ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

道路特定財源ミュージカル

2008-02-23 10:48:27 | アーツマネジメント
22日の朝日新聞の「もっと知りたい!」という解説記事欄に、「特定財源ミュージカル」という記事が載っていた。
道路特定財源でミュージカルが製作上演されていた、という内容である。

同記事によれば、国土交通省の中部・近畿両地方整備局が、2001年頃、道路整備の啓発活動「未知普請」を開始。舞台はその一環だったという。

上演したのは、劇団「ふるさとキャラバン」、ミュージカルのタイトルが「みちぶしん」。上演回数は95回。総額5億7千万円が支出され、入場料は無料だったととのこと。

同記事の見出しは、「ツルハシ手に『道路造れ』合唱」とある。

道路特定財源については、一般財源化を求める民主党などの野党と特定財源維持を主張する与党が対立している。
これまでも道路特定財源からマッサージチェア、カラオケセット、あるいは、最近までスポーツ用具の購入など不適切な支出があったと報じられていた。

この件では、冬柴国土交通相が国会で今後このような不適切な支出とともに、ミュージカルの上演を「やめる」と言って「注目を集めた」と記事にはある。

いろいろな意味で面白い記事ではあるが、私はこの話題についてはこの記事を読んで初めて知った。本当に世間的に「注目を集めた」、のだろうか。

ここからは少し別の話になるが、国土交通省がこのような体たらくだと、啓発活動のネーミングが「未知普請」というものだけに、これもほとんどギャグのように響いてしまう。

誤解されては困るが、私が言いたいのは、そういう「ふざけた」ネーミングそのものがけしからん、ということではなく、まったく逆のことである。

たとえば、「道路建設啓発事業」など、いかにも役所風の、通り一遍の機能説明の用語を使うよりも、何かしらの工夫をしようとしてネーミングにひねりを加えてみるということは、基本的によいことだと私は思っている。(もちろん、個別の出来不出来はあるだろう。「未知普請」はあまり感心したものではないと思うが。)

ただし、その場合に、そういうネーミングをすることとは関係なく、やらなくてもよい大きなヘマとか不心得をやってしまうと、「ああいうふざけたことを考えることが悪い」というように、言葉の使い方についての(あるいは精神の闊達さに対する)抑圧を誘発してしまうことになり、そのことがよくない、と私は思う。

で、困ったことに、役所の中で少し変わったことをやろうとする「ふざけた」思考を持つ人たちは、どうも完璧な仕事をしてくれないことの方が多いように思うのだ(これは、一連の報道によってそういう印象を持ってしまう、ということであって、特に根拠はない)。

役所内で「変なヤツら」であってもそれはそれで構わないのだが、そうだとしても、いい加減なヤツらであってもらっては困るのだ。仕事の中身だけは人並み以上にまともに取り組んでほしいし、洒落っ気も、真剣にやってほしいのである。そうでないと、自由闊達な精神を持っている(かも知れない)職員が浮かばれない。

だが、誰も彼も、洒落っ気=いい加減という図式を作ってしまいそうに思えるところが役所の役所たる所以だろうか。

これに比べれば、民間企業の方は、ネーミングのセンスもそれを生かす努力もてきめんに消費者によって評価されるので、これはどうしたって民間企業の方に分があることは間違いなさそうである。

それにしても、ミュージカル「みちぶしん」というネーミングは娯楽としても奇態である。ふつうの感覚なら、(役所でもないのに)劇団がわざわざこんな名前を発想するだろうか。

作品内容自体は、「プロジェクトX」的な価値観でつくったのかも知れないが(他にはちょっと考えられないので)、いかにも時代錯誤にしか響かない。

実際の舞台を観たわけではないのだが、このミュージカルそのものが奇怪である、と言わざるを得ない、と私は思う。







ジャンル:
文化
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ラウンドテーブル「創造都市... | トップ | 日本三大かずよし »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。