とんびの視点

まとはづれなことばかり

アメリカファースト、都民ファースト

2017年01月25日 | 時事
ブログ



ついにトランプがアメリカ大統領に就任した。アメリカ国内はもとより、世界中でどたばたしているようだ。日本も例外ではない。何をするにもアメリカとの関係を重視する国なので、この変化が日本に及ぼす影響は計り知れないだろう。

トランプはオバマのような理念的な政治家ではない。基本的にはビジネスマンで、おまけに勝ち負けにこだわる気質だそうだ。すでに自動車産業に対して行っているような厳しい要求を次々と突きつけてくるだろう。

日米関係は強固だとか、日米同盟は不変だ、などと日本では言っている。あたかも対等なパートナーで、日本がアメリカを大切だと思うように、アメリカも日本を大切に思っているかのような響きがある。それは本当なのだろうか。アメリカはシビアに自国の利益を考えて振る舞う。その利益に合致している限り日本を重要視している。それが実際ではないか。

それでもアメリカの利益と日本の利益が同じ方向に存在し、シェアできるだけの利益の量が存在しているならよい。トランプは難しそうだ。「アメリカファースト」である。勝ち負けにこだわる気質のビジネスマンが自らを「ファースト」というとき、取引相手は「セカンド」の利益を手に入れられるだろうか。案外、利益をむしり取る相手に映っているかもしれない。

そもそもこの「アメリカファースト」という言葉がひっかかる。「あなた達をいちばん大切にする」というメッセージっぽいが、そうでもないようだ。ふつう「アメリカファースト」のような言言葉は、アメリカをひとつにまとめるときに使う。しかし、トランプは自分の支持者に向かってその言葉を使った。そして国内を敵味方に分裂させてしまった。対立する相手を、ゲームを成り立たせるためのパートナーというより、叩きつぶすための敵にしてしまった。

それに「ファースト」というのは「セカンド」「サード」などとの相対的な関係を意識させる言葉だ。労働者たちが月に50万円の収入が必要だとする。50万円満額をみんなに与えれば満足するだろう。「ファースト」とか「セカンド」などという必要はない。「ファースト労働者」には25万円、「セカンド労働者」には10万円、「サード労働者」には見せしめに何もやらない。25万円はたしかに「ファースト」だけど、もともと必要な50万円には足らない。それでも「おまえがファースだ」と相対的な優位を感じさせることで、ある程度は人を満足させることが出来る。

気になるのは、トランプ自身も同類である大企業の経営者などの1%の存在だ。今回のトランプ政権の重要ポストには政治家がいないそうだ。経営者や退役軍人などの集まりらしい。共和党支持のFOXニュースなども、経営者が政治家からホワイトハウスを奪い取ったある種の革命のようだと慌てていたそうだ。

さてさて、そんなトランプが大統領である。「アメリカ」という名前は変わらねど、内実はこれまでとは異なるだろう。アメリカに迎合していれば安泰だと思っていた日本の政治、正念場である。

そういえば日本でも「都民ファースト」と言っている人がいる。小池都知事だ。なにやら「都民ファーストの会」という政治団体をもとに地域政党を結成し、都議会の過半数を目指すそうだ。言葉づかいが同じなので、いちおう同じように気をつけておきたい。

まず、「都民ファースト」ということで、都民を分断してしまわないようにすること。次に、「セカンド」「サード」との相対的な優位で「ファースト」を成果としないこと。そして、都民よりべつにもっと大事な人がいる、などとならないようにすること。

ちなみに「都民」という言葉に、多くの人はどんなイメージを持っているのだろう。東京に住んでいる日本人、漠然とそう思っているのではないか。

都民とは、東京都に住所を持つ自然人(いわゆる「人」)と法人のこと。ちなみに国籍は問いません。

つまり小池都知事の言葉をそのまま受け取り、ちょっと冗談めかして論理を追いかければ次のようになる。

東京都内にある法人と、その会社に通っている埼玉県民では、法人がファーストで、社員がセカンド。東京都に住所がある外国人と、東京都に通っている千葉県民では、外国人がファーストで、会社員がセカンド。

なんか「ファースト」とか「セカンド」という言い方、ちょっと嫌な感じだ。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『帰郷』と『亡国記』 | トップ | 共謀罪つきのオリンピックは... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

時事」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL