佐藤さえ の 本棚

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新潟少女監禁事件―空白の九年二カ月

2008-05-10 17:43:17 | その他
新潟少女監禁事件―空白の九年二カ月
毎日新聞新潟支局著




毛布の中に女性がいた。, 2008/5/10 ☆☆☆☆



 新潟県警への保健所の職員の通報から、9年前に誘拐された小学生が発見された事がわかります。
 9年間どのようにして、生活していたのか。
 なぜ、監禁生活が可能だったのか。
 そして、発見時についての報道が二転三転した理由は。

 監禁された少女や犯人についての内容より、警察の不祥事について書かれた部分が多い本でした。
 新聞報道を掘り下げて、客観的に書かれているので簡潔で読みやすい文章の本です。

新潟少女監禁事件―空白の九年二カ月

以下個人的な感想です
お話の重要な部分がわかる記述がありますので、未読の方はご遠慮ください。

これは、図書館で借りた本です。

事件の最初の報道から変な報道だったのを覚えています。
保健所の職員と、警察がいっしょに乗り込んで確認した
といった報道だったのに
病院に行ってから警察官が確認した
と報道が変わって
最後、
「実は保健所の職員が確認しただけで、警察官はやってきてくれなかった。」
と。
 そのあとは新潟県警の不祥事として報道されるようになったのでした。
 その経緯が詳しく書いてあり、ああ、なるほど、そういうふうだったんだと読みました。

 でもこのタイトルと副題なので、
 「少女の空白の9年二ヶ月に何があったのかを書いてある本」
と期待して借りたのです。

 なのに、半分以上がこの警察の不祥事について詳しく書かれているページなので肩透かしを食った気分でした。

 少女や犯人についてもモチロン書かれているんですが、
 本を製作した側は
「ウソの発表をした県警が許せない」という気持ちでいっぱいだったんでしょう、そちらの方ページに熱がこもっているのでした。

 心理的な理由や家族関係については踏み込まれては居ません。
 それでも事件発見当時の報道よりも、詳しく客観的なので、読み応えがあります。


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