「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

EasyRecasterの使い方(その3):実際にiPhoneケースを作成してみた。

2013年09月20日 15時48分08秒 | 3Dプリンター


作業の流れについてはこの図だけで完結していると思いますが、

今回はEasyRecasterを使用して実際に実用品となるiPhoneケースの自作方法をご紹介したいと思います。


今回サンプルデータとして使用するのは、EasyRecasterα配布版に標準添付されているバニーガールな女の子モデルです。





これをEasyRecasterでレリーフ形状にリキャスト(再型取り)します。





形取ったモデルを今度はiPhoneケースに貼り付けます。

iPhoneケースの形状データはThingiverseからお借りしました。以下のデータになります。


iPhone 5 case by cloud10


このケースを利用してモデルを作成しましたので、その証拠として以下のマークを掲載します。





このiPhone5ケースと上のレリーフモデルを融合させます。

この融合には「ブーリアン演算」という処理が必要です。が、30万ポリゴン近いデータ数を持つモデルを処理するツールは中々存在しません。

幸いBlenderであれば簡単に処理できてエラーも少ないことが分かりました。





これで3Dプリント可能なレリーフつきiPhone5ケースが完成しました。

勿論MiniMagicsを使用したエラーチェックは欠かさず行います。


   余談:最近MiniMagicsが3.0にバージョンアップしました。

      ようやくWindows7以降対応になりました。

      しかし形状データの最大最小サイズ表示が省略されたのが残念です。

      ダウンロードサイトはこちらです。→ MiniMagics 3.0





このデータをfablab北加賀屋さんに有るReplicator2Xをお借りして立体出力してみました。

Replicator2Xを利用する前に、まずは立体出力用ファイル「.x3g」を作成しなければなりません。

そのためにはMakerbot社がフリーで公開しているmakerwareというツールを使用します。

このツールで出力する3Dプリンターの機種を選択し、

機種によっては2ヘッド構成の場合も有るため、左右どちらのヘッドで出力するかを決定しておきます。

今回はReplicator2Xの左側ヘッドを使用して立体出力することにしました。





こうして変換したx3gファイルをReplicator2Xに読み込ませて、いよいよ3Dプリントが始まります。

(その前に3Dプリンタヘッドの4隅の位置をアナログ調整したり、プレヒートを待ったり、

 フィラメントがダマになっていないか監視する工程もあるので出力時には注意が必要です。)


そしてReplicator2Xが動き出し、いよいよ3Dプリントの始まりです。





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出来ました。





フルカラー3Dプリンターによる出力に慣れてきた私にとって、最初は流石に出力結果を見て唸りました。

加えて当日の気温の影響もあってか、ケースが若干そり曲がってました。

これはそれほど問題ではなかったのですが、

ケース表面が思ったより荒れたのと表面段差がきつくて表情が読み取れないのが気になったので、

とりあえずパテを盛って表面を整えることにしました。





先程の出力直後に比べるとかなりマシにはなりました。

手で持ってみるとこんな感じです。





しかし、このままではスターウォーズにおけるハンソロのカーボンフリーズ然としていてなんだか可愛そうです。

そこで、無謀にも素人工作で着色してみることにしました。


そして、その結果こうなりました。(汗)





どうにも目の塗り分けがうまくいきませんでした。(汗)

やはり立体出力時目の周りのディティールがかなり失われてしまったのが問題だったと思います。


ということで、今回の積層段差ピッチは仕上げ時間の短縮を優先して0.3mmと粗めだった事を反省して、

次回はこの半分くらいに調整して再度立体出力を行おうと思います。


ちなみにこの出力で使ったフィラメントは36g(※)程度で、出力費用は1000円以下でした。(^^)

※2013年9月21日修正。36gちょいでした。(^^;)



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EasyRecasterの使い方(その2):設定パラメータの改良とその効能について。

2013年09月01日 02時32分41秒 | EasyRecaster



シリーズとしての記事なのに、数日空いてしまいました。(汗)

その理由は今回お話する設定パラメータの値と動作結果を調査する内に」、色々とプログラム的に手直しすべき問題点を見つけてしまったのです。

その問題を修正している内に時間がかかってしまいました。

そして、前回説明した「Recaster設定」ダイアログのデザインも少し変更が加わりました。(^^;)

前回のデザインは以下の通りです。





そして今回説明する「Recaster設定」ダイアログのデザインは以下のようになりました。





具体的に何が変わったのかというと、

(1) スケーリング以外のパラメータ入力欄が4つから3つに減った。

(2) 「奥行き方向カット距離」入力欄が削除された。

(3) 「奥行きカットオフ実距離」欄が「奥行きカットオフ比率」に名前が変更された。

点が変更点としてあげられます。


実は調査している内に(1)の「奥行方向カット距離」値は処理に全く影響を及ぼさない事がわかりました。

そのため今回のプログラム修正において削除されました。


次に、「奥行きカットオフ実距離」についてですが、これはZ方向(奥行方向)のうちどこまでをレリーフ内部に埋め込ませるかを

設定させるパラメータなのですが、直接距離を値として与えるがために「厚み調整倍率」がかかってZ方向のボリュームが変化した時の

対応が難しいという問題に気がついたため、距離値で設定するよりも0.0から1.0の範囲内で比率として設定することで他のパラメータ

による変化があっても一定に対応できるようにしました。


故に今回の修正で厚み付けと奥行きをどこまで出すかの調整がわかりやすくなりました。

この修正点はこの日記とともにリリースするα0.0.0.3版に反映されます。



・・・・・

それでは早速パラメータ設定値とレリーフ処理の結果についてご説明します。


[1] 「奥行きカットオフ比率」について:

「奥行きカットオフ比率」は、画面上に表示された3DCGモデルの奥行き方向に対して、

どこまでをレリーフ化した時に前に出すか奥に引っ込めるかを決定する比率です。

具体的には、「奥行きカットオフ比率」を1.0に設定すると、



この設定では100%モデルは背面にめり込むので、立体にはならなくなって単に1枚板に絵が張り付いただけになります。



逆に「奥行きカットオフ比率」を0.0(0%)に設定すると、



今度は物凄く飛び出してきます。



これは、ミクさんの後ろ髪まですべてレリーフとして浮かび上がらされるためです。

これはこれで迫力のあるレリーフですが、少々飛び出しすぎです。

それでは、「奥行きカットオフ比率」を0.5(50%)に設定すると・・・、



このように飛び出します。



それでもやはり飛び出していますが、先程寄りは飛び出し量が少なくなってます。

ミクさんの髪の毛もかなり背面にめり込んでいることがおわかり頂けると思います。



[2] 「厚み調整倍率」について:

「奥行きカットオフ比率」ではモデルをどこまでレリーフから飛び出させるかを決定するパラメータでしたが、

このままでは厚みそのものを調整することは出来ません。

レリーフによってはもっと薄く仕上げる必要があったり、あるいはモデル本来の立体感を強調する必要があったりします。

その「飛び出し具合」を調整するためこのパラメータが活躍します。

まずは「厚み調整倍率」の値を0.5に設定してみましょう。「奥行きカットオフ比率」はここでは0.5(50%)に固定しておきます。



すると、厚みはグッと圧縮されてこんな感じになります。



今度は「厚み調整倍率」の値を2.0に設定してみましょう。



するとレリーフはドカンと飛び出します。



このように、「厚み調整倍率」を操作するとレリーフの暑さを自由に調整できるのです。


[3] 「背面厚さ」について:

「背面厚さ」はレリーフ部分と関係しませんが、レリーフの背面の板の厚みを決定する数値です。

個々の値を大きくすればするほど背面の厚さが大きくなります。



・・・・・

以上が「Recaster設定」についてのおおまかな説明です。

途中でパラメータの動きに見直しを加えたため、説明を書くまでに時間がかかってしまいました。

さらにこの修正を加えたEasyRecaster_Alpha0003Jを本日の日記とともにリリースします。

よろしければご使用の上動作を確認してみて下さい。(^^)

EasyRecaster Alpha 0.0.0.3Jダウンロード
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