部屋に木が生え、物語に出てくる怪獣が踊る――。そんな楽しい図書室が、千葉県野田市の小学校に点在する。地域の人たちが手がけ、共感の輪は今も進化し続けている。
同市立岩木小学校。低学年向けの図書室「本のはらっぱ」に入ると、カーペットが敷かれ、子供たちは床にごろりと転がったり、友達と頭を付き合わせたりしながら、本を開く。
その部屋の真ん中に、ケヤキの木がスクッと枝を伸ばす。壁際では、絵本「かいじゅうたちのいるところ」に登場する男の子や怪獣が遊ぶ。木や怪獣はみな、木材や針金を芯に、段ボール、新聞紙などでできている。ケヤキの枝は季節ごとに差し替えられ、春は新緑に、秋は紅葉に、そして冬になると枯れ枝に雪が積もる。