スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ジョリーザザとローラローラ&自由の人としての考察

2018-01-09 19:19:47 | 血統
 12月28日のホープフルステークスを勝ったタイムフライヤーの母系の基礎輸入繁殖牝馬は1991年にアイルランドで産まれた祖母のジョリーザザという馬です。ファミリーナンバー14
                                     
 繁殖生活は日本だけで送った馬。輸入されたときに受胎していて,最初に産まれたその産駒はJRAで4勝。翌年に日本で最初に種付けされて産まれたのがタイムパラドックスでした。
 タイムフライヤーの母はタイムパラドックスの6つ下の全妹になります。この馬はJRAで1勝しただけですが,タイムパラドックスと両親が同じ馬はこの馬だけで,父との相性の良さがタイムフライヤーが輩出したことに繋がったとみることは可能だと思います。
 ジョリーザザが輸入されることになったのは,おそらく6つ上の半姉が繁殖牝馬として輸入されていて,成功を収めていたからでしょう。その馬が1985年にフランスで産まれたローラローラ。こちらは日本人オーナーの所有で1頭だけイギリスで産駒を出した後で輸入。そのときに受胎していて産まれたのがサクラローレルです。
 サクラローレルの半姉はフランスで走りましたが,産駒は続々と輸入されました。そして日本で枝葉が広がり,2011年に小倉2歳ステークス,2012年にセントウルステークスを勝ったエピセアロームや2013年に日経新春杯を勝ったカポーティスターなどが輩出しています。
 もう少し遡ると,ローラローラとジョリーザザの姉妹の3代母からの広がりがあります。その馬を5代母とする馬に,2010年にJRA賞の最優秀短距離馬に選出されたキンシャサノキセキがいます。

 次に,先生が静の涙を知覚したときの状況を,先生の記述を基に,自由の人homo liberという観点から考察します。最初にひとつだけ注意を促しておけば,自由の人として実践を行うことは実践の規準のひとつであるので,実はこういう考察は単なる考察としてだけでなく,実践のためにも重要であるのです。あるいはこうした考察は実践のひとつであるといっていいかもしれません。ここで行うのはあくまでも物語の登場人物に関してであるのですが,たとえば現実的に存在する人間がある受動感情に従属しているときに,その人間はなぜまたどのような受動感情に隷属しているのかということを自由の人として考察するということは,その人間に対してどのように対処するべきであるのか,すなわち具体的に何を実践するべきであるのかということを決定するためにきわめて重要なのです。あるいはそれを決定することができるのはこうした考察だけであるといっても間違いではありません。
 先生は静の涙を見たときに自身も悲しみtristitiaに襲われました。これは第三部定理二一に示されている感情の模倣affectum imitatio,imitatio affectuumが先生に生じたからです。先生は自分が静を愛しているということについては自覚していたのですから,同じ感情の模倣であっても,これは第三部定理二七によって説明されるのではなく,第三部定理二一によって説明されなければならないのです。しかしどちらの定理Propositioも,感情を模倣する相手に対して憎しみodiumを抱いていないという点では同じです。
 このことから,先生がこのときに感じた悲しみが,どのような悲しみであったのかということが分かります。それは第三部諸感情の定義一八の憐憫commiseratioです。確かに先生は静のことを同類,同類というのは上述の定理でいえば第三部定理二七の方に該当しますが,自分が愛しているという意味ではもっと強い意味での同類と認識していたのであって,その愛する者を襲った害悪のために悲しんだのだといえるからです。なお,感情の模倣は第三部定理二一の場合の方が第三部定理二七の場合よりもより容易に生じ,かつほかの条件が同じなら第三部定理二一の方がより強く生じる筈なので,このときの先生は相対的に強力な憐憫を感じていた筈です。
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