相場博士(ファンドマネージャーのテクニカル分析)

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日経平均テクニカル分析(10月31日)

2008-10-31 23:02:02 | 日経平均テクニカル分析
10月31日終値:先物12月限8450、現物:8576.98

3連騰後の反落。8400~8200を下値、8900~9500を上値とした値固めをし、逆ヘッドアンドショルダーの右肩形成段階に入る。9000~9500のネックラインを上抜ければ、上値ポテンシャルとして10700~11700のゾーンへの戻りを予測。P&Fでは現段階での上値目標値は11400

 日経平均の中長期的な相場の森を日経平均現物で見ると、相場は9月30日に11259.86で引け、11489.30を下回ったことから売りシグナルが点灯。10月10日には8276.43まで暴落した。その後、14日、15日と戻りを見せ、9547.47までリバウンドしたが、16日は再度急落。8458.45まで下落し、10日の8276.43を下抜けするかどうか早くも二番底確認ステージに移っている状態であった。10月16日段階の記事(10月16日終値:先物12月限8250、現物:8458.45)では、仮に切り返して、一旦の底抜けを回避しても、下値切り上げ形の保ち合いレンジとなった場合は経験則的に再度下値を試す可能性が高く、まだまだ、厳しい相場展開が続くと予測していた。その後、相場は16日8458.45→21日9306.25と下値切り上げ、上値切り下げの三角保ち合いレンジを形成。そして、24日に7649.08で引け、16日の8458.45を下回ったことから、売りシグナルが点灯。下値目標値を第一目標値6800、第二目標値を5700と計測していた。
 その後相場は27日に終値で7162.90に下落。28日にはザラ場で6994.90と7000割れまで下落したが、急速に切り返し、7621.92で引け、29日8211.90、そして30日には9029.76まで戻りを拡大してきた。しかし、本日31日は8576.98に反落した。三連休前のポジション整理的色彩もあり、引け際に350円以上も急落した。
罫線ではこの三日間、大きい陽線が三つ並ぶ三兵という形となっている。赤三兵ともいうが、安値圏からの出直り場面で出ており、本日の反落は小休止で上昇一服場面となっても中期的に今後も更なる戻りが期待できる兆候である。しかし、時系列のチャートでは切り返して一気に上抜けを試すというよりは、逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)の右肩を形成する可能性が高いとみている。下げ相場のから回復への転換点であり、大底形成が確認されたシグナルと考えられる。現段階では7162.92を下回り、7000以下で引けない限り、売りシグナルとはならないが、もし下抜けすれば6200が下値目標値となる。しかし、ここから続落しても8400~8200を下値とした値固めを形成し、上記の逆ヘッドアンドショルダーの右肩を形成する状態に入れば、あとはネックラインの9000~9500のゾーンをいつ上抜けするかとなり、10700~11700のゾーンへ向けてかなり早い段階で上昇すると見ている。P&F上では、現段階で9029.76を上回ると買いシグナルが点灯するが、9600以上で引ける場合は、さらに上抜けの強いシグナルとなる。この場合、上値目標値は終値ベースで11400と予測する。この11400は9月18日の11489.30という大暴落を誘発した下値のトリガーポイントでもあった。相場はその水準まで戻ることになり、相場の芸術性が感じられる。さらに、この水準は上記の逆ヘッドアンドショルダーによる上値目標値ゾーンの10700~11700の領域に入っており、整合的と考えられる。
また、その他のテクニカル指標ではMACDおよびパラボリック・システムが買いシグナルに転換。RSIは14日間で42.88となっている。
相場は7000割れで一旦の底値を確認。9029.76まで戻したが、本日は反落。今後は値固めをしてエネルギーを再度蓄積すべく、保ち合いをしばらく経て、再度動き出す展開に移行している状態と予測する。

相場の森: 中長期トリガーポイントと目標値
上値:現物終値で9029.76を上回り、9100以上で引けると→上値目標値:11400、11700
下値:現物終値で7162.90を下回り、7000以下で引けると→下値目標値:6200、5700



ドル・円テクニカル分析(10月28日)

2008-10-28 23:33:07 | ドル・円テクニカル分析
10月28日 東京市場終値(17時):94.54/56   安値92.60 高値96.17

ドル反発。一旦のリバウンドステージ。P&Fチャート上では急落後の小さなリバウンドによって、下値を試すメジャードムーブの形状。92.80を下回ると更なる下値拡大リスク。下値目標値は91.00、85.00、83.00.介入を意識しながら、当面は安値圏で保ち合いレンジ形成でエネルギーを溜める展開か。

 ドル円相場は9月16日に、9月5日終値の106.49を下回り、売りシグナルが点灯。下値目標値の103.40に対して、ザラ場で103.54、終値で103.73まで下落。その後16日103.73→19日107.24→26日105.35→29日106.15と推移。そして9月30日は104.76で引け、26日終値の105.35を下回ったことからドル売りシグナルが点灯。終値で105.20以上を回復しない限り、ドル売りバイアスは継続し、下値目標値を102.20と計測していた。その後、ドルは10月8日に終値で100.12まで下落。その後、9日101.17に反発後→99.17→14日102.47→16日100.41→20日102.24と推移。ドル下落後の保ち合いであったが、22日終値で99.30で引け、100.41を下回ったことから売りシグナルが点灯。東京市場終値で99.80以上を回復しない限り、ドルの下落バイアスは継続し、下値目標値は第一目標値98.00、第二目標値96.20と計測していた。
また、前回までのコメントでは、103円台は従来から指摘しているドルの防衛ライン。103円を突破しなければ大きなドル安はないものの、下抜けた場合は101円前後、そして3月17日終値の97.38やザラ場安値の95.78に対する二番底を意識する展開とみていた。ドルはこの103円台を明確に下抜けしたことから、下値リスクが増大。10月10日の99.17で引けたあと、102.24まで反発したが、103円台に届かずに押し戻されたのも一旦破られたサポートゾーンが今度はレジスタンスゾーンとして効いてきている状態と考えていた。
さらに日経平均は急落後、反発したが、下値切り上げ、上値切り下げの三角保ち合いレンジを形成。エネルギーを溜める展開となっていたが、下に抜けるようなことがあれば、7000円割れを意識する展開と予測。その場合は、クロス円主導でドル円も下落すると予測。96.20は3月の95.78に近く、それを割り込めば、92円台やさらに83円台という恐ろしい垂直計算が成り立つ(124.07-97.38=83.65)と指摘していた。
 その後相場は、23日98.69、24日95.16で引けたが、24日はザラ場90.93まで急落。その後は下値で揉み合い、27日は92.97、本日28日は94.55で引けている。
 今後の展開として、ドルが戻りを拡大しても、現段階では102.40以上で引けなければ、シグナルは点灯しないが、その場合の上値目標値は105.20と計測している。
一方、ドルが反落して92.97に対する下抜けを試すべく二番底形成プロセスに入る場合、92.97を下回り、92.80以下で引ける場合は下値目標値として、第一目標値91.00、第二目標値85.00、そして下値拡大の場合83.00を第三目標値として計測している。
本日の東京市場終値ベースでのボリンジャーバンドの中心値は100.26近辺。上下の2σはそれぞれ107.17と93.35近辺となっている。MACDは依然としてマイナス領域を継続。RSIは31.19となっている。また、パラボリック・システムは円買い/ドル売りシグナルを継続している。
ドルの戻りが抑えられやすいゾーンとしては98円、そして100~102円のゾーンが関門と見ている。ザラ場では小さな三角保ち合いを形成して、一旦、戻りを試すリバウンドステージに入っている。
P&Fチャート上では急落後の小さなリバウンドによって、下値を試すメジャードムーブの形状となっており、本日反発したからといってまだ安心はできない。二番底形成プロセスが待っている。できるだけドルが反発し、戻りの差込幅を大きくしたほうが下値リスクの減少にはよい。当面は安値圏で保ち合いレンジ形成でエネルギーを溜める展開か。
日本の財務省主導でG7が声明を発表したが、強調介入の可能性は低いと見る市場参加者が多い。日本が介入を行う場合は単独介入の可能性が高く、今回の声明は事前のお墨付きを得たものと考えられる。8日の6カ国強調利下げに日本は加わらなかったが、景気低迷と円高対応にすぐ利下げをするのではなく、FRB同様、超過準備に金利を導入することや、CP買取などの流動性供給の強化に努め、利下げは温存することが考えられる。前回も指摘したようにユーロ圏、英国、カナダ、豪州、ニュージーランド、北欧諸国などでは追加利下げ幅が米国よりも大きいと予想されていることも、ドル円よりもクロス円の下値リスクが大きいことの要因となっていた。本日、クロス円は反発したが、主要通貨の対ドルでの戻りが引き続き鈍いこともドル高と円高がすぐに終わりにくい要因である。

相場の木: 短期トリガーポイントと目標値
上値:終値で102.24を上回り、102.40以上で引けると→:上値目標値105.20
下値:終値で92.97を下回り、92.80以下で引けると→:下値目標値91.00、85.00、83.00



日経平均テクニカル分析(10月27日)

2008-10-27 23:21:03 | 日経平均テクニカル分析
10月27日終値:先物12月限7160、現物:7162.90

24日に7649.08で引け、16日終値8458.45を下回り、売りシグナル点灯。終値で7500以上を回復しない限り、下値を試すバイアスは継続。下値目標値は6800、5700.

 日経平均の中長期的な相場の森を日経平均現物で見ると、相場は9月30日に11259.86で引け、11489.30を下回ったことから売りシグナルが点灯。10月10日には8276.43まで暴落した。その後、14日、15日と戻りを見せ、9547.47までリバウンドしたが、16日は再度急落。8458.45まで下落し、10日の8276.43を下抜けするかどうか早くも二番底確認ステージに移っている状態であった。前回の記事では、仮に切り返して、一旦の底抜けを回避しても、下値切り上げ形の保ち合いレンジとなった場合は経験則的に再度下値を試す可能性が高く、まだまだ、厳しい相場展開が続くと予測していた。
その後、相場は16日8458.45→21日9306.25と下値切り上げ、上値切り下げの三角保ち合いレンジを形成。そして、24日に7649.08で引け、16日の8458.45を下回ったことから、売りシグナルが点灯。下値目標値を第一目標値6800、第二目標値を5700と計測する。
 一方、相場が7500以上で引け、切り返して9306.25を上回り、9400以上で引ける場合は、上値目標値を11100と計測している。
 また、短期的な相場の木を日経平均先物中心限月で見ると、相場は10月16日終値の8250から21日には9240まで反発したが、その後はまたもや下値を探り、24日には7620と16日の8250を下回ったことから売りシグナルが点灯。第一目標値の7960をすっ飛ばし、第二目標値の6860に向けて下値を拡大中である。
一方、相場が切り返して9240を上回ると上値目標値として第一目標値9600、第二目標値9720を計測している。
相場の下値テストも7000割れで一旦の達成感が出ると予測しているが、それは現物終値で9500以上を回復した場合である。ココをクリアできなければ、下値を試す基調に変化はなく、6800どころか5700を試す可能性も排除しきれない状態と考えている。相場は直近の三角保ち合いレンジを下抜けしたことによる下値テストとなっているが、相場が若いだけに追加の景気、株価対策が出ないとまだ下値を拡大する余地は大きいと考えられる。
1987年10月のブラックマンデー時、19日のNYの508.00安(-22.6%の1738.74)を受けた20日の日経平均は3836.48安の21910.08で引けたが、この日、当時日経平均先物があったシンガポールSIMEXでは5000円台が約定した。これを買った参加者は大儲けをしたが、21年前の先物市場が既に日経平均の未来を予測していたのかもしれない。先物だからであろうか・・・。

相場の森: 中長期トリガーポイントと目標値
上値:現物終値で9306.25を上回り、9400以上で引けると→上値目標値:11100、
下値:現物終値で8458.45を下回り、8300以下で引け、売りシグナル→下値目標値:6800、5700

10月27日終値:先物9月限7160、現物:7162.90

相場の木: 短期トリガーポイントと目標値
上値:先物終値で9240を上回ると→:9600、9720
下値:先物終値で8250を下回り、売りシグナル→:7960、6860


ドル・円テクニカル分析(10月22日)

2008-10-22 23:25:15 | ドル・円テクニカル分析
10月22日 東京市場終値(17時):99.29/31   安値98.88 高値100.56

ドル続落。99.30で引け、100.41を下回り、ドル売りシグナル点灯。東京市場終値で99.80以上を回復しなければ、ドル売り圧力は継続。クロス円下落主導の円高・ドル安であり、ドル円単体では他のクロス円よりも円高圧力はマイルド。下値目標値は第一目標値98.00、第二目標値96.20。10月7日に102.71で引け、従来から指摘してきたドルの防衛ラインである103円台を明確に下抜けしたことからドルの下値を試すバイアスは継続。95.78に対する二番底形成プロセスに。

 ドル円相場は8月6日に108.33で引け、7月31日終値の108.13を上回ったことからドル買いシグナルが点灯。第一上値目標値の109.80に対して、109.88まで上昇。12日は終値で109.90まで上昇した。13日に108.77まで下落したが、15日には110.34まで上昇となった。しかし、その後はジグザグを伴いながらドルは下落トレンド入り。第二目標値の111.60には届かず、15日の110.66で失速。終値で見ると、110.34→108.96→109.97→107.72→108.91→106.49→108.79と推移。そして9月16日に、9月5日終値の106.49を下回り、売りシグナルが点灯。下値目標値の103.40に対して、ザラ場で103.54、終値で103.73まで下落。その後16日103.73→19日107.24→26日105.35→29日106.15と推移。そして9月30日は104.76で引け、26日終値の105.35を下回ったことからドル売りシグナルが点灯。終値で105.20以上を回復しない限り、ドル売りバイアスは継続し、下値目標値を102.20と計測していた。その後、ドルは10月8日に終値で100.12まで下落。その後、9日101.17に反発後→99.17→14日102.47→16日100.41→20日102.24と推移。ドル下落後の保ち合いであったが、本日22日終値で99.30で引け、100.41を下回ったことから売りシグナルが点灯。東京市場終値で99.80以上を回復しない限り、ドルの下落バイアスは継続し、下値目標値は第一目標値98.00、第二目標値96.20と計測している。
一方、ドルが反発し、102.40以上で引ければ、上値目標値を105.20と計測している。
ここ数日、落ち着きを見せたかに見えた金融市場が再び動揺している。米国株式の下落を背景にまたもやリスク回避姿勢が強まりつつある。ドルは対高金利通貨を中心にリパトリのドルの買い戻しから上昇。クロス円の大幅下落からドル円も下方圧力がかかり、円が対主要通貨で全面高となっている。ドル高の結果としての円高である。ちなみにユーロドルは1.3000を割り込み、1.2866、ユーロ円は130円を割り込み、127.76で引けている。また、ポンド円は161.68となり、これは8月26日のユーロ円の終値161.49とほぼ同じ水準であり、長期間相場を見ていないと何の通貨だか分からなくなりそうである。
米国では10月29日と12月にそれぞれ0.25%の利下げ、あるいは10月10月29日に一気に0.5%の利下げがあり、FFレートは1.00%でとりあえず利下げ打ち止め感が出るというのがコンセンサスになっている。一方、ユーロ圏や英国、カナダ、豪州、ニュージーランド、北欧諸国などでは追加利下げ幅が米国よりも大きいと予想されていることも、ドル円よりもクロス円の下値リスクが大きいことの要因になっている。
日経平均は急落後、反発したが、下値切り上げ、上値切り下げの三角保ち合いレンジを形成。エネルギーを溜める展開となっているが、下に抜けるようなことがあれば、7000円割れを意識する展開となるだろう。その場合は、クロス円主導でドル円も下落するだろう。96.20は3月の95.78に近く、それを割り込めば、92円台やさらに83円台という恐ろしい垂直計算が成り立つ(124.07-97.38=83.65)。これだけは避けたいものである。各国の協調ドル買い介入に頼るしかないのであろうか。
103円台は従来から指摘しているドルの防衛ライン。103円を突破しなければ大きなドル安はないものの、下抜けた場合は101円前後、そして3月17日終値の97.38やザラ場安値の95.78に対する二番底を意識する展開とみていた。ドルはこの103円台を明確に下抜けしたことから、下値リスクが増大している。10月10日の99.17で引けたあと、102.24まで反発したが、103円台に届かずに押し戻されたのも一旦破られたサポートゾーンが今度はレジスタンスゾーンとして効いてきている状態と考えられる。

相場の木: 短期トリガーポイントと目標値
上値:終値で102.24を上回り、102.40以上で引けると→:上値目標値105.20
下値:終値で100.41を下回り、ドル売りシグナル→:下値目標値98.00、96.20


日経平均テクニカル分析(10月16日)

2008-10-16 23:28:57 | 日経平均テクニカル分析
10月16日終値:先物12月限8250、現物:8458.45

相場の習性。10日終値8276.43を下抜けするかどうか二番底確認プロセス。相場の森では上下のトリガーポイントは9600と8100で上下の目標値は10700と7400および5700

 日経平均の中長期的な相場の森を日経平均現物で見ると、相場は8月22日12666.04→29日13072.87→9月5日12212.23→8日12624.46とジグザグしながらの下落トレンドを形成。そして、9月5日の12212.23を11日に12102.50で引けたことで売りシグナルが点灯。ジグザグしながらの下落トレンドによる新たな下値目標値の11400に対し、11489.30まで下落した。これにより、従来の下値目標値であった11500とも併せて考えると、一旦の下値確認となる水準まで下落したことになるが、相場はその後、3連騰し、24日の12115.03まで回復してきた。そして25日、26日と続落し、11893.16まで反落したが、終値で11800を下回らなければ、9月8日の12624.46の上抜けを目指す展開と予測していた。ただし、終値で11800を下回る場合は9月18日の11489.30に対する二番底確認ステージに入ることになり、依然として下値固めの段階継続か、更なる下値模索のステージに繋がるリスクを内包し、そして11489.30を下回る場合は次の下値目標値は10500と計測していた。
 相場は9月30日に11259.86で引け、11489.30を下回ったことから売りシグナルが点灯。10月10日には8276.43まで暴落した。その後、14日、15日と戻りを見せ、9547.47までリバウンドしたが、本日16日は再度急落。8458.45まで下落し、10日の8276.43を下抜けするかどうか早くも二番底確認ステージに移っている状態である。
 今後の展開として8276.43を下回り、8100以下で引ける場合は、第一下値目標値7400、最大で5700までの下値ポテンシャルが出てくる。一方、二番底の下値を確認し、切り返して9547.47を上回り、9600以上で引ける場合は、上値目標値を10700と計測している。
 相場が大きく上下していることから、相場の木はあまり重要ではない。上下の目標値を認識し、急変した場合のポテンシャルをあらかじめ想定に入れるという意味から、先物の予測は今回見送る。
相場は、相場の習性から二番底形成プロセスに入っており、8276.43の下抜けをするかどうかが目先の最大の焦点であり、相場は正念場を迎えている。本日シティグループを皮切りに米金融機関の決算発表が続くが、内容が悪いようだと下抜けするリスクが考えられる。米当局の追加的な対策が出ないようだと米国株価はさらに下値を試すリスクがある。また、仮に切り返して、一旦の底抜けを回避しても、下値切り上げ形の保ち合いレンジとなった場合は経験則的に再度下値を試す可能性が高く、まだまだ、厳しい相場展開が続きそうである。

相場の森: 中長期トリガーポイントと目標値
上値:現物終値で9547.47を上回り、9600以上で引けると→上値目標値:10700
下値:現物終値で8276.43を下回り、8100以下で引けると→下値目標値:7400、5700



六カ国欧米中銀が協調利下げ

2008-10-09 23:43:41 | 世界の政策金利
FRB、ECB、イングランド銀行、スイス中銀、カナダ中銀、スウェーデン中銀の六カ国中銀は緊急の協調利下げを行った。利下げ幅は、スイスの0.25%を除き、各国とも0.5%の利下げとなった。また、英国は銀行の資本増強、英中銀の特別流動性供給枠の拡大、設定された金融機関の短中期債券発行の36ヶ月の保証などを盛り込んだ包括的救済策を発表した。

金融セクター懸念を背景としたグローバルな株式相場の大幅下落、各国の景気後退局面入りへの懸念に対し、各国中銀は危機対応としてあえて10日のG7前に利下げを断行した。これにはある意味アナウンスメント効果も意図されており、深刻な金融危機・信用収縮に対してまた一つ打開策が加わったことでセンチメントの改善が期待されている。

また、この協調利下げに追随するように中国が0.27%、香港が1%、アラブ首長国連邦が0.5%、クウェートが1.25%の利下げを行った。

これまでの米国の7000億ドルの金融安定化法案、欧州各国の金融システム支援策、そして今回の英国の500億ポンドの公的資金注入策および六カ国協調利下げへと当局の事態打開へ向けた対応が遅まきながら進展してはいる。
各国中銀の協調利下げと強いメッセージは市場の安定に向けてプラス要因と見られるものの、景気後退の本格化が進行する中、金融セクター懸念の払拭には時間がかかるとみられることから、更なる追加的措置が必要と指摘する市場参加者も多い。
さらに、市場の反応も各国当局の期待通りとはならず、今ひとつであった。プラス圏に浮上した8日の欧州株式相場は再度急反落。その後の米国株式相場も続落となった。
外国為替相場も円の全面高となった。ドル円は98.61、ユーロ円は134.17、ポンド円は173.75、カナダ円は89.76、豪ドル円は67.36をつけたあと、海外では63.75まで下落した。
本日9日は株式、外国為替とも反発していたが、日経平均は続落している。

各国政策金利と利下げ幅

米国 1.5%(-0.5%)
カナダ 2.5%(-0.5%)
ユーロ圏 3.75%(-0.5%)
英国 4.5%(-0.5%)
スイス2.5%(-0.25%)
スウェーデン4.25%(-0.5%)


ECBは定例理事会で金融緩和バイアスに転じ、利下げ観測強まる

2008-10-06 23:58:51 | 世界の政策金利
ECBは10月2日の定例理事会で政策金利の据え置き(現行4.25%)を満場一致で決定したが、これまでのタカ派スタンスから大きくハト派に転換し、利下げ観測が急速に高まった。

トリシェ総裁の記者会見では、金融市場の混乱に言及するとともに、それが異常な不確実性を引き起こしていることも繰り返した。また、理事会では利下げについても議論していたことを明らかにし、ECBは状況の悪化の程度に応じて必要ならばいつでも行動する用意があるとも言及した。理事会後の声明文では経済成長の下振れリスクが強調される一方、インフレリスクが幾分下方修正されたため、利下げ観測が急速に高まった。ECBは金融市場の動揺と景気の低迷で物価の上振れリスクが若干弱まったとの認識を示す一方、8%の賃上げを要求しているIGメタル労組の妥結を控え、賃金インフレへの警戒も維持された。
トリシェ総裁は11月の利下げの予告は拒否したものの、金利が現行水準に据え置きとなることも特に示唆しなかった。

市場では物価や賃金の上振れリスクが残っていることから、金融市場の動揺が落ち着けば政策金利はまだ据え置きが続くという見方がある一方、年内に0.5%の利下げが実施されるとの見方も出てきている。利下げ開始については早いもので11月という見方があるが、ECBの経済見通しが改定される12月という予想もある。これまでは2009年の春頃との見方が多かったが、前倒しで利下げが行われるとの見方が優勢となっており、中には12月、2月、4月にそれぞれ0.25%、合計で0.75%の利下げが行われると見る市場関係者もいる。いずれにしろ市場環境次第ではあるが、ECBの次の一手がようやく金融緩和に転じてきたことが明確となった。

金融セクター懸念でドルのファンディングポジションの解消圧力からユーロ安・ドル高基調が続いているところにECBが金融緩和バイアスに転じたことからユーロの売り圧力が強まり、ユーロ・ドルは1.3748ドルに急落。ユーロ円も145円を割り込んだ。また、債券市場では利下げを織り込む形で相場上昇。2年債券3.295%(-0.147%)、5年債券3.614%(-0.126%)、10年債券3.932%(-0.079%)、30年債権4.435%(-0.089%)と堅調な展開(金利低下)となった。