信州ななめよみ

長野県政をはじめ長野県に関することを思いつくままにつづるもの

退場前夜の人事異動でにじみ出る田中県政の問題点

2006-08-26 16:11:07 | Weblog
今月いっぱいをもって田中康夫知事は県政の舞台を去る。しかし、その間際になって人事で妙な動きが出ている。
一つが長野県の公共事業評価監視委員会の委員に金子勝氏らを任命しようとする動きがある点であり、もう一つは8月31日付け人事で以前に触れた野崎真氏らが昇格という内示が発令された点である。

今回、田中康夫知事関連で注目を浴びている人事昇格は2人。野崎真氏の場合は昨年4月から3度目の昇格であり、もう一人の職員Y氏は平成12年度採用の土木技術系の若手であり、どちらも切れ者であり田中康夫知事のお気に入りであるが、こうした人事昇格は従来の人事昇格の基準から逸脱したものである。
政策を後任知事にほぼ丸投げしておきながら、こうした人事異動を行うことの道理が無いうえに、当の職員達にとっても何かと“逆風”になりがちなものだ。

いや、それ以上の問題がこの人事の陰にある。野崎氏の場合はとりわけ田中政権の後期において県政中枢を支えた功労者の一人であろうし、長年停滞していた女鳥羽川の改修計画を地元の意見を取り入れながら実施に移した点などでも功績があるが、一方で野崎氏は以前にも取り上げたように、百条委員会で取り上げられた騒動の当事者の一人である。
そしてもう一人のY氏のほうも以前に紹介したが、平成12年に伊那建設事務所計画調査係で新規職員となり、1年間とはいえ後にパソコン問題で逮捕されることになる太田多久治氏の直属の部下であった。伊那建設事務所にパソコン問題で警察の手が入るたった2日前に伊那建設事務所から県庁の地球環境課へと異動し、その後は切れ者ぶりを遺憾なく発揮して田中康夫知事に気に入られている一方、県組織内の禁煙施策推進担当として若手の割には県職員の間でも比較的名が知られている。田中康夫知事のメル友ともいわれ、太田氏がパソコン問題で逮捕、そして懲戒免職、道路建設課勤務時代に太田氏にパソコン購入を依頼したとされる経営戦略局Y主任企画員(当時)も処分を受ける中で、この職員には何の咎めも無かった。直属の上司(係長)であった太田氏がY氏を庇ったとする声もある。
そしてこれは偶然であろうが、先日の災害応急復旧現場で木製ガードレールが設置された辰野町徳本水、あの場所にはバイパス計画があったことは前述したが、その計画を担当して地元説明を行っていたのが他ならぬY氏であった。

平成14年、パソコン問題が発覚して570台を超す県機関のパソコンが“不正入手”であった事が明らかになった時、土木部では職員全員に銀行の振込用紙を配布してカンパを募ったことがある。これは太田氏が逮捕されるより前のことだが、この時はパソコン問題に関わったか関わっていないかに関係なく、土木部全職員が一人数万円から多い人で100万円近くともされる寄付を行い、“不正入手”相当額の千万円単位の金額を県費に納入する形で謝罪を行った。私物化したような不心得者も中にはいたであろうが、その調査はなぜか途中で中断されたまま、逮捕された太田氏に全責任をなすりつける形で幕引きが図られた。少なくても職場で公用として使われていた“不正入手”のパソコンについては、当時の土木部職員はそうしてケジメをつけたのだ。
全体の責任を一部特定の者に全て負わせて済ませてしまおうという、昨今注目を浴びる靖国問題と共通する日本人の悪い体質。2000年知事選での公職選挙法違反と同様に土木部以外でもあったのに土木部だけが狙い打ちされたこと。なぜ土木部ほかがパソコンを“不正入手”しようとしたのか、業務上パソコンが必要であったのに導入を渋って怠ってきた側の責任が全く問われていない点。土木部がとりわけ抵抗した様子もないのに、県当局による調査が中すぼみで終わった点。
長野県土木部を舞台にして起こったパソコン問題は、実は県庁体質の負の部分が出た事件でもあった。

この人事情報は昨日から、県庁周辺から漏れ出しているが、それを語るものは一様に口止め人事だと評している。あるいは論功行賞かもしれない。しかしそれもおかしなもので、権力者たる知事が交代する中で、口止めも何もない。村井新知事が彼らに口止めされた内容を明かすよう求めたとき、彼らはどうするのだろうか。逆らえば処分の対象になるであろうし、降格人事もあり得るかもしれぬ。
村井知事には県政の課題が山のようにある。それを承知の上で敢えて希望することは、こうした田中県政時代の枠外的人事異動の検証を行うべきであり、それなくして県職員の意識改革などと述べてもアドバルーンだけになってしまうだろう。野崎氏等には村井新知事就任の前に人事発令が一端出されることになるのだが、村井新知事においては、彼らに意向確認を行って、肩書きだけが大きくなるというものでなく、格相当の責任を持つ職務へと改めて異動させてもよいのではないか。
また、改めてパソコン問題やはるさめ問題等、特定職員に不当に重い刑罰、処罰が課せられた案件の全容解明を行うべきである。
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