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空席

旅をしているわけではない
向かいの席に誰かが座っている
わけではない
それでも見知らぬものはいる
それが魂とかとでも呼べたなら
聖書の文字にも
緑が繁茂してくるかもしれない
『弦楽四重奏を聴く喜び』は
たまたま選んだこと
いま 「神さま」 と の
声は 心は この何かは
どのへんの奥ぐらい
どれぐらいの世界の嘘になるのだろう
いま視えること
いま聴こえること
ほんとうに発したのか
昨日、今日、明日と
予定されていたことは あったのか
向かいの空席に
応えのない魂が座っている
声のない時間の魂が
ぼくの呼吸を押している
「神さま」と呼びかけて答えのない
唯物と単独のあいだで
空席の旅をしている
向かいの座席に きみは
沈黙の瞳で そして笑顔を傾けて
初夏の画におさまっている

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