なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

成人Still病か

2017年09月11日 | Weblog

 不明熱で入院した72歳女性は、強皮症はあるが、それだけでは説明がつかなかった。膝関節炎が入院前からあったが、単関節炎で膝偽痛風として整形外科で治療を受けていた。そちらはNSAIDで治まっていた。MPO-ANCAとPR3-ANCAも陽性だったが、ANCA関連血管炎とする症状はなかった。リウマチ性多発痛症様の症状もあり、プレドニン15mg/日を開始したが、上下肢の症状は改善したものの、炎症反応の改善に乏しかった。 

 大学病院から腎臓内科の外来に来ている先生が、たぶん当院に来ている先生方の中では一番リウマチ膠原病に詳しいかと思って、相談していた。ANCAの力価が低く、腎機能も正常でそれによるのではないだろうという。

 頻脈性心房細動になって、投与薬剤に抵抗性で頻脈が続き、心臓血管センターのある病院に転院した。電気的除細動を受けて洞調律に戻って帰ってきた。診断がつかないので、プレドニンはそのままで経過をみていた。先々週末に下腹部に発疹が出現した(背部にも少しある)。土曜日に看護師さんが気づいたが、痒みはないのでそのまま様子をみて、月曜日になってから報告があった。すでに退色してきていた。

 皮膚科で診てもらったが、非特異的な発疹ということだった。経過をみているうちに、先週末に38℃の発熱があった。それまでも平熱~微熱で経過していて、急に首から上に熱感がくることが続いていた。炎症反応を再検したが、同程度だった。

 リウマチ性多発筋痛症様の症状があって、プレドニンに反応しないことから、巨細胞性動脈炎の併発を疑って症状や所見をとっていたが、そうではないようだ。そもそもPMRではないのだろう。

 発熱・関節炎・発疹・白血球増加といえば、成人Still病になる。入院時から一応考慮して、血清フェリチンは測定していたが、300ng/ml台で正常より高値ではあるが、診断確率が上昇する1000ng/ml以上ではなかった。再検しても同程度だったので、決め手に欠けると思っていた。三森先生の本によれば、血清フェリチンは著増(3000ng/ml)するが、軽度上昇のこともあり、活動期に正常値の例もあるそうだ(診断に自信がないので、検査値が典型的で10000ng/dlくらいほしいところだ)。

 そういえば、咽頭痛の有無を訊くと常にではないが、あるそうだ。上気道症状を耳鼻咽喉科で診てもらったが、所見はなかったが。リンパ節腫脹、肝脾腫、肝機能障害はない。リウマトイド因子は陰性だが、抗核抗体は陽性(強皮症もあるから)。

 リウマチ膠原病科もある病院への紹介も考えたが、患者さんは当院での治療を希望された。先週の金曜日から、プレドニン50mg/日(体重58kg)に増量して経過をみている。すぐに解熱して患者さんは調子がいいが、プレドニンは膠原病関連には何でも効きそうだから何とも言えない。これでうまくいかない時は、絶対リウマチ膠原病科に紹介しよう。

 

 

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2 コメント

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診断? (通りがかりの内科医)
2017-09-11 20:11:33
感染性心内膜炎は除外すみでしょうか?血液培養は陰性でしょうか?
難しい (若手)
2017-09-12 10:56:35
大変困る症例かと思います。もし皮疹が再度出現するようなら生検はどうでしょうか。血管炎所見やリンパ腫所見があれば決定的な所見になると思います。still病でも一応典型的な病理所見は存在するので参考所見にはなるかと思います。余計なことかもしれません。すみません。

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