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言葉の亀

ドコイコウ と庭の主人は言った
ドコイクノ と庭の彼女は応えるしかなかった
庭の池に青空と雲が映えている
亀の首が 眼が(これが亀の顔か)
ぼくらの足下に現れてきて
なにかをしきりに喋ろうとしている
ぴちゃっと 青が 白が 光が 闇が
なにか透明なようなものが
庭の彼女は 此処に 指をさして
彼ラノ言葉ノムコウヘイコウ と言った
亀ノ言葉ノムコウカ? と庭の主人は考えた
ソコニモ神ノ絶対愛ハアルカ? と言うと
庭の彼女は虚をつかれた顔をみせた
ドウシテソンナコト訊クノ?
亀ノ言葉ニシタッテ
チャントケリヲツケテヤラナイト
ヒトツノスクイノナイ闇ガ残ルダロウ
(答エハナイ ナルヨウニナレ)
さて ドコイコウ と庭の主人はくりかえした
また昔の夏の夜になっていた
庭の彼女はさみしくなってきた
星空が帰ろうとして 涙がこぼれてきた
庭の主人は彼女の心すら読めなくて
満天ノ星空ガ視タイナ
アキルホド星空ヲ視ツヅケタイ
星ニ神ノ言葉ガ聴コエルノカ
確カメテミタイナ
などと 愚かな夢を口にしていた
(ソンナモノハナインダ)
庭の彼女は いつのまにか
視えない星空の下から消えた
さあ ドコイコウ と
庭の主人はひとりぼっちになった
庭の亀が星空の池の中から
ぴちゃっとゆがんだ
ヒトリボッチニハナレナイヨ と庭の亀は言った
(タダノ言葉ニナレバイイ
 沈黙ノ 面白サノ)
おい ドコイコウ
と庭の主人は覚悟をきめたか(ドウナノカ)

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