スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

入団前の鶴田&質問

2015-06-27 19:29:21 | NOAH
 全日本プロレスに入団する以前のジャンボ・鶴田には,運動神経の卓越さを示すエピソードがあります。ですが門馬忠雄の『全日本プロレス超人伝説』を読んだところ,僕はいくつか勘違いしていたことが分かりました。
                         
 鶴田は高校時代はバスケットボールをやっていました。そして受験で中央大学に入学。入学してレスリングを始めたと思っていたのですが,大学1年のときはまだバスケットボールを続けていたそうです。
 鶴田の夢はオリンピック出場。しかし大学1年のときに,バスケットボールでの出場が不可能になり,夢を目指してレスリングに転向。これも僕は大学のレスリング部に移籍したと思っていましたが,中央大学のレスリング部は名門で,未経験の鶴田がすんなり入部できるようなところではありませんでした。そのとき,自衛隊の体育学校が練習生を受け入れていたので,鶴田はそちらでレスリングの手ほどきを受けたそうです。三沢が全日本への入団を希望したとき,鶴田に自衛隊を紹介されたというような話があり,僕はなぜ鶴田と自衛隊に繋がりがあるのか分からなかったのですが,このときに培われたものだったのでしょう。
 鶴田はあっという間に素質を開花させ,大学生の身分で社会人の大会に出場。重量級の人材が少なかったこともありますが,大学2年,3年と100キロ超級でどちらのスタイルも優勝。今度は逆に請われることになり,大学4年で中央大学のレスリング部に入部しました。
 1972年の全日本選手権で優勝。鶴田は念願のオリンピック出場を果たしました。日本のレベルと世界のレベルは圧倒的な差がありましたから,オリンピックで勝利をあげることはできませんでしたが,夢は叶えたことになります。もしこのとき,強力なライバルがいて,鶴田のオリンピック出場を阻むようなことがあったら,鶴田の全日本入団はもっと後になっていたかもしれませんし,あるいはなかったかもしれません。

 メナセ・ベン・イスラエルクロムウェルに対する評価を聞いて,黒い瞳の少年が質問します。クロムウェルがユダヤ人の高尚な宗教上の原理のためにユダヤ人を尊敬しているのが事実であるとしても,同時にクロムウェルは,ユダヤ人の商才を,イギリス国家の発展のために利用しようとしているのではないか,というのがルイが記述している質問の内容です。
 ルイは確かにこのように記述しているのですが,僕はこの質問の主意は,ルイの記述とは異なったところにあったのではないかと考えています。ルイの記述ですと,少年は,クロムウェルはユダヤ人の宗教的理念を尊敬し,かつその商才を評価しているというようになっています。でも僕が考える質問の主意は,これらふたつの事柄が,同等にあるのではありません。クロムウェルの真意は,イギリス国家の発展のためにユダヤ人の商才を利用するという部分の方にあるのであって,ユダヤ人を尊敬しているというのは,そのための手段ではないかという意味だったと思います。いい換えれば,もしもユダヤ人のうちに,イギリスを国家として繁栄させるような要素をクロムウェルが発見しなかったとすれば,クロムウェルはその宗教のゆえにユダヤ人を評価することもないだろうという意味が含まれていると思うのです。ルイが記述している内容の通りですと,仮にユダヤ人に商才がなかったとしても,宗教的な側面からはクロムウェルは変わらずにユダヤ人を高く評価することになると読めますから,僕が考える質問の主意とは異なっていることは分かってもらえるものと思います。
 僕が少年の質問の主意をこのように解するのは,後続する部分との関係からすれば,そういう意味であったと理解する方が、辻褄がよく合うように思うからです。ただし,この点はあくまでも僕の解釈ですから,この部分を熟読した上で判断されることを望みます。仮に僕の解釈が誤りであったとしても,今後の探求には大きな影響はない筈です。
 この質問を聞いて,メナセは突然とても怒り始めたとルイは報告しています。そして「バルーフ」と怒鳴るのです。このとき,ルイは少年の名前を知ったものと思われます。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする