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ひとりの音

失われたひとが
何十年も棲み続ける
にんげんのからだ
臨終にもいるのかもしれない
きみは何も知らないのに
失われたままで
視えるかもしれない
声をあげてしまうかもしれない
また夏がくる
音楽 テレビ ひこうき
いま体感している腕の温度
霧島の水
どうしようか
と なんどもくりかえしてきた
物語がはじまれば
まだすくわれるかもしれない
(すくわれる だなんて)
きみの脳内 きみの内臓 きみの現在
しきりににんげんを感じようとしている
しきりにこころを感じようとしている
ぼくのからだの外に こころの外に
ふくらむ情報社会はうるさい
半世紀前のくらやみ
半世紀後のからっぽ
とおくちかく音が聴こえる
にんげんが暮らしている音だ
きみの内臓の音を聴く
失われたひとりの音を聴いている

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