容疑者Xの献身
東野 圭吾 (著)
弁当の注文以外のことを話そうと思うのだが、話題が何ひとつ思い浮かばない。, 2008/8/29 ☆☆☆☆☆
娘と二人暮らしの花岡靖子は、離婚した夫に暴力をうけたため抵抗し、はずみで夫を殺害してしまう。
アパートの隣に住む数学教師石神が気がつき、この親子が『殺人犯』とならないように綿密な計画を立て実行する。
この物語の探偵役「若き天才物理学者」湯川学は
大学で同期の石神を「数学の天才」として認めていました。
お互いに尊敬しあっていた二人が、問題をつくる立場と解く立場に分かれました。
『「シュミレーションを得意とする」石神の仕掛けを「観察を得意とする」湯川が解く』
という推理の過程の他に、
『アパートで隣り合っただけの親子を自分を犠牲にしてまで助けようとする石神の心の動き。
ほとんど知らない人物にかばわれていることに動揺する花岡靖子。
事件を捜査しながら、方向が間違っているような気がしている草薙刑事。
「天才として強く親しみを感じていた同期の石神」のしていることに気がついて悲しむ湯川。』
といった人物達の心理の描写も巧みで、夢中になって読みました。
とても、面白かったです。
あまり面白かったので、徹夜してしまいました。
容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) (文庫)
東野 圭吾 (著)
以下個人的な感想です
お話の重要な部分がわかる記述がありますので、未読の方はご遠慮ください。
面白かったんです。
で、夜中の12時から2時半まで読んでしまって、そのあと、感想を考えて眠れないで徹夜しちゃった。
数学の天才、教師石神の「ひととなり」が気になって読みすすんじゃったんです。
佐門栄作(巨人の星)みたいな外観の数学の天才、柔道が得意で、女性とどう話したらいいか分からない話ベタ。
ホームレスが住む川原を歩きながら人物の観察をし、
弁当屋で「弁当の注文以外のことを話そうと思うのだが、話題が何ひとつ思い浮かばない。」というモノローグで「まるで中学生みたいな心理」を見せ、
殺人現場に乗り込んで手助けを申し出て、「冷静で沈着な」ところを見せ、
天才物理学者湯川に「天才」と言わしめています。
どうやら、「同期の湯川にとっては好人物」
でも、石神が好意をよせている花岡靖子には「これから自分達親子が支配されるかもしれない不気味な人物」と見えています。
「学校の生徒達を可愛いいとおもっている」様子が仄見えるので「イイヒト」らしいことは推測できます。
「花岡靖子の気持ちが変ることがあるといいな、そんな行動を石神ができるといいな」と
応援しながら読むのですが、
話が進むにしたがって石神先生はますます「不気味」な度合いを増していくばかり。
しまいには「ストーカーをしていた」とか自白するしまつ。
ラストでは花岡靖子に感謝はされるんですが、天才のシュミレーションどおりにはコトは進みませんでした。
藤原伊織の書く人物みたいな「天才」を想像していたんですが、考えてみたら『藤原伊織』の書く人物は相手の気持ちを推測して行動することが多いんですが、この小説の主人公石神先生は「相手の気持ちはおもんぱかって」ってすごく苦手なんです。 行動パターンは推し量れるのに。
「天才なら、人間の心理パターンのシュミレーションもちゃんとしておいたらいいのに。」
と思わずにはいられませんでした。
『「目がきれいな親子」が、
他人に罪をかぶせて「自分達だけ幸福に暮らしていく」なんてできない』ぐらい
天才じゃなくても推測できるじゃないですか。
そこのお粗末さが、なんとも残念な人物です。
『技師』とあだなを付けた人物を殺害したこと自体が「自分を殺す」ことの代償行為として透けてみえます。
『自分の持っている能力を活用できずにいる自分(自殺しようとした自分)』が『技師』に重なっていると感じるのです。
だからこそ石神はなんの関係もない彼を殺すことが出来たのであって、
「親子を守るためだけ」ではないだろうと感じました。
花岡親子を守るために関係ない人物を殺す。……これは献身ではないでしょう。
「自分にイイワケできる『殺す理由』が出来たので、殺した。」
冒頭にでてくる「河川敷に住む人々に対する石神の視線」が好意的なものでないために、そんなふうに感じてしまうのです。
(冒頭を読んだ時点で「河川敷住人は殺されそうだな」と感じたんですよ。)
ドラマは見たことが無いのです。
なので湯川先生は作者がモデルにした佐野史郎をあてはめて画面を想像して楽しみました。
石神先生は、私が高校のときの数学の先生と、大学のときの同級生を思い浮かべてしまい笑っちゃいました。
二人とも丸刈りで目が線なんですよ。
(大学の同級生のK君は柔道部だったので耳がギョウザみたいだったし。
そういえば、二人とも女性苦手だったらしいし。 あ、私は二人とも好人物ですきでしたよ。)
あらら、本当、私事に走ってしまいました。
面白いです、面白いけど、切ないです。
とくに花岡さんにとってはありがためいわくなお話になっていて
とっても気の毒です。
(女性からみたら、石神先生の行動は魅力を感じないです。)
死体のすり替えのトリックは想像ついたのですが、
お話の運び方がスムーズで巧みなので、
最後まで面白く夢中になって読みました。
東野 圭吾 (著)
弁当の注文以外のことを話そうと思うのだが、話題が何ひとつ思い浮かばない。, 2008/8/29 ☆☆☆☆☆
娘と二人暮らしの花岡靖子は、離婚した夫に暴力をうけたため抵抗し、はずみで夫を殺害してしまう。
アパートの隣に住む数学教師石神が気がつき、この親子が『殺人犯』とならないように綿密な計画を立て実行する。
この物語の探偵役「若き天才物理学者」湯川学は
大学で同期の石神を「数学の天才」として認めていました。
お互いに尊敬しあっていた二人が、問題をつくる立場と解く立場に分かれました。
『「シュミレーションを得意とする」石神の仕掛けを「観察を得意とする」湯川が解く』
という推理の過程の他に、
『アパートで隣り合っただけの親子を自分を犠牲にしてまで助けようとする石神の心の動き。
ほとんど知らない人物にかばわれていることに動揺する花岡靖子。
事件を捜査しながら、方向が間違っているような気がしている草薙刑事。
「天才として強く親しみを感じていた同期の石神」のしていることに気がついて悲しむ湯川。』
といった人物達の心理の描写も巧みで、夢中になって読みました。
とても、面白かったです。
あまり面白かったので、徹夜してしまいました。
容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) (文庫)
東野 圭吾 (著)
以下個人的な感想です
お話の重要な部分がわかる記述がありますので、未読の方はご遠慮ください。
面白かったんです。
で、夜中の12時から2時半まで読んでしまって、そのあと、感想を考えて眠れないで徹夜しちゃった。
数学の天才、教師石神の「ひととなり」が気になって読みすすんじゃったんです。
佐門栄作(巨人の星)みたいな外観の数学の天才、柔道が得意で、女性とどう話したらいいか分からない話ベタ。
ホームレスが住む川原を歩きながら人物の観察をし、
弁当屋で「弁当の注文以外のことを話そうと思うのだが、話題が何ひとつ思い浮かばない。」というモノローグで「まるで中学生みたいな心理」を見せ、
殺人現場に乗り込んで手助けを申し出て、「冷静で沈着な」ところを見せ、
天才物理学者湯川に「天才」と言わしめています。
どうやら、「同期の湯川にとっては好人物」
でも、石神が好意をよせている花岡靖子には「これから自分達親子が支配されるかもしれない不気味な人物」と見えています。
「学校の生徒達を可愛いいとおもっている」様子が仄見えるので「イイヒト」らしいことは推測できます。
「花岡靖子の気持ちが変ることがあるといいな、そんな行動を石神ができるといいな」と
応援しながら読むのですが、
話が進むにしたがって石神先生はますます「不気味」な度合いを増していくばかり。
しまいには「ストーカーをしていた」とか自白するしまつ。
ラストでは花岡靖子に感謝はされるんですが、天才のシュミレーションどおりにはコトは進みませんでした。
藤原伊織の書く人物みたいな「天才」を想像していたんですが、考えてみたら『藤原伊織』の書く人物は相手の気持ちを推測して行動することが多いんですが、この小説の主人公石神先生は「相手の気持ちはおもんぱかって」ってすごく苦手なんです。 行動パターンは推し量れるのに。
「天才なら、人間の心理パターンのシュミレーションもちゃんとしておいたらいいのに。」
と思わずにはいられませんでした。
『「目がきれいな親子」が、
他人に罪をかぶせて「自分達だけ幸福に暮らしていく」なんてできない』ぐらい
天才じゃなくても推測できるじゃないですか。
そこのお粗末さが、なんとも残念な人物です。
『技師』とあだなを付けた人物を殺害したこと自体が「自分を殺す」ことの代償行為として透けてみえます。
『自分の持っている能力を活用できずにいる自分(自殺しようとした自分)』が『技師』に重なっていると感じるのです。
だからこそ石神はなんの関係もない彼を殺すことが出来たのであって、
「親子を守るためだけ」ではないだろうと感じました。
花岡親子を守るために関係ない人物を殺す。……これは献身ではないでしょう。
「自分にイイワケできる『殺す理由』が出来たので、殺した。」
冒頭にでてくる「河川敷に住む人々に対する石神の視線」が好意的なものでないために、そんなふうに感じてしまうのです。
(冒頭を読んだ時点で「河川敷住人は殺されそうだな」と感じたんですよ。)
ドラマは見たことが無いのです。
なので湯川先生は作者がモデルにした佐野史郎をあてはめて画面を想像して楽しみました。
石神先生は、私が高校のときの数学の先生と、大学のときの同級生を思い浮かべてしまい笑っちゃいました。
二人とも丸刈りで目が線なんですよ。
(大学の同級生のK君は柔道部だったので耳がギョウザみたいだったし。
そういえば、二人とも女性苦手だったらしいし。 あ、私は二人とも好人物ですきでしたよ。)
あらら、本当、私事に走ってしまいました。
面白いです、面白いけど、切ないです。
とくに花岡さんにとってはありがためいわくなお話になっていて
とっても気の毒です。
(女性からみたら、石神先生の行動は魅力を感じないです。)
死体のすり替えのトリックは想像ついたのですが、
お話の運び方がスムーズで巧みなので、
最後まで面白く夢中になって読みました。











この話、全然読む気がなかったんですけれど、さえさんのレビュー聞いて読みたくなっちゃいました。うーん、読ませようという気にさせるのがうま過ぎ^^ まぁ、それだけすごく面白かったんでしょうねぇ。そういうのが行間から滲んできます。
東野 圭吾さんの作風はすっきりして過激なサービスは無いので読みやすいです。
「深い愛」とか「運命の数式」という「帯のあおり」とは別に面白かったです。
本編で数式は運命を担っていないし、(話題にされているのはP≠NP解けても解けなくても運命はかわりません)
石神先生の行動は「深い愛」と別ものでした。