我想一個人映画美的blog

新作映画レビュー&温泉&ゴシップ+コスメ+旅行記&日記。
blog開設から18年!ありがとうございます✨

ミヒャエルハネケ映画祭/セブンスコンチネント/The seventh continent

2006-04-21 00:50:21 | 劇場&試写★6以上


「映画とは真実を追い求めるのに有益となる
1秒間に24回つかれる嘘なのだ」
とは
ミヒャエル・ハネケ監督の言葉。。。。

29日に公開になる「隠された記憶」が凄く気に入って
その公開に合わせて企画された"ミヒャエル・ハネケ映画祭"
渋谷ユーロスペースでレイトショー。
DVD化されていない過去の作品を含む5作品を上映中。
その中でも彼の最高傑作と言う声も高い、初監督作品
「セブンスコンチネント」を昨日観てきました☆
今回全て3日づつしか上映されず、日本最終上映だという。
その為か侮って15分前に着くとチケットカウンターは行列!
改めてハネケの人気を実感。。。☆
ハネケ作品を観たのはこれが4つ目。
彼のが凄さの一つに、自らが必ず手掛ける脚本にあると思う。



ミヒャエルハネケ映画祭 詳細

幼い娘と三人でなに不自由なく暮らす一家。オーストラリアへの移住を希望していた。
淡々とした日常描写から一転、ラストは映画史上空前の破壊劇が待ち受ける。。。


ロカルノ国際映画祭ブロンズレパード受賞

淡々としていて特に展開もないので眠くもなったけど 
終盤の崩壊劇は んんー。。。。
やっぱりハネケでした。

軽い気持ちでなんか観れません

ちょっとだけネタばれ。。。
書かないと紹介にならない作品なので、、、


実話を元にハネケが脚本を書いた1989年作品。直訳『第七大陸』。
ドキュメンタリーを観てるようなリアリティのある映画だった。
何一つも不自由なく普通に暮らしていた家族。
食事の会話もとくにないけれど、これと言って不安も見当たらない。
小さな女の子が一人、ほんとに普通のどこにでもいる家族。。。
そこにじわじわと押し寄せてきた絶望感、、、、

正直、何にも起こらなすぎてうとうとしそうになったり
相変わらずの長いカットをじーっと凝視してるうちに催眠術にかけられたみたいな
雰囲気で観てたので、あれっ?いつの間にそんなに絶望的になってるの??という感じ。

何度か挿入される夢のオーストラリアの空しい風景が死とダブる、、、、。

不安感や虚無感が伝染したかのように日常にとことん嫌気がさし
一家心中を決意。

ラスト30分くらいからのもの凄い破壊シーン!
眠気なんて一気に吹き飛んじゃった。
今まで自分が生きてきた証全てをきっちり清算するかのように
家族写真、思い出のレコード、洋服、家具までも破壊していく。
容赦なく。
驚いたのはお金、紙幣を破ってトイレに投げ込んで無理やリ流す、、、
どんどんどんどん 破く 流す。
終いには小銭まで。。。。
「詰まらないのか?」とか「カンボジアに寄付すればいいのに」
なんてちょっと思ったけど。(←そういうツッコミはもってのほか!)
        

TVに映し出された砂嵐が示唆する、死とは無であるということ、、、、。

過去にすがったりではないけど、思い出を大事にして
自分の"物"にもかなり愛着ある。そして何より"自らの手で自らの命を断つ”という行為
は悪、人間のやってはいけない事の一つに考えてるわたしには
観ててとても辛かった。

そして音楽が流れないエンドロールがまた悲しくて空しい気分に、、、、。

受け取る側の考え方次第で傑作にもなりえるし、
ただの重い破滅劇に思えるかもしれない、、、
映画はハッピーエンドでなきゃ、なんて言ってた昔に観てたら
もうこのラストにはうちのめされて、
何なの?!これは! (何が言いたいの?ってコト)になってたかも。


本当に毎度議論をしたくなるようなラストで締めるなぁ。ハネケ作品は。

この作品未だビデオはおろかDVD化もしていないけど、
ハネケ作品、徐々に劇場公開するようになったし
「隠された記憶」のDVD化に合わせて是非DVD化してほしいな。

【追記】ハネケの過去作品、2007年3月ついにDVD化しました!!  

是非、まだ未見の人にも、どう感じるか観てもらいたい☆



8/10
ハネケ作品はどれも、観る側に何か考えさせるところがあって
観る価値のある作品ばかり。それぞれの好みは別としても。。。
救いのないラストに、重くてイヤ~な気持ちになることは覚悟で☆



The Seventh Continent 1989年 オーストラリア 110min カラー
監督/脚本 ミヒャエル・ハネケ
出演  ビルギット・ドル/ディーター・ベルナー

自分の映画は気晴らしの為の娯楽ではない。
しかし、映画に気晴らしと娯楽だけを求めてる人たちが
面と向かって向き合わされたくないものと向き合わされるのはいいことだ。


とハネケは言う。  なるほどぉ。。。。

今後もたった3日間づつ公開されるので、また行こうと思ってます
こんな祭り、精神的にどうにかなっちゃいそう。。。。
とか言いながら、次の「71フラグメンツ」が楽しみ。



人気blogランキング←please click
いつも読んでくれて&応援もありがとう~~



4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (baoh)
2007-03-05 22:38:17
おぉ、一番のり!

って、migさんのブログでもコメントついてない記事あったんですね(笑)それだけマニアックということか・・・

ハネケ映画祭、行ってましたね~。そうそう、ファニー・ゲームがハリウッド資本でリメイクされるみたいですね。監督はハネケ本人(笑)そして隠された記憶のリメイク権もハリウッドがゲットしたとか。監督候補にロン・ハワードの名前が挙がってるみたいですけど・・・・やめてほしい(苦笑)
baohさんー! (mig)
2007-03-05 23:35:30
ほんとだ! わーい(笑)

コレだけきてなかったなぁーそういえば
もちろんかなり初期の頃はコメントなんてこなかったけど。

そうそう、その情報わたしも聞いて、
なんのために本人がリメイクするんだ?なんて思っちゃったけど
ナオミワッツ&ティムロビンス夫婦だから(ファニーゲーム)
興味あるなー、ナンテ。

隠された記憶、いい作品だけど
ハリウッドでヤルナー!!
反対 しかもロンハワード、嫌~ヤメテ

わたしもハネケの全部みたいですー。
が、精神病みそうね。。。
Unknown (マイコ)
2007-05-21 10:39:31
こんにちは★

2番のり!!
(migさん入れると3番のりになるんですけど・・・)

家族は夢の第7大陸に向かって旅立ったのに、結局は監督は『死とは無なのだ・・・』って結論付けてるんですよね。

んな、身も蓋もない!!って感じですよね。

この作品は個人的にかなりお気に入りになっちゃいました。
誰にでも突然感染しそうな“恐ろしい病気”ですよね。
怖いなー。

ファニーゲーム(リメイク)には私の好きなマイケルピット君も出演するらしいので、少し楽しみです。

トラバさせてください。
マイコさん☆ (mig)
2007-05-21 21:58:32
あはは♪
ハネケ祭り開催してるのわたしとマイコさんとbaohさんくらいみたい(笑)

二番乗りおめでとー

うんうん、今思えばすごい映画だったなー。
お気に入りになるのもわかりますよん☆
ハネケらしい救いようのない話。。。。

ほんと誰にでもおこりうる怖さがあるね。。。。

マイケルピットも出るんですねー。
早く観たいなー!気になる♪

TBコメントありがとう