もねえだ~~
人質の爺さま返せ~
おらたちの米を返してくんろ~~~~わあああ」
(筆者解釈による勝手な脚本につきあしからず)
猟師の照造(片岡千恵蔵)がリーダーとなって決起した民衆は、
一気に代官屋敷に押しかける!!
怒涛のような一揆シーンはこの映画の最大の見所であろう。
のべ、何百人を使ったのか?あっけにとられるダイナミズムだ。
なるほど、門はこうして壊すのか。まるごとの大セットを破壊し、
屋敷になだれ込む!
片岡千恵蔵と憎憎しい月形龍之介の戦いも見ごたえがあった。
二人とも腹の底から絞りだすような声で見せ場を盛り上げる。
片岡千恵蔵が虐げられれば虐げられるほど、
その後にくる爆発が楽しみでわくわくしてしまう。
権力に対する反抗がテーマである。
「ウィリアム・テル」が下敷きになっているのでしょうか。
(酷似している)
ストーリーはシンプルなのに感覚としては
まるで「ローマ帝国の崩壊」を目の当たりに見たような重量感だった。
代官屋敷をぶち壊してしまった百姓たちは大歓声をあげるが、
その後の運命は語られていない!
1956年 監督 : 内田吐夢 脚本 : 高岩肇 撮影 : 吉田貞次
音楽 : 深井史郎 美術 : 鈴木孝俊
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映画関係者たちの足跡を追うドキュメンタリーを見た。
映画のことを何も知らない中国人に撮影のノウハウ、
編集の技術などを教えた方々は中国映画の基礎を作った。
だが、帰国した彼らを待っていたのは共産主義に加担した」
という冷たい世間の目だったという。
この作品を撮った内田吐夢監督もそういうひとりだった。
大陸でそのダイナミックな感性が培われたのだろうか。
「飢餓海峡」、錦之介の「宮本武蔵」シリーズ、
型破りのスケールの大きさは日本人の枠を超えている。
片岡千恵蔵と組んだ「血槍富士」の立ち回りも圧巻だった。
時は幕末。役人たちは尊王、佐幕派に別れ、
権力争いの渦にいた。
天領地江州に新たに赴任して来た代官脇群太夫(月形龍之介)は
民百姓に圧政を加え、幕府の盛り返しを狙う。
更に討幕軍を討つ頑強な砦を築くために領民に重労働を強いる。
「難しいことはわからねえ~~
代官さまたちの思惑は知ったこっちゃねえ~~!
砦の仕事は嫌だ~
おらたちは明日食う米もねえだ~~
人質の爺さま返せ~
おらたちの米を返してくんろ~~~~わあああ」
(筆者解釈による勝手な脚本につきあしからず)
猟師の照造(片岡千恵蔵)がリーダーとなって決起した民衆は、
一気に代官屋敷に押しかける!!
怒涛のような一揆シーンはこの映画の最大の見所であろう。
のべ、何百人を使ったのか?あっけにとられるダイナミズムだ。
なるほど、門はこうして壊すのか。まるごとの大セットを破壊し、
屋敷になだれ込む!
片岡千恵蔵と憎憎しい月形龍之介の戦いも見ごたえがあった。
二人とも腹の底から絞りだすような声で見せ場を盛り上げる。
片岡千恵蔵が虐げられれば虐げられるほど、
その後にくる爆発が楽しみでわくわくしてしまう。
権力に対する反抗がテーマである。
「ウィリアム・テル」が下敷きになっているのでしょうか。
(酷似している)
ストーリーはシンプルなのに感覚としては
まるで「ローマ帝国の崩壊」を目の当たりに見たような重量感だった。
代官屋敷をぶち壊してしまった百姓たちは大歓声をあげるが、
その後の運命は語られていない!
1956年 監督 : 内田吐夢 脚本 : 高岩肇 撮影 : 吉田貞次
音楽 : 深井史郎 美術 : 鈴木孝俊
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そのドキュメント「中国映画を支えた日本人~『満映』映画人・秘められた戦後」だと思いますが私も見ましたー。「白毛女(1950年)」という映画が紹介されてましたが見てみたいです!
<月形龍之介
冷血な悪役ですが、主君を守る為にはやむ負えないという心情がなかなかイイ味だしてました。その月形龍之介が乗っていた馬がめちゃくちゃ凛々しくて、本人よりも馬に目が釘付けになってしまいました
偶然見たのですが、なかなか感慨深い内容でしたね~
「白毛女」もすごそうな映画でしたね!
「無法松の一生」を熱心に見たという
エピソードも面白かったです。みなさん熱意を持って
指導されていたんですね。
月形龍之介の馬!私もくるりと廻って台詞を言うところなど、なかなか出来た馬だなあと
感心していました!
以後、月形龍之介が馬に乗っていたら注意したいと思います!
<「無法松の一生」
太鼓の名シーンが紹介されてましたね!これを参考にしたという労働者の中国映画もテンポが良くて面白そうでした。
間違いでございます。
紛らわしい書き方をして申し訳ありませんでした!
そういえば、この照蔵って、
「ウイリアム・テル蔵」なんですね!!
吐夢監督って相当面白いですね。
「ツキガタのMAY馬イリュウは賢そうでツキガタがしゃべる間中じっといい顔をしている。」とおっしゃってます。それでもしやほんと?と思ってしまったのでしたー。お騒がせしました。
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=459144&log=200508
<ウイリアム・テル蔵
そうだったんですねー!
でもあの馬はいいですね。
馬には素人の私でもそう思いました。
月形さんもさすがの手綱さばきでしたし。
時代劇を演じるとき
乗馬は必須ですね~
それに何の映画か忘れましたが
くるっと廻って台詞を言って
絶妙なタイミングで「ヒヒ~ン」とか、
なかなか出来るものではありませんよね。
馬も役者のうちですね!