邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「花嫁吸血魔」

2005年09月06日 | ★恐怖!な映画
成瀬成瀬と騒いでいたら、
ケーブルTVで新東宝の怪談もの
やっていることに気がついてしまった。

これは見ねばなるまい。

主役には「池内淳子」とある。
今なお変わらない美貌で、
落ち着いたベテラン芸者役などやらせたら上手い人だ。

それが!

とんでもないことになってました!

はじまるやいなや暗い森の中に
顔半分がつぶれた醜いせむし男登場!
蝙蝠が舞う薄暗い洞窟に入っていくと
そこには気味の悪い老婆が祭壇に向かい怪しい祈りをささげていた。

振り向いた顔は
せむし男とどっこいどっこいの、
いや
それよりももっと醜い、正視に耐えない恐ろしいしろものだった。

老婆の「いつものやつを早く!」という言葉に男は反応し
でっかい網のようなものを持ち出してくる。

(い、いつものやつってなんだろう・・・)

男は獣のように咆哮して網を振り回し
飛んでいる蝙蝠をすばやく捕まえるや
ぶすりとナイフをつきたて
その生き血を杯に受け、老婆に差し出す。
老婆うやうやしく杯をかかげ恍惚として飲み干し
「これぞ・・云々・・!」と最高潮に達し気勢をあげるのだった。

わたしがそのままTVの前に座り込んだのは言うまでもありません。

・・ここまで読んでくださったかたは
醜い老婆が「池内淳子か」と思われたでしょうが
これから事態はもっとすごい展開になっていくのです!

舞台は「ごく普通の世間」に移ります。
池内淳子は期待されている女優の卵。
だが売り出す寸前に
女ともだちのねたみを受けて
崖から突き落とされ、
顔半分に醜い傷跡が残ってしまう・・・

失意の淳子は何かに導かれるように山奥の洞窟へ・・・
待ちかねていた老婆から
同じ血筋をひいている同族であることが明かされる。

そして老婆の施術によって
美しい娘は蝙蝠とも熊ともつかぬ化け物に変身し
復讐鬼と化してしまうのだった!

池内淳子に比べれば
高峰三枝子の汚れ役などまだ綺麗なものだとわかった。

80年代に「ハウリング」とか「狼男アメリカン」
いう映画やさらにマイケルジャクソンの
「スリラー」なんてのがありましたが、
これ、それよりはるかに古いけど
変身の様子がたいへんショッキング。

これを体当たり演技といわずしてなんとしよう。

さらに老婆役の五月藤江が最高。

このかたは中川信夫の傑作「亡霊怪猫屋敷」でも
化け猫老婆を演じていた。
台詞まわしの気色悪さは抜群。
他にも多数怪奇映画に出演されているベテラン怪婆女優(?)さんだ。

池内淳子がまさか獣変身ものにも出ていたとは驚いた。
新東宝の怪奇映画はやはり見逃せない。

成瀬はしっかり(たぶん)録画しています。

1960年 並木鏡太郎監督作品 脚本 長崎一平 撮影 吉田重業 美術 小汲明

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
池内淳子は高峰の後継者だった? (さすらい日乗)
2005-09-08 08:57:25
『女が階段を上がるとき』を見て感心した。

翌年池内淳子は、同じ菊島隆三の脚本で川島雄三監督の、やはり銀座のバーの女を主人公にした『花影』に主演する。これは、当時東宝に高峰の後を池内にという考えがあったからではないか。



その他、池内はかなりいい作品に出ている。美人であり、演技も上手く、また愛嬌もあるので、世が世であれば池内は映画女優としてもっと大成しただろう。
返信する
どうしてでしょう (spok23)
2005-09-08 10:07:51
この映画で若い頃の

池内淳子が

いかに綺麗だったかを知りました。



演技は本当にうまいですね~

「花影」もぜひ見たいです。

舞台などでも活躍なさってますが

「大女優」という風にいわれないのは

なぜでしょう?



そういえば、「女と味噌汁」って

映画にもなっていたんですね。

知りませんでした。

返信する

コメントを投稿