なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血球貪食症候群

2017年05月05日 | Weblog

 先週80歳代初めの男性が、発熱・炎症反応上昇・肝機能障害で救急外来を受診した。腹部CTで胆嚢結石があり、胆嚢壁はやや肥厚しているように見えた(総胆管結石について、後日MRCPを行って、総胆管結石疑いとなった)。当直の外科医が急性胆嚢炎(?)として、外科に入院した。

 入院後に抗菌薬を投与していたが、発熱は続いていた。検査室から末梢血塗抹にマクロファージが出ているので、血球貪食症候群が疑われると報告があった。その時点で相談された。血小板は2万台で、白血球数は4000前後でHbが10~11g/dlだった。白血球分画には異常がない。CTを見ると脾腫があり、肝臓も軽度に腫大ととれなくもない。入院時の症状は胆嚢炎ではなくて、血液疾患そのもののようだ。悪性リンパ腫を疑いリンパ節腫脹はなかった。

 患者さんは車椅子でなら移動できるので、血液内科常勤医のいる病院への紹介を勧めた。だが、家族は転院を希望せず、そのまま当院で診てほしいという希望だった。助かろうと思えば転院するしかない、当院では治療の経験がない(このままでは助からない)と説明したが、だめだった。

 診断を確定にするために外科病棟で骨髄穿刺を行った。採取だけで骨髄像は外注になるので、結果が出るまで2週間くらいかかる。以前血液内科医が当院にいた時に、いっしょに検査に携わっていたベテランの検査技師から、マクロファージが血小板を貪食していると報告が来た。

 もともとのADLの問題もあるのだろうが、入院後は大分低下していた。嚥下もよくないので、頭部MRI検査を行うと、椎骨脳底動脈系に新鮮な多発性ラクナ梗塞を認めた。すでに担当の外科医が追加検査として、血清フェリチン(3000と上昇)、EBV抗体検査、可溶性IL2受容体抗体も提出していた(外注)。ステロイドの投与を開始すると、解熱して血小板は若干上昇した。連休明けに内科で診ることにしたが、どこまで対応できるだろうか。

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