邦画ブラボー

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「陸軍中野学校」

2005年01月19日 | ★ハードボイルドな映画
戦時中実在したという、わが国のスパイ養成学校の話。

想像も出来なかった極秘機関の話だけに、驚きのシーンの連続。

陸軍予備士官学校を卒業し、陸軍少佐になったばかりの三好(市川雷蔵)が
上官に命じられた場所に行くと、
そこには士官候補生が18名集められていた。

草薙中佐(加東大介)が作った陸軍中野学校は、
選りすぐった青年を集めた陸軍初のスパイ養成学校だった。

人気を集めた陸軍中野学校シリーズの第一回目の作品。

スパイになるための訓練は
ここで書くのもはばかれるような過激な内容だ。

拷問を受けた際の訓練、
薬物の学習、爆薬の学習、金庫破り教習・・
暗号解読、変装技術、外国語習得、・・スパイとしての心構え・・
はては社交ダンスの教習、女を悦ばせる実践!訓練まで
各方面からの「専門家」を講師に、
ありとあらゆることを学ぶ・・(結局書いてしまいました)

耐え切れず精神を病むもの、挫折するものなども出る。粛清も・・ある。
笑える箇所もあるのがまたすごいところ。
増村保造監督のパワー全開。

加東大介の情熱的で人間味あるキャラクターと
クールな市川雷蔵のコンビのコントラストが魅力的。
この作品には待田京介が癖のある役どころで出演している。
雷蔵の婚約者役に小川真由美。

誰もが嫌がるスパイという任務について、情熱的に語る草薙中佐。
沸騰するやかんのように熱い!
「死ぬな!絶対死ぬんじゃないぞ!」
「俺は嫌だ!ぬける!」と言ったばかりの青年たちでさえ、
たちどころに納得させられてしまう熱い弁舌!

スパイという生き方。

市川雷蔵ら普通の青年は、
熱いプライドと任務遂行のためには手段を選ばない、
鉄のような意志を持った完璧なスパイへと変貌を遂げていく。

これはあくまでも映画。映画である。映画なの!
と思って見たが、
市川雷蔵は三好になりきっていて、恐いほどだった。

1966年 増村保造監督作品 脚本は星川清司 大映

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