邦画ブラボー

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松本清張の「虚飾の花園」

2006年08月07日 | ★人生色々な映画
高級マンションの屋上で
若い女が殺されていた。

最上階に住むのは女性ばかり。
刑事(内藤武敏・河原崎健三)が調べを進めていくうちに
うわべの華やかさとは裏腹な女性たちのプライバシーが明らかになっていく。

さて誰が犯人か。
舞台劇にもなりそうな密室劇。
往年の大女優岡田嘉子
事件の鍵を握る上品な老女に扮している。

落ちぶれたモデルの女(重山規子)と
洋裁学校の教師(奈良岡朋子)は、
一人の中年男をめぐって
取った、取られた、貢いだ、貢がれたと激しく争っている。
どんなイイ男かと思ったら、なんとそれが
松本清張だったのには大爆発!!爆笑!

それまでが大真面目な芝居だったので
一気にチカラが抜けたものだが、
物語はそこからずんずんと佳境に入っていった。

二人の女優のバトルも十分迫力があったが
やはり岡田嘉子がひとり舞台を勤める終盤が圧巻だった!!

この方の人生こそドラマより奇なりだ。

先日も岸恵子が彼女の足跡をたどる
ドキュメンタリーを放送していた。

美しい銀髪と整った顔立ち、芝居も大変立派で心を打たれました。
ソビエトに亡命、独房に幽閉されていたために中断されていた、
女優としての作品をもっと見たかった。

*映画の中のイイおんな*
岡田嘉子:恋人とロシアとの国境を超えて亡命したことでしられる
戦前の大女優である。
スパイ容疑をかけられ、恋人は即座に銃殺され、
ご本人はそのことを知らされず
極寒の独房に何年も入れられていたそうだ。
戦後ようやく帰国して女優業にも復帰したが、
その後また向こうに渡って、生涯を終えたとか。
そんな波乱に満ちた過去と役柄がオーバーラップして
なんともいえない存在感を示しています。

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