曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

3連休=多摩美図書館と家から見える住宅作品と西沢立衛スタジオ

2007-07-18 | インポート

7月14日


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多摩美術大学の図書館を伊東事務所で担当していた中山英之さんに案内してもらった。ゼミのみんなで建築見学に行くというのははじめてのことなんだけれど、雨。これだけ学生がいると、一人くらい雨男がいても不思議じゃない (決定的な一人がいるらしいが)。


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写真で見ているとアーチごとに空間が分節されているように見せるけれど、実際の体験ではずっと連続的なのが最初の驚き。構成している形態や素材や記号がすごく限定されているけれど、シンボリックなうっとうしさはない (こっちは予想通り)。

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例えばここは閉架書庫の奥の閲覧用テーブルなのだけれど、ラクソのランプとケーヴィのオフィスチェアという、伝統的オフィス環境。


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こちらにあるのはダイニングチェアと白いシェードのランプ。元の空間を構成している要素が限定されているので、こういうしつらえが生む記号的印象が、効果的に影響するというわけ。北側の風景に向かって開く、というのは曽我部邸と一緒。

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地下の機械室や、さらにその下の免震支承まで見学+解説してもらった。見えている部分のある種の自然さが、最先端の技術でようやく成り立っていることが明確になる。「自然」 にある状況は、近代テクノロジーの組み合わせではまったく再現不可能なくらいに高度だということか。

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で、研究室に移動して中山さんのレクチャーを聴く。多摩美のことと2004 (松本の住宅) と彼の卒業設計についてなど。思考のプロセスと、設計のプロセスと、建築化する仕組みの関係をとても丁寧に解説してくれていて、とても刺激的。ゼミ以外の学生も熱心に聞いていた。うとうとしていた学生がわずかにいたけれど、この、何というか建築系冒険小説のような話を前に目が冴えないようじゃ、建築家にはならないな。
その後ずっと飲んでいて、ぼくは先に失礼したんだけれど、それでも朝4時。


7月15日


オープンキャンパスの日なのでエレベータも動いているだろうということで、研究室でずっと打合せの予定。しかしながら、台風のためにオープンキャンパスは中止になったらしく、エレベータは止まってて、またまた階段で6階へ。実際には台風の影響はあまりなくて、オープンキャンパスに来た高校生とかがうろうろしてた。でも、建物の扉は閉まっていてエレベータは止まってる。なんだかなあ。


7月16日


朝、家から見える住宅作品を見に、散歩に行ってみた。踏切をいやがる犬と、遠くまで歩くのを面倒がる息子 (中3) を無理矢理誘って、怪しいやつ対策も万全。

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これが家から北西方向を見た時の風景。住宅三題。左が曽我部邸と同じ 「住宅特集」 (新建築社) に出ていた近藤哲雄さん設計 (にわのある家)、真ん中が今井公太郎さん設計 (Double Square)、右がこの季節は葉っぱで見えないけれど池田昌弘+福島加津也さん設計 (CREAM)。


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一番遠いのがこれ。住宅特集7月号に掲載されてるんだけれど、実は同じ号に掲載されている曽我部邸の小さなテラスの写真の背景にも、ものすごく小さく写ってる (たぶん、しらないと判らないサイズ) 。残念ながら、道路レベルからではぼくの家は見えない。


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帰り道にまずはこれ。ここに今井さんの住宅があることは、土地を購入した時から気づいていて、工務店とか法規条件とかを相談してました。遠目にもピシッとした印象。


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三つ目がこれ。家からだと、今は手前の樹の葉が茂って見えないけれど、落葉樹なので冬になると白いキューブが現れる。白い四角い家 (こちら) と黒い変形の家 (ぼくの家)。対比的ですね。
ということで、建築三昧な散歩をして、


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オープニングを翌日に控えた、横浜美術館での森村泰昌さんの展覧会の会場構成を確認して (こないだまでやっていた展覧会のブース、つまり廃材を加工してつくった、材料費が限りなくタダに近い会場構成)、


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Y-GSAの西沢立衛さんのスタジオの中間講評に立ち寄って、三連休は完了したのでした。

それにしても、GR (デジカメ) の調子が悪い。スイッチを入れる度に日付が初期設定になり (でも毎回じゃない)、さらにスイッチの反応も悪くなってきて、気のせいかもしれないけれど、ピントも合いにくくなっているような・・・・。丈夫で小さくて歪まなくて超広角のカメラが欲しい。





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