邦画ブラボー

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「青春残酷物語」

2005年12月05日 | ★イカス!映画たち

大島渚の監督第二作目。

冒頭に安保反対のデモが映る。

大学生、清(川津祐介)は
学生運動に参加するわけではなく、勉学に励んでいる様子も無い。
女にも冷めていて、本能のままに生きているようにみえる。

家庭教師先の人妻(色っぽくない)を抱いている時も薄情な態度。
チンピラに絡まれているマコを助けたことから付き合い始めるが、
二人は美人局で小遣いをかせぐことに・・・

マコに桑野みゆき。
清をみつめる真摯な目が美しい。

何も信じていない風の清。
何かを信じたいマコ。

世の中を変えようと学生運動に没頭し挫折した男(渡辺文雄)が
清たちのことを、
「俺たちとは違い、無軌道な行動によって世間に反抗している・・
だが果たしてこの社会に勝てるか?」・・と言う場面がある。

堕胎して眠るマコの傍らで
何かに怒りをぶつけるように林檎を齧る清。
青春を突っ走った二人の末路は・・・!

チンピラの親分(佐藤慶)が、女を階段から突き落とす場面がある。
凄まじい「階段落ち」で、びっくり。

「青春・・・」という題名は鮮烈で痛ましいイメージ。刹那的な美しさがある。
だが、「中年残酷物語」だとコメディに、
「老人残酷物語」だと、
目をおおいたくなる映画になるような気がする、などと
ばかなことを考えたりしました。

川津祐介と桑野みゆきの演技は素晴らしいです。

1960年 大島渚監督作品 松竹

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8 コメント

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家庭教師先の人妻など (さすらい日乗)
2004-12-05 23:45:24
あの人妻は、当時青年座の俳優だった氏家慎子さんで、『日本の夜と霧』でも大学教授・芥川比呂志の奥さん役で出ている。

これはプライバシーにかかわるが、彼女は読売グループの総師・氏家斎一郎氏の奥さんなのである。彼女たち、新劇女優は当時貧乏だったので、夜はバーでアルバイトをしていた。そこで記者だった氏家氏と知り合い結婚したのだそうだ。



あの階段落ちの女性は、青葉陽子という女性で、アントニオ古賀と結婚したと大島の本『大島渚1960』(青土社)に書かれています。

また、桑野みゆきを誘う二本柳寛の中年男役は、大島は森雅之か山村総にしたかったのだそうだが、断られたそうだ。



モーターボートが行くところは、昔の木場で現在は都の大きな美術館があるあたりでしょう。

デモのシーンよりも挿入される韓国の学生革命のニュースの方が鮮烈ですね。この学生革命の後、一時民主政権ができるが、クーデターで朴大統領の軍事独裁体制になる。
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そうだったんですか (spok23)
2004-12-06 17:30:26
人妻はなかなか生々しかったですが、

氏家婦人(!)だったのですね。



階段落ちは衝撃。すごい演出ですね。



あの「いいおじさん」の中年でしょうか?

その二人でしたら断るというのもわかるような・・・



親切なおじさんだと思っていた中年男性に失望するシーンは、女としてとても共感したので(笑)

上手いなあと思いました。



韓国学生革命のニュース!そういえばありました!



またよろしくお願いします。

BS、なかなか楽しいです。









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氏家のおかみさん (老人残酷物語)
2005-10-19 17:29:26
たしかにあの人妻みょうに素人っぽくて生なましいが、やはり派手好きの氏家会長(現)は物足りなかったらしく、結婚後も遊び放題、一時はそのために会社も追われ、いまだお気に入りの妙齢の女性と夜な夜なほっつき歩いて家庭は崩壊同然らしい。
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Unknown (spok23)
2005-10-19 18:42:04
かなりお元気な方なのですね。



あの人妻シーンは普通っぽいだけにリアルでしたね~

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きもちわるっ (Unknown)
2006-02-01 01:35:47
あのバイト先の人妻見てて気色悪いくらい老けてるね。

もう少し他にいなかったのかなあ。

まあ久我美子のお育ちのよさとコントラストでおもしろいけど。
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Unknown (spok23)
2006-02-01 09:13:08
ナマナマしいですよね~



いかにも近所にいそうな

おばさんってとこがなんともいえませんよね。

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昨日シネパトスで見ました (くり)
2009-09-05 07:54:42
とにかく昔の渋谷の風景がなつかしかった。大島映画のレギュラー陣て(渡辺・戸浦・佐藤慶たち)、なんだか小津作品のレギュラー陣(佐分利・北・中村)を彷彿とさせますね。併映の「日本の夜と霧」は寝てしまいました。
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くりさんへ (ブラボー)
2009-09-05 22:17:20
ええ~~
今やっているんですか。
知りませんでした。そういえば
その面子「新宿泥棒日記」にも出ていましたね~~
トリオの雰囲気がいかにも「大島」
いかにも「小津」というかんじですね。
桑野みゆきさんの演技は
いつも胸を締め付けられます。


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