コラム・スノーマン~これじゃ悟りは臨めますまい

忘れたくない、或いは一刻も早く忘れたい日々について

有り難い話に困っている話

2008-04-10 | コラム・エッセー

今、東京のある出版社から姉と私のそれぞれにエッセー本を出さないかというご提案を頂いており、有り難いやら気恥ずかしいやらで動揺、挙動不審な日々を過ごしている。



きっかけとなったのは先月行われた全国エッセーコンテストで、姉と二人で「締切までけっこうあるから、どら、いっちょうやってみっか」的に出したものの姉はその美しい文章における芸術面を高く評価され見事入賞。



それに対しこの私はというと、入賞したものの蓋を開けてみればどうやら内容の阿呆さ加減がうけてしまったという訳で(というより私の身のまわりに起こったことを書いただけのつもりだったのだが)、姉妹で受賞したのは確かに大変めでたいのだが実のところはその差をまざまざと見せつけられてしまったということになる。



だいたいこうしてインターネットを活用してまで己の、そして家族の情けなさっぷりを公表しているのに、その上本など出したら取り返しのつかないことになりはしないだろうか。



ちなみに出版社の方々は今回受賞したのが姉妹とは御存知無い様子であるので、どうかこの先ずっとバレませんようにと私はひとりハラハラしている。



いずれにせよ私の周りの友人・知人達はそろそろ話しのネタにされないように気をつけた始めたほうがいいかもしれない。




仕事柄

2008-04-05 | コラム・エッセー

ラーメンの汁の、飲み終わりがわからない。



一体いつ止めればいいのかがわからない。



体に良くない、幸せにはなれないとわかっているのに、後ひとくち、もうひとくち、今回が最後と、未練がましくダラダラと関係を続けてしまう。



こないだなどは盆に器を乗せて返却口に返す別れの直前にやっぱりもう一口と思い、立ちながら蓮華で一口すすってしまった。



我ながらあまりにも情けない。人間引き際が肝心だ。



まあ良い。



新年度から週に一度HBCラジオの番組のいちコーナーを持つこととなった。



その打ち合わせでスタジオに行った時のこと。



打ち合わせといえど初番組、私はいささか緊張していた。



そんな私の拙い概要説明にDJの方のフォローは物凄く素晴らしかった。



感動、ひたすら感動。



それだけでなくその後の私の単なる世間話に対してもとっさにキーワードを拾っては、ジェスチャー付きで「なるほど!」とか「それっていいと思う!」とか、それはそれはもうこちらが恐縮してしまうほど見事なリアクションをとってくれるのだ。



またもや感動、ひたすら感動。



おそらく仕事柄、例えどうでもいい話でも話が面白く進むように持っていってしまうのかもしれない。



日常の思わぬところで顔を覗かせるのが「仕事柄」、というものだ。



そういえば先日、彼氏とファミリーレストランに入ったときメニューにフルーツやら菓子やらを無謀なまでにこんもりと盛り付けたパフェの写真が載っており、私は建築設計を仕事としている彼に冗談で一言「このプリン、建築法違反じゃない?」と言った。



すると彼は「うーん、この土地の角度から言えばぎりぎりいけるだろう。」とその下のバニラアイスを指差した。



彼だって最初は冗談で応えたのであろうがうっとうしいことに次第に熱くなりはじめ、



「このチョコレートパフェを見ろ、ここに刺さったウエハース、これは明らかに建築法違反だ。この角度だと建設後倒壊の恐れがある!」等というようなことを話し出したかと思えばすぐさま「おい、こっちのストロベリーパフェを見ろっ!このアイス!土地にめり込みすぎだろう!」と器の底に縞模様に詰められた生クリームを指差した。



…それを聞いた後、私は何となくチョコレートパフェとストロベリーパフェは危ないから注文するのはよそうと思ったのだった。



ちなみに私が影響されやすいのは持病の一つで、仕事柄でもなんでもない。