とんびの視点

まとはづれなことばかり

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なぜぼくはPTA会長を引き受けたのか

2017年03月08日 | 雑文
気がついたら3月も1週間以上すぎていた。年度末でいろいろ忙しい。いちばんの原因はPTA絡みの行事だろう。しかしそのPTAとも今月いっぱいでさよならとなる。次男が小学校を卒業するので、僕も同時に会長を卒業というわけだ。

PTAという組織には根本的な課題がある。(戦後の日本社会が自らの姿を直視できないのと同じ構造をしていそうだ。)また、社会の変化に合わせて変えねばならない課題もたくさんある。そういうものを横においておくとすれば、僕としては会長を引き受けたことはとても良かったと思っている。

学校や教育行政や地域などをある程度じかに見れたのは良かった。(子どもたちを見れたのが一番良かったが。)どんなものごとであれ、現場を見なくても意見は言える。でも、現場を見ずに何かを語ると、どうしても批判的なことを口にしてしまいがちだ。(悪い情報の方が伝わりやすい。)じっさいに現場を見れば、さまざまな事情も見えてくる。その中で、事情に耳を傾けつつ、問題点は指摘し、そして落とし所を探す。そういう力が求められてくる。

残念ながらそういう力はほとんど発揮できなかった。何が起こっているのか、現場を見ているので精いっぱいだった。見て、いろいろ考え、なるほどと気付いたころには、終わりが近づいていた感じだ。(僕は、現状を理解するのに時間がかかるし、判断は遅いし、行動はのろのろしている。)どうやら、気付いたことはべつのところで活かすしかないようだ。

そろそろ終わりも近づき、なぜ会長を引き受けたかを書いておこうと思った。たいした役割ではないが、人がPTA会長(どちらかといえば敬遠されている)を引き受けるには何らかの理由がある。ほかの学校の会長たちに話を聞くと、ほとんどの人が「たまたま、声をかけられたから」と答える。(もちろん声をかける方には理由がある。学校行事に積極的に参加しているとか‥)

僕もそうだ。たまたま推薦委員会の目に留まり、それで連絡が来た。いちおう断ったが、他に誰もやり手がいないなら受けようと思っていた。こういう話があったら逃げてはいけない、2年前はどこかでそんな風に思っていた。(いまは違うことを考えている。)

僕にそう思わせた理由は、福島の原発事故だ。東北で大きな地震と津波があり、その後、原発事故が続く。地震と津波は天災だが、原発事故は人災だ。事故後、たくさんの本を読み、学べば学ぶほど、原発事故が人災だと思った。(人災の割には誰も責任をとろうとしない。)また、事故をべつにしても原発が正しい選択肢とは思えなかった。(先の見えない核燃料サイクルや最終処分場の問題など‥)

事故が起こるまで原発についてほとんど知らなかった。同じ程度に日本社会について知らなかった。そのことを自覚した。知らずに事故が起こった。廃炉には少なく見積もっても40年はかかり、費用は10兆円とも20兆円とも言われた。知らなかったから仕方がない。そういう人たちはたくさんいた。でも、子どものことを考えたら、「知らなかった」という事実と「仕方がない」という結論は一致しないと思った。「知らなかった」という事実は「無責任だった」という結論になるのかもしれない。

事故からしばらくたったとき、10歳の長男のことを思った。こいつが50歳になるまで事故の決着はつかないんだ。そしてその費用も負担させることになる。ひどい話だと思った。原発事故当時にある程度の年齢にたっていた大人は、子どもたちから責められても仕方がないと思った。「これ、あなた達のせいじゃないの。なんで、私たちに尻拭いをおしつけるの」と。

ほかの人がどう考えるかはどうでもよい。少なくとも僕は、知らなかった、関係なかったとは言いたくないと思った。自分の興味や関心に使う時間を削っても、少しは社会について知らないとまずいなと思った。それと何かできる機会があれば、とりあえずやってみようと思った。そこにたまたま、PTA会長の打診がきた。まあ、受けるのが自然だと思った。(親鸞ならば「廻向」とか「弥陀の御はからい」というのだろう。)

震災後、日本社会が変わるのではないか、社会がよくなるのではないか、そういう話が巷に広まった時期があった。僕も社会がよくなることを期待していた。でも、気付いたら震災で変わったのは社会じゃなくて自分自身だった。震災がなければ、PTA会長をなんぜったいに引き受けなかったと思う。不思議なものだ。でも、その役割もあとちょっとで終わりだ。きっと終わってからいろいろ考えるのだろう。
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