ならおうは穏やかに語る

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(09/08/23カウンターを付けました。)

マクラーレンのサヴァティカル

2017-09-23 17:50:18 | クルマ
マクラーレン・ホンダは2015年からマクラーレンのサイズゼロコンセプトに合致するように造られたホンダのPower Unit(PU)を搭載するという形でF1のチャンピオンシップを争ってきた。なお、ホンダはエンジンだけではなく、資金援助もしている。しかし・・・
  • 2015年はボロボロ(パワーがないのに信頼性もない)で、元チャンピオンを二人揃えても表彰台には程遠く、一次予選敗退もよくあった。

  • 2016年はホンダのPUも改善され、三次予選に残ることもあった。

  • 2017年にホンダはPUをコンセプトから一新した。その結果は2015年に戻ったような感じだ。そしてマクラーレンはホンダPUを諦め、2018年以後の提携を解除した。

  • 2018年からマクラーレンはルノーPUを搭載し、ホンダはトロ・ロッソにPUを供給することとなった。

この一連の騒動の中でホンダによるマクラーレンからのサバティカル拒否について、という記事があった。
Sabbatical:使途に制限がない職務を離れた長期休暇

これはマクラーレンがチャレンジ精神を失い、ビジネス主体の考え方に陥ったことを現すものだと考える。マクラーレンは下のプランをスポンサーに説明して資金継続を狙ったのだろう。
マクラーレンは2017年のF1を2016年型を改良したホンダPUで戦う。これでルノーPU勢と渡り合うことができる。
元々マクラーレンのシャーシは秀逸である。しかしホンダPUがイマイチで常勝軍団ではなくなった。だが、我々はチャンピオンシップを諦めてはいない。そこで、ホンダPUをこのように改良しようと秘策を考えている。
FIAを通じてメルセデスの技術をホンダに提供する。
日本人ではなく欧州人のリーダーが主導でPUの改良・開発をする
これらで現在の失態を挽回するので資金援助の継続をお願いする。

ところがこのプランは年末にホンダの開発状況報告に基づいて修正された。
サイズゼロを諦めた新PUを開発した、それは今までよりも燃焼効率が高い。技術情報はこうだ(・・・・・・)。

マクラーレンはその技術情報を見て、ホンダへの技術供与を含む支配権の確立を一旦延期した。そして年明けの合同テストにホンダの新PUを搭載して臨んだが、それはマクラーレンのブランド価値をさらに毀損するかもしれないと落胆した。そこでマクラーレンはホンダにこう伝えたのだろう。
サイズゼロコンセプトに基づいた2016年型PUの改良版の搭載。
新PUではなく、これの改良スケジュールの明確化。
メルセデスの技術提供を受け入れ、欧州人デザイナーをPU開発トップに据えること

これらによってマクラーレンはフォースインディア、トロ・ロッソ、ウイリアムズと戦える位置の維持を図った。表彰台は何回か狙えるかもしれない。
しかしホンダはそれを拒否
ルノーもPUを改良するので、ゴールは高くなる。サイズゼロコンセプトは構造上これ以上パワーアップは望めない。すでに限界だ。ゆえに2016年型フェラーリPUを積むハースの上に立つことが限度。

ホンダをパートナーではなく支配下に置いているつもりのマクラは激怒。
ホンダはサイズゼロコンセプトの出力限界がわかったからそこからの脱却、つまりPUを一からやり直すしかないと判断。
新PUでも2016年の後半に伸びたように、2017年の後半も伸ばせると考えていた。ベンチの試験結果はそれを裏付けていたのだろう。
マイナートラブルは前半に出るが、夏休み前にそれらを解決したらルノーPUを上回るPUとなるだろう。
スタートグリッドで4列目に行けるか⁇
また、新PUのネタに2018年の供給先追加を考えていた。
しかし、そのネタは出るタイミングを誤ってしまった。その結果複雑な流れになった。
ホンダPUはトロ・ロッソに移動。トロ・ロッソはドライバーをルノーにレンタル貸与。マクラーレンはルノーPUを搭載できる。
トロやレッドブルの冷徹なDr. Helmut Marko がルノーを見限って(前から結構批判している)、ホンダPUの搭載を考えたのは単なる政治的駆け引きではない。
サインツはレンタルでルノーの顔を立てる為にルノーへ渡されたけど、NDA(秘密情報保持契約)の下でレッドブルのAdrian Neweyなどが、ホンダのベンチの情報を掴んで判断したのだろう。もしそれがクソなら突っぱねた方がいい。それでホンダが撤退しても現状の報道から「凋落」の烙印が押されているPUを積む義理はない。それでもホンダを選んだ。

一方、マクラーレンは2018年にホンダPUが化けたら2019年に載せようと考えているのだろう。(妄想の自由)
覆水盆に返らず、という言葉を知るが良い。


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