スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋王戦&第三部定理三二備考

2017-03-07 19:08:53 | 将棋
 5日に新潟市で指された第42期棋王戦五番勝負第三局。
 千田翔太六段の先手で渡辺明棋王ごきげん中飛車。⑤から①-Bの変化に合流。先手がかなり早い段階で仕掛けていく将棋となり,後手の対応が拙かったようで中盤でははっきりと先手が優位に。そのまま終盤戦に突入しましたが,ちょっとした波乱が待ち受けていました。
                                     
 後手が桂馬を打ったところですが,この局面は先手玉は絶対に詰まないので攻めていくことになります。☗5二金☖5九桂成☗6一金☖同銀☗4二飛が最善の手順。しかし単に☗4二飛と打ち☖5九桂成という手順に進みました。
 この局面では☗7一銀が浮かびますが☗6三金と打ちました。後手は☖7一金打と抵抗。このときに6一にいる駒が銀であれば☗同馬があって成立しないので,先に☗5二金と打っておいた方がよかったことになります。
 先手は☗5九銀と取って☖2四角と打たせました。これは☗7一馬から後手玉は詰んでいて,その手順に進めば好手だったということになるでしょう。ところが先手の読みは違っていて☗7四桂☖同歩☗6四馬と進めました。
                                     
 第2図は局面としては難解で☖7三桂打とすれば,後で絶妙手があって後手有望の変化だったようです。しかし☖9二王と逃げました。これでも難しそうなのですが☗9五歩と突いたのが妙手。これが詰めろで先手が辛くも逃げ切っています。大抵の将棋は対局者の読みが正しいものですが,この将棋は控室の検討の方が正確だったという珍しいケースでした。そうなったのは控室では先手が勝ちを読み切っているという前提で検討しているのに対し,対局者はそうではなかったからだと推測されます。
 千田六段が勝って2勝1敗。第四局は20日です。

 スピノザがスぺイクの家の子どもたちに,両親のいいつけに従って,公の礼拝に参列するように諭したというエピソードのうち,両親のいうことを守るようにという部分についてはここでは考察の対象から除外します。これはキリスト教の教えと無関係にいわれ得ることだからです。実際にスピノザがそのように言ったことがあるという可能性は高いと僕は思うということことだけ表明しておきます。ただ,スぺイクの子どもはスピノザが死んだ時点で最高齢が9歳でした。まさかその意味も分からない子どもに対してスピノザが何か諭したということはないでしょう。それはこれから説明する,礼拝への参列を促す発言の場合にも同様です。
 スピノザが子どもに対して礼拝への参列を促すというのは,スピノザ自身の見解と大いに調和するものであると僕は考えます。というのも,スピノザは基本的に,きわめて受動的な現実的本性actualis essentiaを有する子どもが,より多く能動的であることが可能になる大人へと成長するという類の人間観を有しているふしが窺えるからです。代表的な例として第三部定理三二備考があります。
 「小児はその身体がいわば絶えざる動揺状態にあるがゆえに,他の人々の笑いあるいは泣くのを見ただけで笑いあるいは泣くのを我々は経験している。さらにまた小児は他の人々がなすのを見て何でもすぐに模倣したがるし,最後にまた他の人々が楽しんでいると表象するすべてのことを自分に欲求する」。
 要するに子どもは感情の模倣affectum imitatio,imitatio affectuumをしがちである,それだけ受動的な存在であるとスピノザはこの部分で述べているのです。それが子ども観として正しいかどうかはここでは追求しません。スピノザが基本的に子どもをそのようにきわめて受動的な存在であると認識していたということが分かれば十分です。
 このために,子どもが敬虔pietasであるためには,能動的にすなわち理性ratioに従って敬虔になるということはきわめて困難で,服従obedientia,obsequium,obtemperantiaによって敬虔であることしかできないとスピノザが判断するのは自然なことです。つまり神Deusへの服従を促すこと,いい換えれば礼拝への参列を促すのも,自然なことです。なのでこれは事実であっておかしくありません。
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