スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ニューイヤーカップ&愛の倫理

2017-01-18 19:19:48 | 地方競馬
 第60回ニューイヤーカップ
 リアルファイトはダッシュが鈍く置かれました。先手を奪ったのはスターインパルス。1コーナーから向正面にかけてぐんぐんと飛ばしていき,6馬身くらいのリードを奪う大逃げに。2番手はブラウンレガートとサイバーエレキングで併走。4番手にバンドオンザラン。少し離れてイーグルパス。また少し離れてサヴァルジャン。また間があってアンジュジョリーというように,隊列はかなりばらけました。ヒガシウィルウィンとカンムルはこれらの後ろから向正面で追撃を開始。前半の800mは49秒1の超ハイペース。
 3コーナーを回るとスターインパルスのリードも徐々に縮まっていきましたが,2番手で追っていたサイバーエレキングは苦しくなり,ブラウンレガートが単独の2番手。さらにここでうまく内を回ったヒガシウィルウィンが3番手に。直線の入口ではブラウンレガートがスターインパルスの外に並び,抜け出して一旦は先頭。ヒガシウィルウィンが直線はさらに外に出されて伸び,フィニッシュ直前で抜け出したブラウンレガートを捕えて優勝。アタマ差の2着にブラウンレガート。外を追い上げることになったカンムルが3馬身差で3着。大逃げのスターインパルスはハナ差で4着。
 優勝したヒガシウィルウィンはこのレースが南関東転入初戦。北海道時代はサンライズカップを制していて,南関東重賞は初制覇。ここは能力では最上位と思っていましたが,浦和のこの距離は内枠が断然有利ですので,外目の枠順になった分だけ取りこぼしもあり得ると見立てていました。最終コーナーでうまく内を回れたのが大きかったと思いますが,外枠を克服したのは評価しなければいけないでしょう。2着馬との力量差は着差よりは大きいものと思います。クラシックの有力候補であるのは間違いありません。父はサウスヴィグラスプロポンチスグランドターキンの分枝。半姉に昨年の東京湾カップを勝っている現役のディーズプリモ
 騎乗した船橋の森泰斗騎手東京シンデレラマイル以来の南関東重賞制覇。ニューイヤーカップは初勝利。管理することになった船橋の佐藤賢二調教師もニューイヤーカップ初勝利。

 第五部定理三二は,スピノザの哲学における倫理的観点にとって,とても重要な位置が与えられる定理Propositioです。なかんずく,フロイデンタールJacob Freudenthalが独身であったことを理由に批判した,愛amorの倫理という観点に限定していうなら,その中心的な位置を占める定理であるといっていいほどです。なぜなら,スピノザはこの種の愛こそが,あらゆる愛の中で最も完全性perfectioを有する愛であると考えているからです。したがって第五部定理三二は,第三部諸感情の定義六の意味が成立することによって可能となっている愛なのですから,もし第三部諸感情の定義六を愛という感情affectusの定義Definitioとして成立しないと即断するならば,スピノザの哲学における愛の倫理自体が成立しないことになります。
                                     
 神Deusに対する人間の愛というのがいかなる愛であるのかということを説明することを現在の考察は目的とはしていません。よってここでも今はなぜその種の愛があらゆる愛の中で最も完全な愛であるといえるのかということについては説明を省略します。もしもそのことについて関心があるならば,第五部定理三三備考をお読みになってください。少なくともこの愛が最も完全性を有する愛であるとスピノザが考えているということ,したがってこの愛が愛の倫理の頂点に君臨しなければならないということだけは,その備考から理解できる筈です。
 第三部諸感情の定義六が,愛の定義として成立しないのではないかという疑問自体は十分に成立するものです。ですがだから別の仕方で愛を定義し,スピノザによる愛の定義を否定してすましてしまうなら,スピノザの哲学の中におけるこの定義の意義を理解することはできません。むしろその定義を疑問と感じる場合にも,ではなぜそのように疑問を感じるような仕方でスピノザは愛を定義したのかという観点からそれを探求していくべきだろうと僕は思います。そして僕には,フロイデンタールにはそうした姿勢が欠如しているように思えるのです。なので仮にフロイデンタールがいうように,スピノザの定義が独身者の独断に満ちたものであったのだとしても,同じようにフロイデンタールの定義も妻帯者による独善的なものであるとしか思えないのです。

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