スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

名古屋グランプリ&数の問題

2006-12-20 21:31:08 | 地方競馬
 第6回名古屋グランプリ
 地元のレッドストーンが逃げ,キングスゾーンが2番手。大本命のヴァーミリアンは1周目の1コーナーでやや外に振られる不利がありましたが,致命的なものには至らず,好位集団の一角を形成してレースを進めました。詳しいペースは分かりませんが,この距離ですから間違いなくスローであったと思います。
 レースが動いたのは2周目の向正面に入ってからで,ここでスローペースにしびれを切らした馬たちが何頭か上がっていったために、ヴァーミリアンは一時的にポジションを落としましたが,3コーナーから外に出すと一気の捲り。そのまま逃げるレッドストーンを捕え,直線は独走でのゴール。ダイオライト記念以来となるGⅡ3勝目となりました。
 ここは完全にこの馬の能力が抜けているメンバー構成でしたので,順当な勝利といえそうです。2着争いは,逃げたレッドストーンとヴァーミリアンを追うように上がってきたドンクールで激しい競り合いとなりましたが,何とかドンクールが交わして確保しました。この距離が向いているとはとても思えませんが,ヴァーミリアン以外なら能力上位ですし,ここのところは体調もいいようです。レッドストーンは楽に逃げられたとはいえ,この僅差の3着は大健闘であったと思います。

*失礼しました。リンク先の確定成績をご覧いただければ分かるように,2着がレッドストーンで3着がドンクールです。訂正します。(12月25日)

 竜王戦は渡辺竜王先手になりました。▲7六歩にまた△3二金。今日は渡辺竜王は居飛車を選択して相矢倉に。封じ手前の7三銀はやや意表の一手ですが,まだどちらともいえない将棋です。

 一般的な意味で,同一本性を有する複数のものがあるとします。するとそれらのものは何らかの形で区別distinguereされなければ,個別に認識することができず,したがって個別に存在することもできないということになります。ところが,これら複数のものは,各々が実在的にrealiter区別されることはできません。もしもAとBが実在的に区別されるならば,AとBが同一の本性natura,essentiaを有するという仮定に反してしまうからです。これは僕が考えるスピノザがいう共通点の意味から明らかだと思います。すると,このことから一般的に次のことが理解できます。もしも同一の本性を有する複数のものが存在する場合には,あるいは,もしもあるものがその本性によって数として区別し得る場合には,それらのものの区別は常に様態的区別なのです。これは,たとえばあの三角形とこの三角形が,あるいはあの人間精神mens humanaとこの人間精神が,それぞれ実在的にではなく様態的にmodaliterしか区別することができないという,きわめて当然の例からも明らかであるといえるでしょう。そしてこれは一般的に妥当なのですから,どんなものの場合にも同じであることになるのです。
                                     
 なお,この,数の区別が常に様態的区別であるということは,ドゥルーズGille Deleuzeが『スピノザと表現の問題』の中でかなりの分量をさいて詳しく分析しています。これは非常に参考になる研究であると思います。
コメント
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