名古屋、相続税専門税理士の学習ノート

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相続税対策 4 資産の組み替え

2017-07-27 10:08:31 | 日記
 相続税対策として有効なものに財産の組み替えがあります。  現状の財産を見直して、相続税の課税価格の圧縮を図るためや、納税資金のために、財産を買換えることです。  現金1000万円の相続税評価額は1000万円ですが、この現金で時価1000万円の土地を買えば、相続税の課税価格は800万円となり、2割の課税価格が圧縮できます。  これは路線価の基準が、時価ベースである公示価格の80%で作成されているためです。  現金や預貯金をそれ以外の財産に買い替えることが、節税の基本です。 普通は土地、建物に買い替えるのが一般的で、建物も相続税評価の対象となるのは建築価格ではなく、それより30~40%低い固定資産税評価額ですから、土地同様に節税効果はあります。

 資産組み替えの代表例は、現預金でアパートを建設する方法です。  例えば、5000万円の現金でアパートを建設する場合を考えます。  相続税の対象となる固定資産税評価額は、おおむね建設費の6割位ですから、完成したアパートの固定資産税評価額は、3000万円となります。  自用家屋ならこの金額が相続税の対象になりますが、アパートの場合は借家権3割が控除できますから、結果的に相続税評価額は、 5000 ✖ 0.6 ✖ (1 - 0.3) = 2100万円 となり、2900万円の圧縮効果があります。 またアパートの底地も自用地評価から貸家建付地の評価となり、場所によって違いますが、10%~20%の減額となります。  不動産業者や銀行は、「借金をしてアパートを建てれば相続税の節税ができます」と宣伝しますが、「借金」するから節税になるのではなく、アパートを建てるから節税になるのです。  先ほどの例で、現金5000万円は使わずに、銀行で5000万円の借り入れをしてアパートを建てても圧縮効果は同じになります。  つまり、アパートが完成するとプラスの財産は、現金5000万円とアパート2100万円の7100万円です。  ここから借金5000万円を控除した2100万円が、課税財産となり借金の有無によらず課税価格は同じとなります。 「借金してアパートを建てれば節税できます」は、ローン貸付をして儲けたい銀行の曖昧な営業トークですから注意が必要です。

 相続後のことを考えて権利関係の複雑な土地を整理したり、納税資金の確保や将来を見越して有益性の高い物件に組み替えることもよく行われます。  採算性の悪い古いアパートを新しいアパートに建て替えたり、先代から長年安い地代で貸し付けていた貸地を整理することも重要です。  例えば、長年貸し付けていた50坪の貸地があります。 戦後すぐに賃借人に居住用家屋を建てるために貸したもので、地代は低いままで賃貸経営としての旨味がありません。 借地権割合は50%の地域です。  このような採算性の悪い土地は生前に整理したいものです。  貸している土地はもちろん賃貸人である地主の財産ですが、長年の貸付けで賃借人には「借地権」が発生しています。 「借地権割合50%」ですから、土地の1/2は借地権とされ、借地権は賃借人の財産とされます。 よほどいい立地の土地なら賃借人から借地権を買い取り立ち退いてもらい、他の利用方法で収益を狙う方法もありますが、そうでないなら賃借人の借地権50坪の1/2と地主の底地50坪の1/2を「固定資産の交換特例」で交換して、50坪の土地を地主と借地人が25坪づつ分け合うことで、採算の悪い貸地を整理することができます。 地主にしてみれば50坪の土地のうち25坪を賃借人に無償で譲り渡すことは論外かもしれませんが、権利関係のある土地こそ生前に整理しておくべきです。 
 「固定資産の交換特例」は、細かい要件はありますが、金銭の授受なしで所有権の移転ができるため生前の不動産の組み替えには有効です。

 現金を不動産に変形させておくことは相続税の節税の基本ですが、ここで問題なのが流動性です。  土地を現金化するには時間がかかりますし、経済状況によってはリスクもあります。  現金は必要な時にいつでも使えますが、不動産は売却する必要があります。  それに売れば譲渡所得がかかります。 現在、国税地方税込みで長期譲渡の場合には20%かかってきます。  行き過ぎた買換えは注意が必要です。
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