不自由な生活から解放されました。

本日、午前10時少し前、母が永眠しました。
70台前半で認知症を患い、79で脳梗塞のため、左半身不随。
1度脳梗塞が起きたら、2度3度と起こると聞きました。
母は2度起こしてます。
その後遺症と本来の認知障害のため年々脳の働きが落ちていき、終いには私が誰かも、兄が誰なのかもわからなくなってました。
動かない方の体は硬直が日に日に進み、随分不自由な思いをしたのではないかと考えます。
しかし、脳の感覚が違う母はその不自由さを感じていなかったかもしれないのが救いですかね・・・。
常人であれば、半身が動かず、どんどん悪くなるばかりの身体はとてもストレスが溜まると思うんですよ。

脳梗塞で倒れてから先月までの5年8か月、私が母に「長生きしてや」というと一貫して首を横に振りました。
最初のころはまだ頭がしっかり働いていたのでとてもストレスが溜まったでしょう。
必ず否定の言葉とともに首を振ってました。
もうほとんど言葉が母に届くことがなくなった先月、私は久しぶりに母にその言葉を言いました。

母はやはり首を振りました。
私は偶然かと思い、再度同じ言葉を繰り返すと母も同じしぐさで答えます。

「長生きは嫌？」

母は今度は首を縦に振りました。
たいていの言葉は母を素通りしますが、理解する言葉もあるのだと知りました。

母は生きることを望んでいませんでした。
今日、漸くその鎖から解放されました。

今朝早く病院から電話が来ました。
私は慌ててタクシーを飛ばしましたが、タッチの差で間に合いませんでした、多分・・・。
私が病室に入るのと、血圧が下がって看護師さんが先生を呼びに病室を出るのと鉢合わせしました。
私が頬を触って呼びかけたときには息をしていなかったように思います。


おかあちゃん、お疲れ様でした。



結局は母、療養病棟に移ることなく逝きました。