市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

内と外 テント劇

2014-10-30 | 演劇
いよいよ11月(2014年)16日劇団どくんごのテント芝居「OUF!」の公演がやってくる。今回は、森川弘子さんのマンガ(PHP雑誌くらしラク~ル10月号掲載テント芝居を観に行こう!!)で、これまでのように内容説明をいちいちしなくて済むと、おおいに宣伝に楽観していた。先日、銀行の支店長さんがみえて、テント芝居公演の話を始めた。早速マンガを差し出して、こんなものですと、かれの反応を期待した。折からマンガのコピーしたのを持参してくれた実効委員のしぇ・こぱんのマスターと、今回は説明は楽だと小話を交わした。支店長さんを見ると、憮然とした様子で、チラシにも見入っていた。どうです、テント芝居おもしろいでしょうと、声をかれにかけた。

 「どこがおもしろいのか、ぼくにはさっぱりわかりませんけど・・」
 
 と、思いもしなかった返答であった。いや、このマンガではストリーとかテーマとかはでていません。しかし、歌、踊り、役者の特色、観客の反応、テントにどよめく、共感、興奮は、このマンガの通りでしょ、そこ、そこがテント芝居なんですけどと、はなすと・・

 「それが、このマンガのどこにでているんでしょうか?」
 「どこにというか、全体にあの活気みたいなものがあるでしょ」
 「いや、なんにもわからないんですよ、それが」
 「受付嬢も、楽器を引いている役者たち、ステージの掛け合い、客席
  の興奮する観客たち、そのリアルな表現を、感じませんか」
 「ぜんぜんわかりません」

 かれは40代半ば、都市的な洗練された紳士で、ぼくの奇妙な情報をいつも楽しんでくれて、ここにくると、いつもそんな非日常の話でもりあがれる人なので、好奇心は旺盛なはずであるが、この反応はなせと仰天したのであった。つづけて、かれは聞いてきた。テントとはどんなものですか。何人は入れるのですか。100人くらいは可能、テントはチラシに写真がありますと示すと、かれはその白黒の写真を見詰めだした。

 「寒いでしょ」「寒いです」「雨がふったら、ござのうえでどうなるんですか」「ござ?! 客席はちゃんと階段状に設けてあるんです」
と答えつつ、いったいぜんたい、かれはテントについてどんなイメージをいだいているのだろうと思い、いきなり聞いてみた。チラシの写真を指し示しながら。このテントに入って芝居を観ますかと。
 
 「いや、わたしは、このテントに入ろうとは思いません。そんな
  気分にはとてもなれません。うっとうしいし、みじめです」
 
 そこでぼくも写真を検めてみると、どこかの空き地に設営されたテントの写真は、どんよりとした曇り空の下に地を這うように、まるで小屋のようであり、さびれて、旗も垂れたまま、まるで疲れたホームレスの
ハウスに見えるのであった。その瞬間にぼくは気がついたのだ。このマンガの一こま一こまは、ぼくの記憶の再現であるのだと気づいたのだ。演出家どいのをはじめ役者たちの出演のシーンもすべて記憶の再現である。観客のどよめきも音楽の盛り上がりも体験の再現、このこまは、ぼくの記憶の再現であったのだ。テントは写真であるまえ、体験の再現なのである。

 このマンガは、記憶のあるものにとっては、リアルであるが、ないものには、そのリアル感を伝えるものがないということである。もっともマンガをみて、テント芝居をおもしろいという人もいるかもしれないがぼくのもつリアル感は、マンガからは得られない。

 ここで改めて再認識できたのは、自分がおもしろいと思うものを、他人がおもしろいと思うことは、ある条件をクリアしなければ、ありえないということである。内なる自分と外なる他人を、頭から能天気に同一視することは、とんでもない独りよがりである。共有するものを、慎重に見出し、それを他に自覚させるワークがいるということである。自分の欲望を他人も欲望するということ、つまりこの画一化、非人間的精神・意識である、内も外もない世界は全体主義国家の構造である。そうはなりたくないものである。

 ここで、切実な追伸!! ここでぜひ森川弘子さんの楽天ブログを訪問してほしい。9月30日から10月28日まで21回、ブログはどくんごを観てほしいとほぼよびかけのブログ。数回は舞台写真、その美しさを見てしまえば、だれもテント芝居に魅惑されてしまう。もう写真なら現実感を共有できそうだ。10から27日まで、彼女は四国巡業ツアーに同行しながら、ぶろぐをつないていった。対象にこれまでのめいりこめるという情熱に、彼女の想像力の力をかんじざるをえない。僕は、所詮まだテントを目でおっているしかない、知識人にすぎない。なにかが創造されるのは、彼女のような人からであろうと思う。適わない。ぼくらの実行委員で三木ちゃんが、宮崎市にはいる、女性の力を感じさせられる。
ジャンル:
かなしい
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