なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低ナトリウム血症

2017年07月08日 | Weblog

 昨日は3名の入院があって忙しかった。卵巣癌疑いの女性は週明けの専門病院への転院が決まって、術前の治療として輸血を開始した。その家族が病院に来るので、病状説明をすれば何とか診療が終わる見込みだった。ところがそれだけ終わらず、救急隊からまた搬入依頼が来た。

 心不全・糖尿病で通院している60歳代後半の女性が、朝から呂律が回らず、動けなくなっているという。この方は多発性脳梗塞・認知症があり、夫が介護している。薬の管理・インスリン自己注射は全部夫がしていた。これまで心不全の増悪で何度も専門病院に搬送していた。心不全の増悪ではないようだが、脳梗塞再発や血糖の悪化(高血糖・低血糖)が疑われた。暑い日でかなりな量の利尿薬を内服しているので、脱水症もあるかと思った。

 搬入されると、確かに呂律が回らない。ふだんから呂律は回らないが、程度としては悪化しているようだ。バイタルは安定していて、心不全の増悪ではなかった。37.9℃の発熱があり、誤嚥性肺炎や尿路感染症が疑われた。

 付き添ってきた夫が、診療情報提供書を出した。いつも心不全でお世話になっている心臓血管センターのある病院からだった。循環器科の常勤医がいなくなり、2つの施設から外来応援をもらっている。

 その病院からも週に1回外来に来ていて、6月初めに診察を受けている。その後、19日に今回と同様の症状(意識レベルは今回より低下)で夜間に救急外来を受診した。当直医は外科医で、検査で108mEq/Lと著しい低ナトリウム血症と判明した。心不全の悪化はなかったが、生食投与による心不全の悪化が危惧されたのと、電子カルテの画面に「心不全増悪時は専門病院へ搬送」と付箋が貼ってあるので、そちらの病院に搬送したのだった。

 診療情報提供書には、利尿薬過量による薬剤性低ナトリウム血症とあり、ラシックス40mgは中止したとあった。これまで心不全が悪化する度に利尿薬と降圧薬が追加されて、ダイアート・ラシックス・サムスカ(セララも)が出ていた。

 昨日は血清ナトリウム111mEq/Lと低下していた。この方はふだんから水分摂取が多いが、夫の話では最近は暑いのでさらに水分を多くとっていたそうだ。利尿薬は出ているのでその影響はあるのだろうが、水中毒になっていると判断された。

 会話はできる状態なので(食事もとれる)、3%生食は使用せず、生食少量の点滴(10ml/時)で治療を開始した。水分を適度に制限すれば改善するはずだ。結局入院は4名だった。

 

 

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