노래 norae

 노래(歌)
 発音は「ノレ」
 英語で song ですね

 かろやかに歌うように
 一日をはじめたい

『シャトーブリアンからの手紙』

2017年07月01日 | 観た映画の感想など



「シャトーブリアンからの手紙」を観た。
監督はあの名作「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ


予想通りずっしりとした重厚感のある映画だった。

第二次世界大戦の最中、ドイツが侵攻したフランスのナントでフランスレジスタンスがドイツ人将校を暗殺した。
ヒトラーからその報復として処刑されたシャトーブリアン郡のショワゼル収容所に収監されていた
共産党系政治犯27人の最後を描いた映画。

まさにヒトラーは一種の見せしめとして罪なき者を処刑しフランス人へ恐怖を植え付けるのだ。



この事件を文学的表現で記録させたドイツ人将校は
「私はヒトラー暗殺を支持するが、軍服への名誉は汚さない。ユダヤ人の子供が連行される姿に心が痛んだ」という。

それを聞いた女性が「あなたはその軍服でどうして子供たちを救わなかったの?」と問いかける。

非常に印象に残ったシーンだった。

また、カソリックの神父が最後の手紙を預かるため収容所に呼ばれるが、
そこで郡の副知事や収容所職員に対して「あなたたちは命令に従うのでなく自分の良心に従わないのか?」

当然様々な葛藤はあれどそこにはハンナ・アーレントが説いた「悪の凡庸さ」という言葉がよぎる。


この映画はフランス映画ではあるが、監督はナント事件の加害者側と言って差し支えないドイツ人なのだ。
ドイツ人自身がドイツが先の戦争で犯した罪を自ら批判し贖罪する映画や書物は特にここのところよく目にする。


日本では先の戦争で加害者として取り上げた、高倉健が主演した映画『ホタル』



知覧の特攻隊にいた金山少尉という朝鮮人軍属を描き、戦後その贖罪を背負って主人公(高倉健)が韓国を訪れるのだが、
そこには主人公個人としての被害者に対する思いしか描かれておらず
国家として戦争犯罪という加害性まで言及されていなかったのが残念だった。


この両者の違いは何なのかよく考えてみた。

前者には自らの属性が行った加害性に対して真っ向から向かおうとしていること。
つまりドイツ人将校に「あなたはその軍服でどうして子供たちを救わなかったの?」という問いかけなのだ。

それは「なぜそれを避けることができなかったのか?過ちに声をあげる努力をしなかったのか?」という強い反省がある。

後者には加害者としての特攻隊を描くことなく「犠牲美」を「崇高な精神」として描かれている側面がちらほらする。
あくまでも反省すべき主体は加害者であるはずの特攻隊であり大日本帝国なのだ。


処刑されるレジスタンスの愛国心や党に対する忠誠心にすこしモヤモヤしたけど、

あの純真な17歳の少年のほのかな恋ごころの切なさに思わず泣いてしまった。

                              
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