昨日、整形外科医から同科に1週間前から入院している82歳男性患者さんの診察依頼があった。病室に見に行くと、ベットに横になっていたが、寝返りを打っても痛いという。個室なので病室内のトイレまで自分で言ってるが相当つらいらしい。症状は、2週間前に肩から頸部の痛みがあり、1週間前から腰から大腿近位部の痛みが始まったというものだった。炎症反応の上昇(白血球数・CRP)がある。整形外科的には、骨病変としては説明がつかないという。大腿近位部をつかむと痛みがひどい(把握痛)。頭痛はない。血液検査の結果をみると、CKが出ていなかったので提出してみたが、、CKは正常域だった。多発性筋炎ではない。血沈は79mm/時と著明に上昇していた。抗CCP抗体と抗核抗体も提出しておいた。
年齢と症状からは、リウマチ性多発筋痛症のようだ。感染症は否定的だった。疼痛がひどいので、プレドニン15mg/日経口で治療を開始した。昨日の昼と今朝内服したばかりだが、疼痛は少し良いという。大腿部の疼痛は軽減したいるが、腰部の疼痛はまだあった。1週間はプレドニン15mg/日で経過をみることにした。