今さらですが、がんばりましゅゼミは「ことば力」を追求するゼミであります!そんなゼミを担当する先生は4年生の卒業にあたり、心にぐっとくる、そう、4年間このゼミを続けてきて本当によかった!と卒業生に無条件で思わせるようなお祝いとお別れのことばを送るのが当たり前。。。。そうでなければ、「今まで3年間えらそうな顔をして何を教えてきたんだ!」という恥ずかしいことになってしまいますね。で、このたび、その恥ずかしいことになりましたので、ここに謹んでご報告申し上げます。。。。。。
そう。。。。ことばと経済活動の関係を探るゼミを担当している割には、入学式とか卒業式とかそういう節目のときの挨拶がすご~~~~く苦手! 照れて妙にはぐらかしてしまったり、言いたいことがうまく言えなくて寒いギャグに走ったり、わけのわからない思い出話に逃げ込んだり。。。3年間この先生のゼミで勉強してきたことを確実に後悔させる自信だけは。。。あります。というわけで、4年生のみなさん、いよいよご卒業ですね。がんばりましゅゼミはみなさんのお役にはたいして立てなかったかもしれませんが、少なくとも!ことばを通して社会を見る目だけは絶対他の人には負けない力を付けた!と自負(いや妄想)しております!
そうだからと言ってこのまま。。。というわけにも行かず、とりあえずごあいさつをしようと思います。(自信なさげ。。。。)
来る来ると言って騒いでいた21世紀に入ってすでに10年、天文学的な量の情報がいろいろな形で地球上を駆け巡っています。あまりに量が多すぎて、どれがホントなんだか、どれかウソなんだか。。。。たとえホントのことを言っていても、普通の言い方を普通に並べていたのではだれも振り向いてくれないかもしれません。
たとえば。。。。
「民主主義はベストの政治形態だ」などと言ってもあまりに普通すぎて、というか当たり前の言い方過ぎて、主張は正しく、熱意があったとしてもちょっと白々しくてインパクトがありませんね。それを Democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time. = 「民主主義は最悪の政治形態だ。これまで時として試されてきた他のすべての政治形態を除いては」と言ったらどうでしょうか。結局言いたいことは「民主主義が一応今までの中ではベストだ」ということではありますが、その民主主義でもいろいろと欠点があって完全ではないこと、民主主義の歴史的な成立過程や他の政治形態との比較、また何よりも聞き手に「確かにまあそう言えば。。。」とちょっと考えさせてしまう、という点で心に強く訴えるもの=「ことば力」があるように思います。ある政治家の名言ですが。。。
前国連事務総長、コフィ・アナン氏がテレビのドキュメンタリーで言っていたことばは非常に印象深いものでした。彼は(名指しは避けていましたが)ある一部の国の政府の開発途上国援助が約束通りに行われないことを物静かに嘆き、じっとインタビュアーを見つめながらこう言いました。
「約束は、守られたものが約束なのです」
どうでしょうか。彼ほどの実績のある人格者ならば、単に「先進国は約束を必ず守ってください」とか「約束は破ってはいけません」と言っても十分に気持はこちらに伝わってくるとは思いますが、修飾語を何もつけずにただこう言ってじっとこちらを見つめられたときには、何かはっとさせられるものがあり、それ以来わたしにとっては忘れられないことばとなりました。
最近聞いた中でぐっと来たのは、テレビから聞こえてきたこのことば。
「倒れることは失敗ではありません。倒れて起き上がらないことが失敗なのです」
実はわたし、ちょっとかわいくないことを言いますが、「あきらめなければ夢はかなう」という言い回しがあまり好きではありません。困難に打ち勝って何かを成し遂げた人がよく言うセリフで、それはそれで事実であり、もちろんそういう人を尊敬はするのですが、それは夢がかなったほんの一握りの人だけがたまたま言えることで、その後ろには何千万という夢がかなわなかった、つまりはこのセリフを吐けなかった人が世の中にはいるんだ、と思っていました。だからこのセリフってある意味、夢がかなった人が、かなわなかった人(かなわないであろう人)に浴びせる何とも無神経な「あたしはがんばったんだから宣言」のような気がして、なんとなく納得できない気持ちでいたのです。
ですが、夢がかなう、とか成功する、とかそちらの方には言及せずに、失敗するところから立ち上がるところに目線を置いた言い方と、全体の比喩表現、そして一つめの「失敗」と二つめの「失敗」の非常に効果的な使い方に、「ああ、これなら共感できるし理解できるなあ」と思わず(一人で勝手にですが。。。)納得してしまったのでした。
常にこういう表現や物言いをし続けて目立つようにせよ、と言うつもりはありません。でも自分が熱く訴えたいことを訴えるにはやはりそれなりの人を振り向かせる「力」が必要で、わたしたちはそれを何らかの形で養っていく必要があるのではないでしょうか。人生の「ここぞ!」という場面で、魂を揺さぶるような説得力のある、そして同時に自分の熱い思いを熱いまま印象的に伝えることができる表現を使えれば、それはみなさんの大きな力となるはずです。(って自分はできないくせに言ってます。ごめんなさい。)
でも、くさいことを言いますがどうぞ決して忘れないでください。どんなに上手な表現や言い回しができたとしても、話し手に「こころ」がなかったら、それはことば力にはなりません。ことばを発する人に真摯な気持ちと熱意がなければ、それはうわべだけの単なる「ちょっとばかり凝った人の目を引くだけ」の表現に過ぎず、人々や社会を本当に動かすことはできません。「こころ」が伴わず発したことばは決して「ことば力」を持つことはないのです。どうぞみなさんは「こころ」ある「ことば力」で自らの志を実現して行ってください。
というわけで卒業するみなさまに以下のことばを贈ります。
「約束は、守られたものが約束なのです」
「倒れることは失敗ではありません。倒れて起き上がらないことが失敗なのです」
そして最後に、がんばりましゅ先生からみなさまへの「贈ることば」です。お手本になるような上手なものではなくてごめんなさい。でも率直なわたしの気持ちです。
人生を勝ったとか負けたとかで測りたくはありません。でも本当の意味での人生の勝利者を目指すこと。。。それは価値あることだと思っています。
「勝ち負けでない生き方で勝てる人へ。。。」
ご卒業おめでとうございます。お元気で。
そう。。。。ことばと経済活動の関係を探るゼミを担当している割には、入学式とか卒業式とかそういう節目のときの挨拶がすご~~~~く苦手! 照れて妙にはぐらかしてしまったり、言いたいことがうまく言えなくて寒いギャグに走ったり、わけのわからない思い出話に逃げ込んだり。。。3年間この先生のゼミで勉強してきたことを確実に後悔させる自信だけは。。。あります。というわけで、4年生のみなさん、いよいよご卒業ですね。がんばりましゅゼミはみなさんのお役にはたいして立てなかったかもしれませんが、少なくとも!ことばを通して社会を見る目だけは絶対他の人には負けない力を付けた!と自負(いや妄想)しております!
そうだからと言ってこのまま。。。というわけにも行かず、とりあえずごあいさつをしようと思います。(自信なさげ。。。。)
来る来ると言って騒いでいた21世紀に入ってすでに10年、天文学的な量の情報がいろいろな形で地球上を駆け巡っています。あまりに量が多すぎて、どれがホントなんだか、どれかウソなんだか。。。。たとえホントのことを言っていても、普通の言い方を普通に並べていたのではだれも振り向いてくれないかもしれません。
たとえば。。。。
「民主主義はベストの政治形態だ」などと言ってもあまりに普通すぎて、というか当たり前の言い方過ぎて、主張は正しく、熱意があったとしてもちょっと白々しくてインパクトがありませんね。それを Democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time. = 「民主主義は最悪の政治形態だ。これまで時として試されてきた他のすべての政治形態を除いては」と言ったらどうでしょうか。結局言いたいことは「民主主義が一応今までの中ではベストだ」ということではありますが、その民主主義でもいろいろと欠点があって完全ではないこと、民主主義の歴史的な成立過程や他の政治形態との比較、また何よりも聞き手に「確かにまあそう言えば。。。」とちょっと考えさせてしまう、という点で心に強く訴えるもの=「ことば力」があるように思います。ある政治家の名言ですが。。。
前国連事務総長、コフィ・アナン氏がテレビのドキュメンタリーで言っていたことばは非常に印象深いものでした。彼は(名指しは避けていましたが)ある一部の国の政府の開発途上国援助が約束通りに行われないことを物静かに嘆き、じっとインタビュアーを見つめながらこう言いました。
「約束は、守られたものが約束なのです」
どうでしょうか。彼ほどの実績のある人格者ならば、単に「先進国は約束を必ず守ってください」とか「約束は破ってはいけません」と言っても十分に気持はこちらに伝わってくるとは思いますが、修飾語を何もつけずにただこう言ってじっとこちらを見つめられたときには、何かはっとさせられるものがあり、それ以来わたしにとっては忘れられないことばとなりました。
最近聞いた中でぐっと来たのは、テレビから聞こえてきたこのことば。
「倒れることは失敗ではありません。倒れて起き上がらないことが失敗なのです」
実はわたし、ちょっとかわいくないことを言いますが、「あきらめなければ夢はかなう」という言い回しがあまり好きではありません。困難に打ち勝って何かを成し遂げた人がよく言うセリフで、それはそれで事実であり、もちろんそういう人を尊敬はするのですが、それは夢がかなったほんの一握りの人だけがたまたま言えることで、その後ろには何千万という夢がかなわなかった、つまりはこのセリフを吐けなかった人が世の中にはいるんだ、と思っていました。だからこのセリフってある意味、夢がかなった人が、かなわなかった人(かなわないであろう人)に浴びせる何とも無神経な「あたしはがんばったんだから宣言」のような気がして、なんとなく納得できない気持ちでいたのです。
ですが、夢がかなう、とか成功する、とかそちらの方には言及せずに、失敗するところから立ち上がるところに目線を置いた言い方と、全体の比喩表現、そして一つめの「失敗」と二つめの「失敗」の非常に効果的な使い方に、「ああ、これなら共感できるし理解できるなあ」と思わず(一人で勝手にですが。。。)納得してしまったのでした。
常にこういう表現や物言いをし続けて目立つようにせよ、と言うつもりはありません。でも自分が熱く訴えたいことを訴えるにはやはりそれなりの人を振り向かせる「力」が必要で、わたしたちはそれを何らかの形で養っていく必要があるのではないでしょうか。人生の「ここぞ!」という場面で、魂を揺さぶるような説得力のある、そして同時に自分の熱い思いを熱いまま印象的に伝えることができる表現を使えれば、それはみなさんの大きな力となるはずです。(って自分はできないくせに言ってます。ごめんなさい。)
でも、くさいことを言いますがどうぞ決して忘れないでください。どんなに上手な表現や言い回しができたとしても、話し手に「こころ」がなかったら、それはことば力にはなりません。ことばを発する人に真摯な気持ちと熱意がなければ、それはうわべだけの単なる「ちょっとばかり凝った人の目を引くだけ」の表現に過ぎず、人々や社会を本当に動かすことはできません。「こころ」が伴わず発したことばは決して「ことば力」を持つことはないのです。どうぞみなさんは「こころ」ある「ことば力」で自らの志を実現して行ってください。
というわけで卒業するみなさまに以下のことばを贈ります。
「約束は、守られたものが約束なのです」
「倒れることは失敗ではありません。倒れて起き上がらないことが失敗なのです」
そして最後に、がんばりましゅ先生からみなさまへの「贈ることば」です。お手本になるような上手なものではなくてごめんなさい。でも率直なわたしの気持ちです。
人生を勝ったとか負けたとかで測りたくはありません。でも本当の意味での人生の勝利者を目指すこと。。。それは価値あることだと思っています。
「勝ち負けでない生き方で勝てる人へ。。。」
ご卒業おめでとうございます。お元気で。