名古屋、相続税専門税理士の学習ノート

相続、相続税のこと、一緒に考えてみませんか。 メインHPも、ご覧ください。 左下のリンクから入れます。

相続税対策 7 その他

2017-10-23 12:40:47 | 日記
 土地の評価方法にはいろいろありますが、面積条件を満たすことによって大きな節税効果が期待できるのが、平成29年12月31日に適用が終わる広大地評価です。  あと2月しか適用できない特例です。  三大都市の市街地であれば面積が500㎡以上で、開発行為をするとした場合に潰れ地が生ずるような形状であれば広大地補正率の適用があり、評価額は大幅にダウンします。  470㎡の面積しかない土地で、隣接して50㎡の土地が売りに出ていて、その土地と合わせた形状が不整形地になるようなら、それを購入しておけばとりあえず広大地の面積条件はクリアーします。   平成30年からは広大地補正率はなくなり、代わりに「地積規模の大きな宅地」の評価に代わります。 規模格差補正率を適用することになりますが、いままでの広大地のようなに大きな評価減にはなりません。


 年老いた父親がアパート経営をしている場合、毎月の集金や管理・退去の立ち合い等で、アパート経営そのものにわずらわしさを感じてきます。  そんな時には相続時精算課税制度を利用して子供がアパートの建物のみの贈与を受けることが有効です。  土地の贈与は受けずに、使用貸借で借りるようにします。  これによって相続財産から「建物」が外れますし、アパートから生じていた賃貸収入は子供の所得になりますから、父親の金融資産も増加しません。  相続財産は減少し、相続税の納税資金は溜まっていくことになります。  このとき、贈与は時価課税される「負担付贈与」にならないように、預かっている敷金相当額の現金と建物を一緒に贈与する必要があります。  こうしておけば建物評価は固定資産税評価額が基準になります。
その敷地の評価は、贈与して数年後に父親に相続が発生した場合、贈与時から入居者が継続している部分については、「貸家建付地」の評価減が適用できますが、贈与後に入居者が入れ替わっている場合は、その部分は「自用地」の評価となります。


 墓地や仏壇のない場合には、生前に購入しておくことも相続税の節税になります。 墓地や仏壇は非課税財産ですから相続税はかかりません。そのため相続時に墓地や仏壇の支払が残っていても、債務として控除できません。  ですから預貯金を減らしておくためにも、生前の購入をお勧めします。
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実例 5

2017-08-17 11:10:20 | 日記
 提出された申告書を見ると、課税価格は5億円。  財産内容は預貯金、有価証券、不動産がバランスよく並んでいます。 相続人は妻A、長男B,長女Cの3人です。  Aは、限定承認していて、BCは相続放棄をしていました。  BCは生命保険金を取得したためそれについての課税です。  申告書には添付書類として被相続人の兄Dの相続放棄の書類も添付されていました。  この申告書を見て、不思議な申告書だと思いました。  どうゆう意味なのか、、、、理解できませんでした。


 添付資料等で推察すると、被相続人は上場会社の社長を退任して数年であり、在職中の職務にからんでの何らかの責任問題を抱えていたのかと思いました。  会社から在職中の責任を問われる可能性、、株主代表訴訟を提起される可能性があったのかもしれません。  子供のBCが相続を放棄すると初めから相続人でなかったものとなり、次順位の被相続人の親に相続権が移りります。  当然両親、祖父母は死亡済みですから、その次順位の兄弟姉妹に相続権が移ります。  この場合、被相続人の兄Dが、初めから相続人であったとされますから、兄も相続放棄が必要なわけです。 子供BCが相続放棄した事実をDが知らない場合、Dは相続放棄しないまま熟慮期間を経過し、身に覚えのない負債を背負うことになりかねません。  妻以外の法定相続人がすべて相続を放棄したため、初めから相続人は妻Bしか存在していないことになり、Bは限定承認したわけです。(相続人が複数の場合、限定承認は相続人全員で行う必要があります)  
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実例 4

2017-08-17 10:14:32 | 日記
 先代が戦前に宗教法人から土地を借りて自宅としていましたが、二代目の当主Aに相続が発生しました。  配偶者Bは、「相続財産は預貯金3000万円だけで、自宅の土地は借地であり、家も古いから相続税は課税されない」と思っていました。  借地は、面積1000㎡、道路とは北、西、南、の三方で接道していて、土地の南側に自宅が立っていて、、北側ほ広大な庭でした。  配偶者Bは、「借地権」について認識がありませんでしたが、評価すると借地権の価格は、8000万円となり、預貯金と合わせると相続税の課税価格は1億1000万円となります。

 この例ではBらに借地権の財産性の認識が欠如していたため、何らの節税対策が行われていませんでした。  借地権課税の認識があれば生前に何らかの節税対策を行っていたはずです。
例えば、、、北側の庭部分の土地について賃貸契約を解除して宗教法人に返還するとか(借地権を買い取ってもらうため、譲渡所得が発生しますが、宗教法人が返還した土地を宗教施設に利用すれば、譲渡所得の非課税特例が適用できる可能性があります)、北側の借地を第三者にまた貸ししたり、北側の借地でアパート経営を始めるとかの対策をしていれば、課税される借地権の圧縮ができたはずです。
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相続税対策 6 資産の組み替え

2017-08-09 09:51:50 | 日記
 不動産を組み替える時に使いたい譲渡所得の特例が、「固定資産の交換の特例」です。  要件に該当すれば申告することをよって、譲渡所得そのものがなかったとみなされて課税されません。

要件1 交換で相手に譲渡した資産(交換譲渡資産)と交換で相手から取得した資産(交換取得資産)は、いずれも固定資産である。  要件2 交換譲渡資産と交換取得資産は、同種の資産である。  要件3 交換譲渡資産、交換取得資産ともそれぞれ1年以上所有されていたものである。  要件4 交換取得資産は交換の相手方が交換のために取得したものではない。  要件5 交換取得資産を、交換譲渡資産の交換直前と同じ用途に使用していること。  要件5 交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価の差額が、いずれか高いほうの時価の20%以内である。

 すべての要件を満たす交換であれば、譲渡所得の課税を受けることなく交換ができます。  要件に該当しない場合には、交換譲渡資産を交換取得資産を対価として譲渡したとみなされ、譲渡取得資産の時価で譲渡収入があったとして課税されます。  例えば、先代の相続で兄と弟が、道路北側のA土地と道路南側のB土地をそれぞれ1/2づつの共有で相続しました。 A,Bの時価は同じです。 ABとも貸駐車場として長年利用してきました。  先代の相続では遺産分割のことをよく考えないでABを兄弟の共有にしましたが、高齢となり自分達の相続のことを考えると、共有物件の処分が気がかりです。 このままの状態で相続が発生した場合には、相続人に厄介をかける気がして心配です。 このような時には兄弟の生前に「固定資産の交換の特例」を適用して、 A土地の弟の持分1/2とB土地の兄の持分1/2を交換して、A土地を兄の単独所有とし、B土地を弟の単独所有とします。  単独所有物件となれば将来的な管理処分もとりあえずは安心です。  交換直後に売却したり、駐車場としての利用をやめると要件に該当しなくなりますので、注意が必要です。

 宅地(雑種地)の交換のみならず、農地の整理にもこの交換特例は使えます。  宅地に借地権があるように農地には耕作権があります。  地主が小作人に農地を貸している場合には小作人の耕作権と地主の底地を「固定資産の交換の特例」を適用して交換します。  耕作権が50%なら土地の半分は交換で小作人に渡すことになります。  農地の面積は減りますが。わずらわしい権利関係から解放されます。

 この「固定資産の交換の特例」を適用して取得した土地は、交換譲渡資産の取得日・取得金額を引き継ぎますから注意を要します。  交換取得資産を将来譲渡した場合、今回課税されなかった部分について課税されることになります。
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相続税対策 5 資産の組み替え

2017-07-31 09:49:34 | 日記
 資産の組み替えとして、現金預貯金を生命保険金に変形させる方法もあります。  被相続人の死亡により相続人の受け取った保険金のうち、被相続人が保険料を負担していた部分に対応する金額については、「500万円 ✖ 法定相続人の数」の金額が非課税部分として控除されます。  この非課税枠を使って現金預貯金の課税価格を圧縮するわけです。  例えば、被相続人を契約者、保険料負担者、被保険者として、保険料1000万円の一時払い終身保険に加入します。  被相続人が死亡すると死亡保険金が支払われますが、みなし相続財産として「500万円 ✖ 法定相続人の数」の控除が使えますから、支払われた死亡保険金から法定相続人の数に応じた控除額を差し引いた残額が相続税の課税対象になります。  この例の場合、法定相続人が2人ですと、控除額が1000万円となりますから、支払われた死亡保険金1000万円は課税されないことになります。  現金を生命保険金に変形させるだけで、この控除額が適用でき相続税の課税価格が圧縮できるわけですから、簡単な節税です。  まだ、この生命保険金の非課税枠を使っていなければ、今すぐにでも保険に加入するべきです。

生命保険金は民法上の相続財産ではありませんから、遺産分割協議の対象外ですし特別受益にも該当しません。 「みなし相続財産」として、控除額を超える金額が課税されるというわけです。  この生命保険を跡取りの長男に受けさせることによって、代償分割の原資として分割協議をスムーズに行わせることもできます。  例えば、相続財産は自宅の土地建物(評価額2500万円)と預金1000万円、相続人は跡取りの長男A,次男B,三男Cです。 法定相続分は「3500万円 ✖ 1/3 = 1167万円です。  Aが自宅2500万円を相続すると、預金1000万円をB,Cが取得することになり分割協議に支障が出ます。  事前に被相続人が、受取人をAとして死亡保険金1500万円の生命保険に加入していれば 1500万円はA固有の財産ですからそれを代償金の原資として、B,Cに法定相続分に見合う財産を取得させることができます。  あくまでも代償金とする生命保険金の受取人は跡取りのAとします。 代償金を受け取る立場のB,Cを受取人にしてしまうと、生命保険は受取人固有の財産ですから「これはこれ、あれはあれ」として、代償金を要求される可能性を残してしまいます。

この非課税枠を使い切ってしまった場合は、被相続人が、契約者、保険料負担者となって、相続人を被保険者及び受取人とする当初の解約返戻金割合の極端に低い「低解約返戻金型定期保険」に加入する方法があります。  被保険者は相続人となっていますから被相続人に相続が発生しても死亡保険金は支払われません。  相続財産となるのは相続発生時にこの保険を解約したとした場合の解約返戻金です。  ある保険会社の商品では、解約返戻金が「ゼロ」の期間を契約時に選択できる商品もあります。  この解約返戻金が「ゼロ」の期間に相続が発生すれば、相続財産としてのこの保険の評価はゼロになります。 保険契約をゼロ評価で相続できるわけですから、節税にはもってこいの保険です。  
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相続税対策 4 資産の組み替え

2017-07-27 10:08:31 | 日記
 相続税対策として有効なものに財産の組み替えがあります。  現状の財産を見直して、相続税の課税価格の圧縮を図るためや、納税資金のために、財産を買換えることです。  現金1000万円の相続税評価額は1000万円ですが、この現金で時価1000万円の土地を買えば、相続税の課税価格は800万円となり、2割の課税価格が圧縮できます。  これは路線価の基準が、時価ベースである公示価格の80%で作成されているためです。  現金や預貯金をそれ以外の財産に買い替えることが、節税の基本です。 普通は土地、建物に買い替えるのが一般的で、建物も相続税評価の対象となるのは建築価格ではなく、それより30~40%低い固定資産税評価額ですから、土地同様に節税効果はあります。

 資産組み替えの代表例は、現預金でアパートを建設する方法です。  例えば、5000万円の現金でアパートを建設する場合を考えます。  相続税の対象となる固定資産税評価額は、おおむね建設費の6割位ですから、完成したアパートの固定資産税評価額は、3000万円となります。  自用家屋ならこの金額が相続税の対象になりますが、アパートの場合は借家権3割が控除できますから、結果的に相続税評価額は、 5000 ✖ 0.6 ✖ (1 - 0.3) = 2100万円 となり、2900万円の圧縮効果があります。 またアパートの底地も自用地評価から貸家建付地の評価となり、場所によって違いますが、10%~20%の減額となります。  不動産業者や銀行は、「借金をしてアパートを建てれば相続税の節税ができます」と宣伝しますが、「借金」するから節税になるのではなく、アパートを建てるから節税になるのです。  先ほどの例で、現金5000万円は使わずに、銀行で5000万円の借り入れをしてアパートを建てても圧縮効果は同じになります。  つまり、アパートが完成するとプラスの財産は、現金5000万円とアパート2100万円の7100万円です。  ここから借金5000万円を控除した2100万円が、課税財産となり借金の有無によらず課税価格は同じとなります。 「借金してアパートを建てれば節税できます」は、ローン貸付をして儲けたい銀行の曖昧な営業トークですから注意が必要です。

 相続後のことを考えて権利関係の複雑な土地を整理したり、納税資金の確保や将来を見越して有益性の高い物件に組み替えることもよく行われます。  採算性の悪い古いアパートを新しいアパートに建て替えたり、先代から長年安い地代で貸し付けていた貸地を整理することも重要です。  例えば、長年貸し付けていた50坪の貸地があります。 戦後すぐに賃借人に居住用家屋を建てるために貸したもので、地代は低いままで賃貸経営としての旨味がありません。 借地権割合は50%の地域です。  このような採算性の悪い土地は生前に整理したいものです。  貸している土地はもちろん賃貸人である地主の財産ですが、長年の貸付けで賃借人には「借地権」が発生しています。 「借地権割合50%」ですから、土地の1/2は借地権とされ、借地権は賃借人の財産とされます。 よほどいい立地の土地なら賃借人から借地権を買い取り立ち退いてもらい、他の利用方法で収益を狙う方法もありますが、そうでないなら賃借人の借地権50坪の1/2と地主の底地50坪の1/2を「固定資産の交換特例」で交換して、50坪の土地を地主と借地人が25坪づつ分け合うことで、採算の悪い貸地を整理することができます。 地主にしてみれば50坪の土地のうち25坪を賃借人に無償で譲り渡すことは論外かもしれませんが、権利関係のある土地こそ生前に整理しておくべきです。 
 「固定資産の交換特例」は、細かい要件はありますが、金銭の授受なしで所有権の移転ができるため生前の不動産の組み替えには有効です。

 現金を不動産に変形させておくことは相続税の節税の基本ですが、ここで問題なのが流動性です。  土地を現金化するには時間がかかりますし、経済状況によってはリスクもあります。  現金は必要な時にいつでも使えますが、不動産は売却する必要があります。  それに売れば譲渡所得がかかります。 現在、国税地方税込みで長期譲渡の場合には20%かかってきます。  行き過ぎた買換えは注意が必要です。
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実例 3

2017-07-25 11:21:32 | 日記
 被相続人甲には、長男A,次男B,三男Cの3人の息子がいました。  被相続人はA家族と同居していたが、被相続人の体調が優れなくなると、Aは相続税対策として長男D(被相続人の孫)を被相続人の養子とすることを被相続人に提案し、養子縁組した。  その半年後に、被相続人は死亡した。
 遺産分割協議に際して、B,Cは、初めて養子縁組の事実を知らされ、Aに不信感を抱いた。  遺産分割協議が整わないため、当初の相続税の申告は未分割として法定相続分による申告書が出された。
 Bは養子縁組の無効を裁判所に訴え、一審では、「当時被相続人には、意思能力はなかった」として養子縁組の無効の判決が出された。 


相続対策
 養子縁組は最も簡単な相続税対策ですが、一人当たりの相続分は減ります。  相続税は安くなりますが、各相続人の取り分も少なくなります。  養子縁組は養子となる人が成人であれば当事者間の合意のみで成立しますが、他の相続人にしてみれば不公平感を感じます。  BCの子供も養子縁組していたら遺産分割はスムーズにいったでしょう。  無理な養子縁組は、いくら節税効果があっても、相続人間の不公平感、不信感を増大させるだけで相続対策になりません。
  
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実例 2

2017-07-24 13:41:09 | 日記
 被相続人は妻に先立たれて、一人暮らしをしていた。 子供の長男A,長女Bは、いずれも遠方に住んでいたが、被相続人の体力の低下を心配したBは、単身で被相続人と同居し介護等の世話をしていた。  2年後に被相続人は死亡した。
 長男Aが保管していた遺言書には、ほとんどの財産をAに相続させると書かれており、Bは遺留分に満たない預金しか取得できなかった。  その後Bは、遺留分減殺請求を起こした。


相続対策
 Bにしてみれば、一生懸命に被相続人の介護をしたことが報われない遺言書の内容ですが、被相続人の気持ちはどうだったのでしょうか。  被相続人は、「娘が親の介護をするのは当然のこと」「娘は外に出た子であり、やはり財産はAに継がせたい」そんな思いだったかもしれません。  「親の思い」と「子の思い」は、なかなか合致はしません。  Bにしてみれば、「介護を押し付けられて、我慢して介護をしてきたが、何も介護の世話をしていないAが長男というだけで財産をすべて持っていくのは許せない。自分は、親からは愛されていなかった。」との思いがあります。
 遺言書の内容がどうであれ、法律的には被相続人の最後の意思表示として、遺産分割協議に優先します。  遺留分にさえ満たない財産しか盛られなかったことにBは、怒っていたのでしょう。  このような相続人の遺留分を侵害する内容の遺言書は、後々まで相続人間の争いを長引かせます。




  
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実例 1

2017-07-24 12:18:55 | 日記
 被相続人は手広く飲食店を経営。 妻はすでに死亡し、跡取りの長男A一家と同居していました。  次男Bは健在であるが、病弱だった三男Cは10年前に死亡している。  三男Cの一人息子であるDは5年前に離婚。 その妻は子供E(当時3歳、被相続人の曾孫)を連れて家を出て行った。  被相続人が死亡した場合、相続人となるのは、長男A,次男B,孫のDとなるため、Aは税理士に相続関係の相談をしていたが、その最中にDが交通事故で死亡したため、相続対策は何もできなかった。 
 その後1年して相続が発生した。  相続人は長男A,次男B,曾孫Eである。 A.Bは、Dの元妻とは音信不通の状態であったため、税理士が遺産分割協議のために元妻へ連絡を取ったところ、元妻の再婚相手の父親が、Eの親権者である元妻の委任状を持参して分割協議に参加し、「財産を隠しているだろう、全部財産を確認させろ」と騒ぎたてたため、分割協議は全く整わず、未分割状態で相続税の申告書を提出した。


相続対策
 家族関係が複雑な場合には、遺産分割が円滑に進まないことが予測できるため、公正証書による遺言書を作成することが望ましい。 遺言書があれば遺産分割協議は必要なく、スムーズな財産承継が可能である。  当事案の場合、Dが死亡したことにより、再代襲相続人となるのはEであるが、EはCの元妻に連れられて家を出ていたため、「遺産分割に時間がかかる」「遺産分割が難航する」要因は既に存在していた。  被相続人と同居する長男Aが、自らの事業も円滑に承継できるように遺言書の作成をサポートして、遺言書を作っておくべきであった。  遺言書さえ存在していてば、「赤の他人」である元妻の代理人が、遺産分割協議に介入することもなかった。  
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相続税対策 3 養子縁組

2017-07-21 09:50:07 | 日記
 相続税対策として昔から使われているのが法定相続人の数を増やす方法です。  相続税の基礎控除額は「3000万円 + 600万円 ✖ 法定相続人の数」ですから、法定相続人が多ければ基礎控除額は増加します。  また「みなし相続財産」である死亡保険金、死亡退職金もそれぞれ「500万円 ✖ 法定相続人の数」の非課税限度額がありますから、法定相続人が増加すれば、課税財産は減少します。  「法定相続人の数」は、相続の放棄をした人がいてもその放棄がなかったとした場合の相続人数こことです。
  そこで自分の孫を養子にして、法定相続人数を増やし節税を行う方法があります。  民法上は養子の数に制限がありませんが、相続税法上は「法定相続人の数」に含める養子の数には制限があり、「実子がある場合には、1人」「実子がいない場合には、2人」とされています。  特別養子縁組の養子や、配偶者の実子を養子にした場合は、実子扱いとされます。
例えば、相続人が実子1人、養子2人の場合、法定相続人の数は、2人となりますし、相続人が養子3人のみの場合、法定相続人の数は、2人となります。 実子が二人いてそれぞれの長男を養子にした場合、相続人は4人ですが、法定相続人の数は3人となります。

 養子縁組して法定相続人の数をふやすと、基礎控除額が増え、、死亡保険金・死亡退職金の非課税限度額が増えますから節税にはなります。  老夫婦と長男家族が同居していましたが、長男は7年前に死亡しています。 節税と感謝の意味で、長年に渡って家を守り、自分の介護をしてくれた同居する亡・長男の嫁を養子にして、財産を与えることはよくあります。 このような養子であれば、他の相続人も納得するでしょう。  問題は孫を養子にする場合です。  相続人は長男、次男です。 それぞれに子供がいます。  節税対策として同居する長男の子供1人を養子にしました。  この場合次男としては、漠然としたわだかまりが残ります。  法定相続分が1/2から1/3に減少しますから、不公平感を感じるでしょう。  実子がいる場合は「法定相続人の数」に含める養子は1人ですから、次男の子も養子として不公平感をなくしておくべきです。  養子の孫2人が相続で財産を取得するか否かに関わらず、相続人に不公平感を感じさせるのは相続対策、相続税対策としてお勧めできません。  
 
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