ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

デキャンタ

2017年10月18日 01時49分29秒 | サービス
ソムリエ協会では現在の例会として「デキャンタージュとアエラシオン(エアレーション)」をテーマに全支部共通で開催しています。


一昨日は大阪でありました。

私は行きませんでしたが、開催場所が私の前職場である日航ホテルでしたから、終了後そむりえ亭まで何人かの聴講者がお越しでした。


素晴らしいセミナーだったようですが、2時間内で実技とテイスティングを兼ねながら、デキャンタのすべてを語るのは無理があります。

(デキャンタと一言で書くと「それはエアレーションと言ったほうが良い」「いやカラファージュだ」と言われるかもしれませんが、今回は「デキャンタ」で統一させてください)


で、その聴講者の方から聞いた話をもとに「触れていないだろう部分」を少々補足したいと思います。


1:デキャンタする時の向き
 
  澱を取り除く古めのワインの場合、デキャンタは傾けて筋のようにワインを流す。これによって過剰な酸化は避けられる。

  若いワインのエアレーションの場合、ボトルを立てたほうがデキャンタ内を薄い膜のように広がって酸化させやすい。
  (傾けていても可能ですが、慣れが必要です)

2:温度の上下にも使える

  しっかり上げたい、下げたい時は立て、そうでない時はは傾ける。
   (1と同じ原理)

3:底の広いデキャンタは早く開かせたい時に有用。

  ただし、最後の方は薄い膜のように瓶底に広がっているので酸化も温度も想定以上になりやすい。

4:白こそデキャンタに向いている。

  白は赤よりも「崩れる要素」が少なく、酸も強いことが多いので酸化負けを起こしにくく、むしろまろやかさを得やすい。

5:瓶詰直ぐ、しかも日本到着直ぐの赤ワインはデキャンタすると亜硫酸が「暴れる」と言われ硫黄臭くなりやすい。

  せめて半年以上は待ちたい。どうしても飲みたい場合はグラス一杯分位を前日にテイスティングし、軽く蓋をし自然に酸化を待つ。
  (コルクを開けただけでは表面積が小さすぎます)

6:デキャンタから話して落下させるようにデキャンタすることがある。(私も若い頃、やってました)

  それにより「早く開く」ことはなく(線のように細く落ちるので表面積は限られる)、むしろ温度上昇には効果的。

7:ワインセラーの温度次第でデキャンタの目的や方法が変わる。(上記2で解決)

8:デキャンタの首は細いほうが便利。

  1や2の「広げる」目的が達成しやすい。つまり細い首から胴体部に落ちるときに広がる。

  口から首にかけて広いデキャンタは「ストン」と下に流れるので酸化や温度を目的としない場合によい。

9:古いワインで酸化を避けたいワインでも大人数で一杯ずつしか当たらない場合は、デキャンタする。

  それにより「同じ状態」で注ぎ分けることが出来る。


まだ他にもあるかもしれません。

ま、ふと思いついた事なので、これくらいで御容赦を・・・・


あ、講師の皆様、出しゃばってごめんなさい(汗)


             樋口誠
 
  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿