スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

新人王戦&身震い

2016-10-12 19:08:40 | 将棋
 昨日の第47回新人王戦決勝三番勝負第二局。
 増田康宏四段の先手で石田直裕四段のノーマル四間飛車。最初は藤井システム風でしたが,先手が銀冠を目指すと後手も高美濃を目指す展開に。中盤で一直線に攻め合うような順があり,そこで後手がリードしたようです。
                                     
 先手が4一の馬で金を取った局面。これは△同金と取っても後手玉が詰まず,角を取る手が先手玉への詰めろになるのでそれで後手の勝ちでした。
 しかし後手はすぐに△6八金と飛車を取って▲同玉に△2八飛。これが王手馬取りで馬を取ってしまえば後手玉の安全度は増しますから,この順も確かに後手の勝ちです。要するに角を取ってすぐに先手玉の詰みを目指すより,受けも視野に安全に勝つのを目指したということでしょう。
 ▲5八歩と合駒されたときに△2六飛成としておけば別の展開でした。ですが△5七銀▲同玉。そこが後手にとって最後のチャンスで,ここでも△2六飛成なら後手の勝ちでした。ところが△4七香成▲同玉としてから△2六飛成。
 先手はこの形が最も受け難いので,これで後手玉が詰まないなら後手にとって最もよい条件ではあります。ところがこれは銀と香車を渡してしまったために▲7二馬△同銀▲8三香と打たれ,どう応じても後手玉は詰みでした。
                                     
 第一局もそうでしたがこの将棋も頓死といっていいような内容で増田四段が勝ち,連勝で新人王に。これが棋戦初優勝です。

 傷は浅かった,というよりなかったも同然ですが,ファン・ローンJoanis van Loonは診療を施しました。それは傷口を焼き金で焼いて包帯を巻くというものでした。実際にローンがそういう治療を要すると考えたのかは分かりません。スピノザを安心させるための処置だった可能性もあると思います。
 この後,ローンは大きく裂かれたスピノザの上着を着せてやり,繕うために仕立て屋に出さなければならないと言います。するとスピノザは,そんなことはしないでこのままユダヤ民族の記念として保管しておくとし,これを最後にかれらは自分に何もしてくれないであろうという主旨で答えたとローンは記述しています。
 その直後にスピノザは青ざめて身震いを始めます。このスピノザの反応について『破門の哲学』では,スピノザが触れられたくない破門という心の傷に触れられたために生じたのであり,破門がスピノザにとって大きな痛手であったことの証明であるとされています。
 スピノザは肩の傷について,その原因が何であったのかを最初はローンに対して隠そうとしています。ですがその言い訳があまりに不自然であったために,不審に思ったローンに問い詰められる形で実は暗殺未遂によるものであったことを告白しています。さらに,そのスピノザの身震いが起きた直後にスピノザが話したことから,スピノザが破門されたことと襲撃されたことはスピノザの精神のうちで結びついていたことも確実です。ですからこれだけでみれば清水のような読解も成立するでしょう。しかし僕の考えでいえば,テクストのうちで清水の解釈に有利となる材料はそれだけであり,テクストの全体を通して読解するなら,清水の解釈には無理があるのです。少なくとも僕は,このときのスピノザの反応が,破門の一件に触れられたからだというようには解しません。また,破門がスピノザにとっての痛手であったからこうした反応が生じたという点については,原因としての可能性を完全には否定しませんが,主要な原因ではなかった筈だと解します。いい換えればもっと別の原因によってスピノザの身体にこういう反応が生じたと考えています。
 ここからは僕の読解を示します。
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