
一昨年の暮れ。
4・3事件犠牲者の遺族会に依頼されて作品を書き始めた。
三万とも四万とも八万とも言われている犠牲者を生んだ故郷の悲劇。
夥しい死のみではなく故郷を失った人々も数えきれず、百年を経ても解決を呼ばない事件となった。
もちろんである。
幾年もの怨恨と怨恨、歴史と歴史を重ねて生み出された悲劇なのだから。
そして隠蔽に隠蔽を重ねて歴史から腐臭を漂わせた。
名前が判明したのは現在約15000人。
年が明けて別作品の東京公演を終え、
三月から稽古を始めた。
稽古開始前に東北が大きく揺れた。
本番を迎える頃には数万の犠牲者のうち、約15000近くの犠牲者の名前が判明していた。
そして今。この時代でも人々は故郷を失い、狂気に染まった輩は日々隠蔽に隠蔽を重ねて歴史から新たな腐臭を漂わせようとしている。
阪神淡路が大きく揺れた時、他府県の人々に真の苦しみは伝わらなかった。それと同じく、僕達もその後に起こる至る場所の震災の真の苦しみを理解をしきれない。
当然だ。
其処に生きる者にしか其処の苦しみは血に染まらない。
だから僕達は昨年の悲劇の悲しみをコピーして上演するのではない。
故郷を失った末裔として、海のむこうの故郷の事件を上演する。
しかし、犠牲となった魂は同じだ。
作品をご覧になって、心に何かを重ね合わせて、この先千年を経ても目を閉じて眠る事のできない同じ魂達を想って頂けるならば、そこに「広場(マダン)」は広がり、一つになる。
Unit航路-ハンロ-
若手演出家コンクール2010最優秀賞受賞記念公演。
「蛇の島」「古俗に遠吠える狗たち」
25分二本を休憩を挟んで上演します。
作品は済州島4.3事件を生き延びた老婆と出会う青年の話『蛇の島』そして
死者の山脈を彷徨い、死者と戯れる狗たちの姿を描いた『古俗に遠吠える狗たち』。
是非ともご来場下さいませ!!
作:演 金哲義
出演 金哲義 金民樹
浅野崇浩(松竹芸能)
卞怜奈(劇団タルオルム)
金恵玲(劇団アランサムセ)他
3/16(金)19時
17(土)19時
18(日)14時
下北沢「劇」小劇場。
3月16日(金) 〜18日(日)
16日(金)19時
17日(土)19時
18日(日)14時
前売り2500円 当日3000円
学生1500円 当日2000円
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