ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

笹子トンネル事故に関して思った事

2012-12-03 22:17:07 | Weblog
まずは亡くなった方のご冥福を祈ります。事故原因と対策、そして神話となったインプを基に書いてみる。

事故原因
トンネルの最上部に打ち込んだボルトが抜けたという。
読売新聞
崩落したすべての天井板は、つり棒ごと落ち、原因は老朽化とみられることが判明。県警は、中日本高速道路(NEXCO中日本)の保守管理に問題があったとみて、大月署に捜査本部を設置、業務上過失致死傷容疑で捜査に乗り出す。

朝日新聞
笹子トンネルは、長さ約 5.3メートルのつり金具で天井板をつり下げていた。金具には鋼材が取り付けられ、ボルト(長さ 230ミリ、直径 16ミリ)でトンネル最上部のコンクリートに打ち込まれており、接着剤で固定してあるという。崩落現場では、複数のボルトがコンクリートから抜け落ちていたという。

接着剤の経年劣化を疑う事も可能だが、トンネル内は気候が安定しているものなので、温度変化のストレスは殆どかかっていない。また紫外線が照射される訳でもない。ということで、次の二項目は回避できるであろう。
a) 接着剤/ボルト界面剥離
b) 接着剤/コンクリート界面剥離
通常こういう所に用いる接着剤はエポキシ系であると考えられる。ならば金属との密着性は非常に高く、30年前と現代でもそれほど変わらない。また、そういう破壊ではないだろう。同時にコンクリート素材との密着性も十分考えられているだろう。
接着剤のバルク破壊も生じていないだろう。それは接着剤の使用法として最低の使い方である「テンコ盛り」で生じる破壊であり、ドリルでコンクリートに穴を開け、接着剤を塗った金属棒を挿入したと考えられる工法では基本的に避ける様にするからだ。
手抜き工事はここでは考えない


では、どこが?

推測だが、これはコンクリートの表層剥離だろう。
1) コンクリートは圧縮応力に強いが引張応力に弱い
2) ボルトは常に落下する(抜こうとする)応力をコンクリートに印加
3) その応力はコンクリートへの引張応力となっている。
4) ボルトとコンクリートの間には接着剤がある
5) 接着剤はコンクリート表面との密着力は高い。
6) ある程度以上の応力印加によってコンクリート表層が一皮むける様に崩壊。
7) ボルトが抜けて・・・。
この現象は指につけた瞬間接着剤の剥離と同じく、皮が剥けてしまうと考えればよい。
この天井から吊り下げるという考えは根本的にコンクリートの強度低下へ繋がっている。

対策
もともと両側に天井板を設置する台があるので、そこにH型鋼や浪板を配置しなおす。コンクリートは廃棄。
⇒同様の事故を防ぐ事が可能。

さて、インプの神話は適度に割愛するが、ここにコメントの画像があるのでリンクを貼っておこう。


インプの損壊程度を見ると屋根の上に天井板を載せて暫く走行できたってのが凄い。よくかいくぐったものだ。

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2 コメント

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阪和道にも (ふりーすとん)
2012-12-04 20:50:51
いつも和歌山釣行で利用する阪和道に同じ構造のトンネルが
2本あることを新聞で知りました。
同じように落下する訳ではないでしょうが、頻繁に通るので
気になります。
原因の究明と対策を早くして欲しいものです。
返信する
阪和道にも (ならおう)
2012-12-04 23:15:58
頭の上にコンクリートの板が乗っかっていてそれが吊り天井とは誰も想像しない恐怖です。
年内に原因は判るでしょう。ちょっと調べるとこれはケミカルアンカーという工法らしく、採用そのものが間違えていた様な気がします。
これ、大渋滞で生じたら車間距離2m、全長5mで考えると110m÷7m=15.7台。30台が巻き込まれていることになります。昔の広島の事故みたいな恐怖です。
でも根本的対策は打てないのでしょうね。
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