goo

家路の嵐

きゅうに嵐になって
ためらいもなく路をかえた
灰色の谷間の夜はなんども光った
過去の壁にとどろく自然界の音域があり
(きみの顔も瞳も声も全身も
 何度も現れては消えた)
エレベーターがとまる予感がした
ほんとうにとまった
まっくらになって
鏡に映ったものは十五歳の顔
ほんとうは十五歳からの独りの思い
おびえているような やさしいような
うつむいて スマートフォンを手にして
歳をとってしまった顔の一隅が映っている
まるでまだ幼子のような
現在の愛しさがあった
外は嵐 過去の嵐
鏡の中の十五歳の独りは
じぶんと共に 家へと帰るのだ

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 六月の砦 時間の筋 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。