横隔膜雑録 (横隔膜のたわごと改め)

我思う、故に我あり。
ことばを愛おしみ、己をかたらう。
北海道からのささやかな自己主張。

諦めたくないが難しいこと

2017年03月19日 | gooにコメント
日露の温度差くっきり…北方領土返還に2つの壁「特別な制度」+「プーチン大統領の決断」
昔からの愛読者の皆様だと、ご存知かも知れませんが、
僕の父は樺太、つまりサハリンの旧日本領で生まれ育ちました。

稚内の人々は、その歴史を今でも受け継いでいるから、そんな話をすると「え、どこさ?」と聞いてくる。
どこと答えたら、「ああ、あそこねえ・・・」と、遠い目をして納得するのです。

北方領土も、根室の皆さんからすれば遠い過去のことではない。
4つの島の皆さんが、根室でつながっていた。
(斜里、網走、紋別では、そう言う話はまず出てこない)

政府の中央部でさえ、「北方領土」と今なお言い続けている。
根室エリアの人々ならば、なおさら「日本だった時代」を懐かしむだろう。

「返還」に向けての大きなチャンスは、この44年間にも何度かあった。
しかし、そこには露国の「2島(先行)返還」の意図があまりに強く滲み、実現には至らなかった。

昨年暮の日露首脳会議で「共同経済活動」が提案された。
もちろん露国の強い意向があってのことだ。

稚内、小樽、紋別といった港では、露国人の上陸が当然のこととなっている。
民間レベルでの経済活動は、特別なことではない。

その規模を拡大し、2国の交流をさらに広げようという提案。
それはどちらにとっても、否定する要素は何もない。

問題は「共同」の「経済活動」ということだ。
通貨が違い、流通経済の仕組みも共通項の少ない2国が「共同」で何かをするのは、ただでさえ難しい。

日本に「領土返還」の可能性が見えるから、こんな「経済活動」に本腰入れて取り組むのだ。
国際的に火種を抱える露国に、まともに関わりを持とうという国は、歴史的結びつきがない限り、飛びつきはしないだろう。

痛い尻尾を掴まれた、という意地悪な見方もできる。
それくらい、日本にとって「経済」という観点ではメリットが薄い。

平和条約が、露国にはぜひとも必要なのだ。
決して国力が安定しているわけではない。
安定要素としての「平和条約」は、国防でも国内治安でも必要なのだろう。

しかしながら、やはり難航するわけだ。

日本にとっての「4島返還」が、あまりに大きいのだ。
2島返還、段階を追っての4島返還の「可能性」というのは、日本人の大半には相入れない、そういう民意が大きい。

あと10年もすれば、旧島民はほとんどいなくなってしまう。
高齢化は避けられないし、鬼籍は着実に歩み寄ってくる。

それでも、関係機関のおかげで「北方領土」が忘れられていないということの意味は大きい。
「いつか帰ってくる場所」という感覚は、結果として「国境」を安易に確定させない強さを持っている。

サハリンが戻ってくる、と考える人はほとんどいない。
そしてサハリンを「ロシア固有の地域」として訪れる人は、一定数いるのだ。

北方4島とサハリンの温度差。
ここに21世紀の「領土」問題対応の一つの鍵がある。

争うのではない。
自分たちのルーツであることを確認し、縁のある場所なのだということを、市民が強く思うこと。

「外交」の問題と、簡単に考えてはいけないのだ。
僕らの先祖が、血と汗を流し、人としての生活を営んだ場所。

そういうことをきちんと民間レベルで思い続けること。
「自治」の問題でもあり、「教育」の問題でもある。決して「経済」の視点で語ってはいけない。

その意味で、今回の外交アプローチは、
進展を大きく期待できるものではないのかもしれない。
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