こもれ日さんぽ

緑の中で深呼吸・・・そんな気持ちで自分と向き合えたらなぁと・・・

「赤毛のアン」の花に出会う

2017-05-17 08:26:24 | 本好き、活字中毒

何気なく、いつもの道を歩いていて・・・

ふと、雷に打たれたようになりました。

 

慌てて、来た道を引き返すと・・・

確かに!

まちがいありません。

 

良い香りを漂わせる、白い花・・・

「スイカズラ」とのプレートがついていました。

 

 

ああ、これがスイカズラ・・・・・・ホネサックルであり、忍冬なのね・・・

ふわぁ~っと、身体が温かいものに包まれたような気分です。

 

 

スイカズラ・・・

少女の頃から、どんな花なのだろうと、憧れてきました。

 

・・・というのは、L.M.モンゴメリの小説にたびたび登場してきたからです。

十代の頃の私は、「赤毛のアン」のシリーズを皮切りに

モンゴメリ作品をひたすら読みふけっていました。

 

アンの世界に出てくる、タルトやらビスケットやらに・・・

薔薇の蕾の茶器に青いお皿・・・

数々の花々・・・

 

英国の影響が色濃く残る、当時のカナダ・・・

いつか、そういった品々は、実際に自分が出会い、あるいは英語の表現を知ることで

何を指すのかわかるようになりました。

 

でも、スイカズラは・・・別。

 

男の子の欲しかった「グリーン・ゲイブルズ」。

間違えられてやってきた、11歳のアンの処置に困ったマリラは

彼女を馬車に乗せ、事情の確認へと向かいます。

 

その折、身の上話をさせたところ・・・

孤児のアンは、渋々、語りました。

 

「お父さんたちは、小ちゃな黄色い家で所帯を持ったんです...

 

あたしは一度もその家を見たことはないけれど、何でも想像したわ。

客間の窓にはすいかずらがからんでるし、前の庭にはライラックが植わってて

門をはいったところにはすずらんが咲いていたに違いないと思うの」

 

後年、大学生になったアンは、

友人と共に、その家を訪れ、まさに自分の想像通りだったことに驚くのです。

もちろん、スイカズラもありました。

 

 

『丘の家のジェーン』では、両親の別居に悩むジェーンに

初めて、いきさつを聴かせてくれた、風変わりなエムおばさん。

その庭は・・・

 

「柵には忍冬がからんでおり――『ハチドリをよぶためだよ』と、

エム叔母さんが説明した」・・・と、

ここでも忍冬、すなわちスイカズラが登場です。

 

他にも、あちこちに、スイカズラの名で登場したり、

忍冬やホネサックルだったり・・・

モンゴメリの作品には、しょっちゅう顔を出しているものの・・・

 

どんな花なのかわかりませんでした。

 

大人になってから、図鑑で調べると、

そんなにきれいな花だとは思えず、がっかりしてしまいました。

図鑑では、香りまでは、わかりませんものね・・・

 

そうして、いつかスイカズラのことも、忘れてしまったのです・・・・・

 

 

ああ、それがっ!

 

良い香りがしているなぁ・・・と歩いていたら、

偶然プレートが目に留まって、本当の意味で、やっと出会えたわけです。。

 

おそらく、モンゴメリの描く小説、

つまりは19世紀プリンスエドワード島の家では

ベランダや庭の柵に、この植物をからませていたのでしょう。

 

冬でも、「忍冬」の名の通り、青い葉を落とさないそうなので、

銀世界の中、鮮やかな緑に、きっと心和まされたはずです・・・

 

やがて、夏には、良い香りを漂わせ・・・

白い花は、やがて黄色に変わる・・・

その香りに、ふと顔を上げ、白や黄色の花をも愛でたに違いありません。

 

 (ウォーキングで見つけたハコネウツギ。スイカズラ科目の花

白い色から紅に花の色が、やっぱり変わっていきます)

 

 

何十年もたって・・・

しかも、毎日のように歩く道で・・・

毎年、この季節には、この花のことも、見ていたはずなのに・・・

 

今、やっと気づくなんて・・・

注意力散漫も良いところで、お恥ずかしい限り!

 

 気が付けば、今、あちこちに、スイカズラの良い香りが漂っていました。

私は、この香りを、ずっと、ジャスミンだと思い込んでいて

気づかなかったのでしょう・・・(;^_^A

 

 

 

少女の頃の私を、ずっと励ましてくれた、アンの作者・モンゴメリ・・・

その衝撃的な最期が、数年前に明らかにされました。

遺族が公表を控えていたのも、よくわかります・・・

 

アンの作者は、人生の夢と共に

ほろ苦さも、身を以て教えてくれたのかなぁ・・・

 

あれからスイカズラを見かける度に、そう思うのです。

人生半世紀、少しは、その苦さもわかる今だから・・・

「アンの花」スイカズラに出会えことが、いっそう嬉しいのかもしれません。

 

 

引用

モンゴメリ著 村岡花子訳 『赤毛のアン』 新潮文庫 昭和50年40刷 55頁

モンゴメリ著 村岡花子訳 『丘の家のジェーン』 昭和51年 23刷 195頁 

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1 コメント

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Unknown (あっこちゃん)
2017-05-17 21:35:26
スイカズラはほんの少しだけ咲いているだけでも
かすかに香ってきます。
山歩きしていて・・・ふっと良い香りが漂ってきて
”どこ?”って頭をもたげると
やっぱりこの花を発見します。
アンのお話には普段よく見るお花達がたくさん出てきますね。
聴いたことある!見たことある!お花達に実際触れるととっても嬉しくなりますね。

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