野崎氏が逮捕されたことに関連して、報道などを通じて幾つかの情報が入っている。野崎氏にお金を渡したとされる土建業者の名前は既に倒産したこともあるのか公表されていないが、松本市東部に会社を構えて今年の夏に倒産した所の名前が挙げられている。その会社は他の業者に号令をかけることができるような地元の大手ではなく、いわゆる同和関係者として知られた会社であった。
野崎氏と受注業者との間に金銭の授受があったとされるのは、野崎氏が当時知事だった田中康夫氏の知遇を得てはいたものの、後の権力の座とはまだ無縁な頃だった。野崎氏は奈良井川改良事務所勤務時代に自ら手を挙げて知事側近に加わったが、田中康夫氏と波長が合っているとの認識に基づいて、単純に肩書きや昇格目的でなく意欲で異動希望を出したのだと聞いている。以前
http://blog.goo.ne.jp/sonatinet/e/3c9c27e229fc11e84caabe7cf9f21691
に触れたように、野崎氏が人事面で常識外の昇進をするようになったのは百条委員会開催以降のことであり、それまでは嫉妬の目で見るものはいても、猜疑の目で彼を見る人はいなかっただろう。
また当時、土木部出身で田中康夫氏のそばに仕えていた猿田氏が知事の小間使いと組織間の調整に苦労していたのを見て知っていた土木部職員はその職務を忌避していた面があり、一方で当時の野崎氏はそれを見ながら、仲間内の席で自分ならこうやるのにと意欲的に語っていたという。知事の側近となってからの野崎氏の調整の巧みさは定評があったが、その頃の思いが開花したものかもしれない。
それらの状況から見るに、野崎氏が奈良井川改良事務所勤務時代に受注業者から200万円以上のお金を賄賂として職場で現金で受け取り、しかも今日の信濃毎日新聞夕刊で報じたような名前入りの領収書を残していたとすることに、突拍子のような不可解さ、不自然さを感じざるを得ない。それはあたかも、昨日まで元気溌剌でピンピンとして数ヶ月後の遊びのスケジュールまで立てていた人が今日になって突然自殺したというような不可解さである。かつての橋本元首相の一億円領収書問題を見ても分かるように、企業が賄賂として領収書を残すような経理をすることは考えづらく、おまけに衆目のある中で賄賂の現金を収受というのも考えづらい。因みに野崎氏が所属していた奈良井川改良事務所の建設係は、松本合同庁舎4階のエレベーターホールから丸見えのところに座席がある。
田中県政後期の野崎氏であればまだしも、まだ出先機関の一主査でしかなかった野崎氏に業者が取り入ったところで、得られるものはたかが知れている。出先機関の一主査で出来ることは、それこそ積算価格の漏洩程度でしかなく、入札業者の選定会議にすら加われないのだ。価格の漏洩は大きな罪だが、漏洩したから即受注できるわけでもなく、増してその業者だと比定される会社は他の会社を仕切るようなところでもない。報道でも出ているように、その情報を得るためだけに200万超の賄賂を贈るのは全く割に合わないのだ。
落札額が高いという話も出ている。一部の自称市民派弁護士が「落札率が90%を超える落札は談合だ」と吹聴するなどして、落札額と談合とを安直に結びつける風潮を一時煽っていた。その弁護士は知事である田中康夫氏と親しく、知事周辺の公用車入札あるいは下水道公社入札が100%近い落札率であったことに関しては口を噤んでしまったのだが、それは別の話。長野県入札においては採算度外視と批判されるほどに落札額が低下したダンピング横行後にも談合が発覚している。その主張に感覚的に頷きたくなるのは分かるが、落札額の高低と談合との因果関係が明確に示されているわけでもない。
別の角度から見てみる。公表された内容によると、野崎氏はその業者との仕事で当初契約額から約400万円を増やす変更契約を結んでいるとされ、あたかもそれが金銭収受と相関性があるように報じられているが、4000万円を超えるような国庫補助工事の設計変更は一担当の権限だけでできるものではない。工事の設計変更を行うには、途中で設計書審査があり、変更理由の妥当性に始まって、使用積算単価が適正かどうかなど、細部にわたり監査担当・上司・工事事務・出納のチェックを経なければならない。そして当然のことながら、発注内容に合致しているかどうかの竣工検査があり、金額が大きいために工事の途中では指導監査・中間検査も行われているはずである。もし設計変更に問題があったとするならば、設計積算をした野崎氏だけでなく、直属上司の係長、次長、そして松本建設事務所長、技術管理室付けの検査担当専門員、松本地方事務所の出納員の最低5人も同罪に問われて然るべきものである。一職員の私利私欲のためにそれらの監視をすべて逃れてくぐり抜けることは年度末等のドタバタでもない限り不可能といってよい。増して、その工事は知事であった田中康夫氏にも賞賛された工事であるから、注目度はひとしおであったはずだ。
報道の取材に対して、その業者は金銭授受は認めたものの賄賂ではないと主張しているようだが、もしそれが賄賂であったとするならば、切れ者であり気配りと調整能力に優れた手腕を発揮した野崎氏の采配にしてはあまりにも稚拙に過ぎる。
5日現在で公表されている情報だけで集約する限り、それを賄賂だと認定するのは無理筋なところがある。とはいえ、野崎氏も業者も金銭の授受じたいはほぼ認めているとのことであり、賄賂じゃなければ何なのかというと、こればかりは野崎氏本人あるいは報道取材に対して賄賂性を否定した業者の証言を待つしかない。
野崎氏逮捕に関する現在の報道の多くは長野県警の大本営発表と関係者の感想ばかりであり、新たな事実はまだこれから出てくるであろう。今後百条委員会関連の捜査も残っていることであるし、県警におかれてはくれぐれも、事件解明への捜査を慎重に進めていただきたいと思う。また県内報道機関も無闇に煽るのでなく、事実解明につながる報道をしてもらいたい。
野崎氏と受注業者との間に金銭の授受があったとされるのは、野崎氏が当時知事だった田中康夫氏の知遇を得てはいたものの、後の権力の座とはまだ無縁な頃だった。野崎氏は奈良井川改良事務所勤務時代に自ら手を挙げて知事側近に加わったが、田中康夫氏と波長が合っているとの認識に基づいて、単純に肩書きや昇格目的でなく意欲で異動希望を出したのだと聞いている。以前
http://blog.goo.ne.jp/sonatinet/e/3c9c27e229fc11e84caabe7cf9f21691
に触れたように、野崎氏が人事面で常識外の昇進をするようになったのは百条委員会開催以降のことであり、それまでは嫉妬の目で見るものはいても、猜疑の目で彼を見る人はいなかっただろう。
また当時、土木部出身で田中康夫氏のそばに仕えていた猿田氏が知事の小間使いと組織間の調整に苦労していたのを見て知っていた土木部職員はその職務を忌避していた面があり、一方で当時の野崎氏はそれを見ながら、仲間内の席で自分ならこうやるのにと意欲的に語っていたという。知事の側近となってからの野崎氏の調整の巧みさは定評があったが、その頃の思いが開花したものかもしれない。
それらの状況から見るに、野崎氏が奈良井川改良事務所勤務時代に受注業者から200万円以上のお金を賄賂として職場で現金で受け取り、しかも今日の信濃毎日新聞夕刊で報じたような名前入りの領収書を残していたとすることに、突拍子のような不可解さ、不自然さを感じざるを得ない。それはあたかも、昨日まで元気溌剌でピンピンとして数ヶ月後の遊びのスケジュールまで立てていた人が今日になって突然自殺したというような不可解さである。かつての橋本元首相の一億円領収書問題を見ても分かるように、企業が賄賂として領収書を残すような経理をすることは考えづらく、おまけに衆目のある中で賄賂の現金を収受というのも考えづらい。因みに野崎氏が所属していた奈良井川改良事務所の建設係は、松本合同庁舎4階のエレベーターホールから丸見えのところに座席がある。
田中県政後期の野崎氏であればまだしも、まだ出先機関の一主査でしかなかった野崎氏に業者が取り入ったところで、得られるものはたかが知れている。出先機関の一主査で出来ることは、それこそ積算価格の漏洩程度でしかなく、入札業者の選定会議にすら加われないのだ。価格の漏洩は大きな罪だが、漏洩したから即受注できるわけでもなく、増してその業者だと比定される会社は他の会社を仕切るようなところでもない。報道でも出ているように、その情報を得るためだけに200万超の賄賂を贈るのは全く割に合わないのだ。
落札額が高いという話も出ている。一部の自称市民派弁護士が「落札率が90%を超える落札は談合だ」と吹聴するなどして、落札額と談合とを安直に結びつける風潮を一時煽っていた。その弁護士は知事である田中康夫氏と親しく、知事周辺の公用車入札あるいは下水道公社入札が100%近い落札率であったことに関しては口を噤んでしまったのだが、それは別の話。長野県入札においては採算度外視と批判されるほどに落札額が低下したダンピング横行後にも談合が発覚している。その主張に感覚的に頷きたくなるのは分かるが、落札額の高低と談合との因果関係が明確に示されているわけでもない。
別の角度から見てみる。公表された内容によると、野崎氏はその業者との仕事で当初契約額から約400万円を増やす変更契約を結んでいるとされ、あたかもそれが金銭収受と相関性があるように報じられているが、4000万円を超えるような国庫補助工事の設計変更は一担当の権限だけでできるものではない。工事の設計変更を行うには、途中で設計書審査があり、変更理由の妥当性に始まって、使用積算単価が適正かどうかなど、細部にわたり監査担当・上司・工事事務・出納のチェックを経なければならない。そして当然のことながら、発注内容に合致しているかどうかの竣工検査があり、金額が大きいために工事の途中では指導監査・中間検査も行われているはずである。もし設計変更に問題があったとするならば、設計積算をした野崎氏だけでなく、直属上司の係長、次長、そして松本建設事務所長、技術管理室付けの検査担当専門員、松本地方事務所の出納員の最低5人も同罪に問われて然るべきものである。一職員の私利私欲のためにそれらの監視をすべて逃れてくぐり抜けることは年度末等のドタバタでもない限り不可能といってよい。増して、その工事は知事であった田中康夫氏にも賞賛された工事であるから、注目度はひとしおであったはずだ。
報道の取材に対して、その業者は金銭授受は認めたものの賄賂ではないと主張しているようだが、もしそれが賄賂であったとするならば、切れ者であり気配りと調整能力に優れた手腕を発揮した野崎氏の采配にしてはあまりにも稚拙に過ぎる。
5日現在で公表されている情報だけで集約する限り、それを賄賂だと認定するのは無理筋なところがある。とはいえ、野崎氏も業者も金銭の授受じたいはほぼ認めているとのことであり、賄賂じゃなければ何なのかというと、こればかりは野崎氏本人あるいは報道取材に対して賄賂性を否定した業者の証言を待つしかない。
野崎氏逮捕に関する現在の報道の多くは長野県警の大本営発表と関係者の感想ばかりであり、新たな事実はまだこれから出てくるであろう。今後百条委員会関連の捜査も残っていることであるし、県警におかれてはくれぐれも、事件解明への捜査を慎重に進めていただきたいと思う。また県内報道機関も無闇に煽るのでなく、事実解明につながる報道をしてもらいたい。










