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何語

その体 その時間
その人生に
触れてごらんなさい
(イヤ 触レテハイケナイ)
触れることもできない
愚かさがあり
ぬけられない日本語があり
はじめられない15歳がいる
ささやかな幸運の
満月を見上げて
その まんま かと
ひとり日本語が泣いた
パリの街でカーチェイスがはじまり
セーヌ河の橋で追いつめられて
ひとりの罪人は落ちた
それはフランス語で
(イヤ ソコハ日本語デ)
そしてロンドンの街で
(イヤ モウイイダロウ)
触れてはいけない
きみの体 きみの時間
きみの人生に
秋の夜の 秋の世の 過ぎる山影
きみがいる 時間の影があり
ひとり日本語が泣いた
カレーうどんを啜りながら
神さま と口にして
どうにか抜けようと考えている
ひとり日本語で
(何語ノ神サマナンダ)
神さまに何語だなんて
何語 何者 何事もなく
(イヤ 常ニ事ハ起コリ続ケルカラ)
戦後からの公園の草叢の中から
黒猫がふり向いて視ている事とか
それでも 事と事の間には
きみのこと がある
きみは いちどの満月
やっぱり寂しくて 美しくて
ひとり何語かの心が泣いていた

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