なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心因性か

2017年05月19日 | Weblog

 一昨日の診療時間が終わった直後(当直帯の始まり)に、女子高校生が救急搬入された。母親が自宅に帰ってきて、娘が倒れているのに気付き、意識がはっきりしないので救急要請した。救急隊到着時、意識レベルⅢ-100(JCS)と判断された。他のバイタルは正常域だった。

 当直医は整形外科医だった。当院搬入時は意識清明だったが、両下肢の脱力としびれを訴えた。症状が一定ではないらしく、器質的なものではないのではという印象が持たれたそうだ。また午後6時だったので、院内にいたその日の内科当番の先生が呼ばれた。

 翌日経緯を聞いたが、一通り検査をしたが、器質的な異常を疑う所見はなかった。器質的な疾患としては脊髄病変が疑われるのだろうが、頭部MRI・頸胸椎MRI・腰椎MRIを行ったという。結果は異常なし。これほどいっぺんにMRIを撮ったことは当院初かもしれない。血液検査で異常が出るものでもないと思うが、まったくの正常値。

 神経内科外来でも診てもらったが、神経学的に合わないので心因性ではということだった。病棟の看護師さんも、車いすに介助で移乗させるが、その後はいつの間にか自分でベットに戻ったりしていると記載していた。心因性(転換障害)と言われても、それで家族が納得しなかったため、神経内科と精神科のある高次病院に紹介となった。

 直接かかわわっていないので、そんな患者さんがいたそうですというだけだが、上田剛士先生の「非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス」を読み返してみた。両下肢の場合は「膝立て保持試験」か。膝を受動的に立てさせて、手を放した時に器質的疾患であれば膝立てを保持できず外転しながら膝が崩れることを確認する。膝立てを保持できる場合は非器質的疾患になる(ゆっくりまっすぐ下肢を伸ばすかもしれないが)。とっさの行動で動かないはずの四肢が動いたり、誰も見ていないところでは動かしているところを確認するのが確かなのだろう。当院の重症個室にはカメラが付いているので、(患者さんに気づかれなければ)それで見られる。

 家族や学校のことを聞いても、特に問題ないと答えたそうだ。家庭の事情としては、母親が再婚して、再婚相手との間に子供が生まれた(1歳になる)ということがある。紹介先としては最適な選択だと思う。  

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